中央銀行トレード

TOP > 中央銀行トレード

2019年3月11日

中央銀行トレード

記事を書いた人:川ちゃん

目次

◎中央銀行トレードとは?

為替相場に最も影響を与えるのが、各中央銀行の金融政策です。例えば、日本でいうと日銀です。日銀が円安政策を組めば、基本、円安方向に動きます。

 

 

特に金融政策の変更する時が狙い目です。その時は、トレンドの転換点となり、トレンドの初めからエントリーできます。頻度は少ないですが大きなトレンド相場が形成される可能性が高いです。「金融政策」を分析すれば、未来のFX価格を簡単に予測することができます。

 

 


1)金融政策の種類


 

中央銀行の金融政策の種類には大きく分けて2つあります。

 

【ハト派】=金融緩和政策

(景気を刺激し、通貨安をもたらし株価を押し上げる政策)

・量的緩和=通貨安

・利下げ=通貨安

 

【タカ派】=引き締め政策

(景気を抑制し通貨高をもたらす政策)

・テーパリング(金融緩和の縮小)=通貨高

・利上げ=通貨高

 

 

ちょっと、ややこしいですが、要するに

 

 

ハト派政策の場合=その通貨は売られる

タカ派政策の場合=その通貨は買われる

 

 

*特にハト派からタカ派、タカ派からハト派に金融政策が変更する時がトレンドの始まりとなり、最も大きなチャンスとなります。

 

 


2)中央銀行の金融政策を知るためには?


 

毎月、あるいは2か月に1回、各中央銀行の金融政策決定会合があります。年間スケジュールは決まっていますので、時間管理しやすいです。そこで、政策金利発表声明が発表されます。

 

 

それをチェックして読み解けば簡単に分かります。金融政策の読み解き方は記事やレポートで書いていきますのでご覧ください。

 

 

▷世界の中央銀行スケジュール2019年

 


3)中央銀行と政治の関係性


 

基本、為替相場は各中央銀行の金融政策の方向に動きます。しかしながら、それにブレーキを掛けたり、推進したりするのが政治になります。この「金融政策」と「政治」は密接に関係しています。

 

 

中銀が通貨買い政策をとっても、政治がそれにブレーキをかけて混乱させることもあります。トルコなんかはその最たる例です。(ここではトルコの説明は割愛します)

(トルコ中銀と真っ向対立する トルコ エルドアン大統領)

 

 

逆に中銀と政治が1つになって同じ方向に通貨を動かしたいと協力したら、強烈なトレンドを作ることになります。その代表的な例が日本のアベノミクスです。日銀(黒田総裁)と安倍首相が手を組んで起こした、経済復興計画と言えるでしょう。

(黒田日銀総裁と安倍首相)

 

 

2018年は各中銀の金融政策の大きな変更はありませんでしたが、2017年は2つの中央銀行の政策変更がありました。

 

 

【2017年の金融政策変更】

・ECB(欧州中銀) 緩和政策→緩和の縮小(テーパリング)=ユーロ買い

・BOC(カナダ中銀) 緩和政策→利上げ=カナダドル買い

 

 

以上の2国の金融政策の変更がありました。これによって、2017年はカナダドル買い、ユーロ買いの大相場となりました。ともに1000PIP以上のトレンドを作りました。

 

 

【カナダドル買いトレンド】

(ドルカナダ 日足チャート 2017年)

 

 

【ユーロ買いトレンド】

 

(ユーロドル日足チャート 2017年)

 

◎中央銀行トレード例

 

(2017年4月24日 EUR/USD買い戦略)

新規EUR/USD買い エントリー1.0889 損切り 1.0700

 

 


1)エントリー理由


 

ECB(欧州中銀)の金融政策が緩和→緩和の縮小(テーパリング)に移った。

 

 

緩和=ユーロ安政策 ➤ テーパリング=ユーロ高政策

 

 

このように、金融政策がユーロ売りから、ユーロ買いに移行するタイミングでした。金融政策の変更という、最も大きなトレンド転換ポイントになります。ということでユーロ買い戦略。

 

 

  • 当時、ユーロ買いの重しになっていたのは政治不安でした。フランス大統領選の結果次第で今後のユーロの方向性が問われていました。フランス大統領選の結果を受け、その政治不安が後退したため、ユーロを売る理由がなくなりました。

  •  
  •  

    ということは、「政治不安さえなければ、ユーロ買うしかないでしょ!!」という状況でした。

 

 


2)ユーロ上昇相場の鍵となったフランス大統領選挙の状況


 

2018年4月 マクロン氏とルペン氏の2人のリーダーの戦いとなりました

(イケメン 保守派 マクロン氏)   VS  (女性 改革派 ルペン氏)

 

 

マクロン氏は保守派で フランスのEU離脱 反対派

マクロン氏(保守派)の勝利→フランスのEU離脱懸念がなくなり、ユーロ買い

 

ルペン氏は改革派で フランスのEU離脱 推進派

ルペン氏(改革派)の勝利→フランスのEU離脱懸念が高まり、ユーロ売り

 

 

マクロン VS ルペンの結果はマクロン氏の勝利となり、フランスのEU離脱懸念がなくなったのでユーロ買い戦略を組み、ユーロドルの買いポジションを取りました。

 

 


3)ユーロドルのチャートで解説


 

4月23日は日曜日だったので、24日の午前中ユーロドル買いポジションを取りました。

新規EUR/USD買い エントリー1.0889 損切り 1.0700 利確 1.2000

(ユーロドル 日足チャート 4月24日大きく上に窓開けでスタート)

 

 

4月24日、ユーロドルは朝一で大きく窓開けしました。その後、ユーロドルは一方向に上昇し続けました。決済は節目の1.200にリミット注文を入れていました。結果的にはもっと伸びたのですが、1000PIP程度の利益となりました。

 

 

今回のトレードは、最終決済はエントリーから約5か月後になりました。フランス大統領選後、ドイツ選挙も終了し、無事にEU崩壊の懸念も完全に後退。ユーロドルは1000pip以上上昇し、十分ユーロが買われたので、ユーロ買いの力も弱くなってきました。 ストーリー終了でコアポジション、追加ポジションともに全決済です。 コアポジションは目標の1000pipsで利確できました。

 

 

以上が、金融政策と政治をテーマにした「中央銀行トレード」の1例です。

2018年は無かったですが、2019年中銀の政策変更があればトレンドフォローでしっかり利益を上げていきたいです。

 

 

RECOMMEND