ポンド急騰!! バルニエBrexit交渉官の発言とポンド上昇の背景解説

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2018年8月30日

ポンド急騰!! バルニエBrexit交渉官の発言とポンド上昇の背景解説

記事を書いた人:岡ちゃんマン

 

ポンド暴騰!!

バルニエ英EU離脱・欧州委員会首席交渉官
「EUは英国と将来の関係について11月に声明を出すことを検討
「我々は他の国とは違い英国にパートナーシップを提供する用意がある」

この発言を好感して、市場はポンド買いで反応!

 


GBP/USD 分足チャート

 

なぜ、好感したのだろう!? ポイントをいくつかまとめてみました。

 

1)Brexit交渉の進展

Brexit交渉は合意できないのではないか!? 交渉期限が迫るなか、合意できる可能性が見えてきました。 来年の3月29日でEUから離脱。 離脱前にEU・英国の双方国内で批准手続き(離脱合意内容を承認作業)が必要なため、合意内容は年内には決まっていないと困る。 EUサミットは10月と12月。 12月では年末・クリスマス休暇前なので、最終期限は10月のEUサミットとみられていました。

今回の発言では、11月に声明を検討となっています。 これも好感された要因の一つかもしれません。 10月のサミットで決まらない場合は、11月に臨時サミットを開催するとの情報があったようです。 そのタイミングにピッタリ!  多分、11月の臨時サミットで合意内容を発表する見込みがついたのではないかと思います。

 

 

2)合意なき離脱を織り込んでいるところだった

上記のように、最終期限が近付いてきていることから、合意なき離脱(白紙離脱)が織り込み始めていました。 メイ首相は「ブレグジットで合意が無くてもこの世の終わりではない」と諦めたような発言。 英国をはじめ、EU各国でも合意なき離脱(白紙離脱)になった場合のことを国民や企業に対してガイダンスしているところでした。 また、市場もこの悪材料を少しづつ織り込み作業に入っているところでした。 最近のポンドは対ドルで売られていました。

 


GBP/USD 日足チャート

 

 

3)同じ内容が、英国・EU双方から出てきた

今まで、Brexit交渉の内容が出てきたことは幾度かありましたが、EU側と英国側で内容が違ったり、否定報道が出たりしていました。 英国側のラーブBrexit担当相が発言していたのですが、市場は無反応。 ただ、英国側の内容と同じ発言をEU側、バルニエBrexit交渉官が発言したことで信憑性が出てきたのか、市場は大きく反応しました。

 

 

◎これからの英ポンド

 


GBP/USD 時間足チャート

 

今回の発言内容が本当で、Brexit交渉合意ということであればポンドは上昇。 ただ合意をしたとしても、まだ超えなくてはいけないハードルがあります。 英国・EU加盟各国で批准作業をしなくてはいけないこと。 英国に限って言えば、メイ首相が首相であること。 議会で承認されること。 Brexit交渉内容を承認するための国民投票の可能性が残っていること。 等々課題はいくつもあります。 途中でつまずけば、上昇した分の巻き戻しが起こる可能性が高いです。

 

個人的には、何事もなければ合意できている可能性はあると思います。 EU側は、そうでなくても難民問題・イタリア財政問題・スペイン政権問題と火種(時限爆弾)をいくつも抱えています。 なので、英国との交渉は早く終わらせたい。 英国に合意なき離脱をされて、移行期間の拠出金や離脱慰謝料などがもらえないのは、EUの財政からしても痛手となります。 双方とも困るので、何とか合意するのではないかと思います。

それを考えると、ポンド買いも考えてもいいのではないかと思います。

 

 

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