2025年4月29日
月末月初で米指標ラッシュ、トランプリスクと併せてボラティリティの大きい1週間! 「4月28日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週は注目されていたG20財務相・中央銀行総裁会議や日米財務相会談で為替目標への言及はありませんでした。
米中関係ではトランプ米大統領が「中国の習近平
今週はトランプ大統領を中心としたリスク要因に加え、月末月初の週で重要指標ラッシュが予定されています。
ボラティリティの大きい1週間になるのではないかと注目しています。
目次
◎今週の注目点
1)リスク要因
今週もトランプ(関税)がマーケットの中心となるのではないかと思います。
日米関係
関税に加えて非関税障壁(消費税や規制など)や、為替(円安誘導)が問題視され、先週のG20財務相・中央銀行総裁会議で非公式で交渉されているかもしれません。
トランプ大統領やベッセント米財務長官から圧力など発言が出てこないか注意しておきたいと思います
米欧関係
欧州は抑止力として米国への一部輸出品に規制を導入する提案を策定中と報復の準備も進めています。
米中関係
米国が対中を145%、中国が対米を125%に
先週末には一部報道で「中国は
新たな内容が出てくることでリスクオフが進んだり後退することに注意しておきたいと思います。
パウエルFRB議長
トランプ大統領はFRBへの利下げ圧力やパウエルFRB議長の解任圧力をかけています。
今後も圧力来るとリスクオフが進む可能性があるので注意しておきたいと思います。
2)金融政策
日銀金融政策決定会合
注目度:かなり高い
織り込み度:据え置きを8割織り込み済み
バイアス:円買い
ポイント:利上げの有無と今後の利上げ見通し
以前は5月もしくは6月に追加利上げが見込まれていましたが、トランプ大統領の関税政策により世界的に経済見通しに不安が広がり、追加利上げが見送られる可能性が高まりました。
ただ、先週のG20財務相・中央銀行総裁会議でベッセント米財務長官が利上げ(円安是正)を要請したのではないかとの観測もあり、サプライズの追加利上げの可能性が捨てきれない状況です。
据え置きが決定された場合でも、先週のG20財務相・中央銀行総裁会議で追加利上げ(円安是正)が要請されたのかや、今後の追加利上げの見通しについてなどについて声明文や記者会見からヒントを探す展開となりそうです。
追加利上げに前向きなタカ派な内容となれば円買いが進むのではないか、ハト派な内容であれば円売りが出るかもしれませんが反応は限定的になるのではないかと思っています。
3)経済指標
米JOLTS求人件数
ウォラーFRB理事が先週、「トランプ政権が高水準の関税を再び導入した場合、企業は追加の人員削減に動く可能性がある」と発言したことで雇用市場に注目が集まるのではないかと思います。
JOLTS求人件数は月初めの雇用指標ラッシュの先鋒として注目されています。
結果が予想よりも悪かった場合はドル売りが加速する可能性が高いので注意しておきたいと思います。
豪四半期CPI(消費者物価指数)
RBAは追加利下げのデータとして四半期CPI(消費者物価指数)の結果を重要視するのではないかと注目されています。
物価の低下が確認されれば追加利下げとなる可能性があります。
結果と豪ドルの動きに注目しておきたいと思います。
ただ、トランプ関税や米中貿易戦争の影響で利下げが先送りになる可能性を懸念し、反応が限定的となる可能性があるので注意しておきたいと思います。
GDP(速報値)、HICP(消費者物価指数)(速報値)
フランス・ドイツ・ユーロ圏でGDPとHICP(消費者物価指数)の速報値が発表されます。
トランプ関税の影響で景気後退が懸念される中で、今回発表されるGDPが弱い結果となると今後の景気後退懸念が一気に加速するのではないかと思います。
また、HICP(消費者物価指数)が落ち着きをみせるようであれば、追加利下げのハードルの下がるのではないかと思います。
ADP雇用統計
週末の雇用統計の前哨戦としてADP雇用統計に注目。
ウォラーFRB理事の発言で雇用市場に注目が集まるのではないかと思います。
注目度が高まれば大きく動く可能性が高まるので、注意してみておきたいと思います。
値動きが大きくなれば、週末の雇用統計も大きく動く可能性が高まります。
米GDP(速報値)
米国は景気後退が懸念され、ドル売りが大きく進んでいます。
今回のGDPは速報値のため予想と結果が乖離する可能性が高く、予想よりも弱い結果が出てきた場合はドル売りが加速する可能性があるので注目です。
特にトランプ関税の影響などから景気後退が懸念されているだけにネガティブな結果には大きく反応するのではないかと注目しています。
カナダGDP
カナダ中銀はトランプ関税の影響などを確認するため、利下げを一時停止し据え置きを決定しました。
今回のGDPの結果が弱いものになれば、トランプ関税の影響などの懸念と併せて追加利下げや大幅利下げの可能性も出てくるのではないかと思います。
そうなるとカナダドルが大きく売られることになるので注意しておきたいと思います。
米PCEデフレーター
FRBが金融政策の判断に最も注目している指標がPCEデフレーターです。
PCEデフレーターの結果が弱いものとなれば追加利下げの可能性が高まるのではないかtと思います。
トランプ関税の影響などからドル安が進んでおり、予想を上回る結果が出てきたとしてもドル買い方向は限定的になる可能性があるのではないかと注意しておきたいと思います。
米失業保険申請件数
雇用統計を翌日に控えて失業保険申請件数の結果は注目度が下がるのではないかと思いますが、失業保険申請件数は毎週発表されるため、雇用指標の先行指標として注目されています。
継続申請が悪化すると失業率の悪化につながるので、継続申請数が増えているのかに注目しておきたいと思います。
ISM製造業景況指数
米国の製造業の今後の景況感を確認するため、ISM製造業景況指数の結果に注目です。
トランプ関税の影響などから、部品などにも関税がかかるのではないかなど製造業にも大きく影響が出ると懸念されています。
景況感がどこまで悪化しているのかに注目したいと思います。
NFP雇用統計・失業率・平均時給
ウォラーFRB理事が先週、「トランプ政権が高水準の関税を再び導入した場合、企業は追加の人員削減に動く可能性がある」と発言したことで雇用市場に注目が集まるのではないかと思います。
雇用者数よりも失業率がどこまで悪化しているのか、そのうえで雇用者数の数字に注目したいと思います。
雇用者数の数字は予想の±5万人以上で反応すると思っています。
また、雇用者数が10万人を割り込む結果になった場合にも反応が強く出るのではないかと注目しています。
◎今週のイベントスケジュール
4月28日(月曜日)
カナダ総選挙
22:00 EUR デギントスECB副総裁、レーン・フィンランド中銀総裁発言
4月29日(火曜日)
23:00 USD 米JOLTS求人件数、消費者信頼感指数
23:00 EUR ホルツマン・オーストリア中銀総裁発言
4月30日(水曜日)
10:30 AUD 豪四半期CPI(消費者物価指数)
10:30 CNY 中国製造業・非製造業PMI
10:45 CNY 財新製造業PMI
14:30 EUR フランスGDP(速報値)
15:45 EUR フランスHICP(消費者物価指数)(速報値)
17:00 EUR ドイツGDP(速報値)
18:00 EUR ユーロ圏GDP(速報値)
20:00 GBP ロンバルデリBOE副総裁発言
21:00 EUR ドイツHICP(消費者物価指数)
21:15 USD ADP雇用統計
21:30 USD 米GDP(速報値)
21:30 CAD カナダGDP
23:00 USD 米PCEデフレーター、住宅販売保留
23:30 USD 原油在庫量
5月1日(木曜日)
英国地方選挙
中国市場休場(労働節)
香港、シンガポール、韓国、スイス、フランス
10:30 AUD 豪輸入物価指数、貿易収支
12時前後 JPY 日銀金融政策決定会合・声明文・展望レポート
15:30 JPY 植田日銀総裁発言(記者会見)
15:30 CHF スイス小売売上高
21:30 USD 米失業保険申請件数
23:00 USD ISM製造業景況指数
5月2日(金曜日)
中国市場休場(労働節)
10:30 AUD 豪小売売上高
18:00 EUR ユーロ圏HICP(消費者物価指数)(速報値)
21:30 USD NFP雇用統計・失業率・平均時給