2019年3月24日
目が離せない英国・欧州!! Brexitと景気後退! ~3月25日週の注目点とイベントスケジュール~
記事を書いた人:岡ちゃんマン
3日にわたる英国議会採決、EUサミットと今月に入り眠れない日が続いています。 結局、決まらないまま今週末には離脱期限日を迎えます。 ということで、今週が最大のヤマ場です。(毎週言っているかもしれませんが…)
また、以前から懸念はしていましたが、とうとう出てきてしまった欧州経済の後退懸念です。 ドイツをはじめフランス・イタリア・スペインなど欧州各国で予想を下回る経済指標結果が出てきています。 特に驚きだったのはドイツです。 6年ぶりの低水準となる結果が出てしまいました。 あまりのサプライズに、ユーロは大きく下落。 ユーロ円は最終的に200pips以上の下落となりました。
目次
◎今週の注目点
1)英国・欧州Brexit関連
・メイ首相の離脱案採決
先週のEUサミットで、英国の離脱期限延期が決まりました。 ここから、重要になってくるのは離脱案の採決と合意なき離脱になってきます。
第1ポイント:今週のメイ首相離脱案が可決されるか!?否決されるか!? 可決されれば、EUとの最終交渉で臨時EUサミットへ!
第2ポイント:4月12日までに、離脱案プランB or 合意なき離脱 or 欧州議会選挙に参加して長期の離脱期限延長
第3ポイント:離脱案プランBが認められた場合、5月7日 or 5月22日までの離脱期限の延期
第4ポイント:5月7日 or 5月22日離脱期限で合意なき離脱
上記のポイントで離脱協議がまとまるか、第4ポイントまでに離脱協議がまとまらないと合意なき離脱か、リスボン条約50条の破棄(離脱しない)のどちらか迫られます。 これが現在の流れではありますが、いつどこで変わるかわからないのが、本音です。 そのためにも、まずは今週の3回目の離脱案採決が重要になってきます。
今週の離脱案採決が可決されれば、問題ないのですが、否決された場合は得票差に注目が集まります。 最初の採決は230票差、2度目の採決は149票差となっています。 3回目の採決で大幅に得票差がなくなっていないと修正の道筋が見えなくなってしまいます。
得票差が少なければ、4月12日までに修正案を提出、プランBに期待・注目が集まります。
逆に、得票差が大きければ現在の離脱案修正は期待できず、合意なき離脱や長期の離脱期限延期に進路変更していかないといけなくなります。 そのため、今週の離脱案採決に注目が集まります。
・コックス法務長官の法的見解
2度目の離脱案採決が否決になった、大きな要因の一つがコックス法務長官の法的見解です。 北アイルランドDUP党や保守党強硬派の人たちは、コックス法務長官の法的見解で反対に回ったといっても過言ではありません。 なので、法的見解が見直され、リスクが低減されれば北アイルランドDUP党や保守党強硬派の人たちが賛成に回る可能性が出てきます。 そうなれば、メイ首相の離脱案が可決される可能性が出てきます。
メイ首相の離脱案が可決されるか、否決されるかキーマンなので、要注意です。
・2度目の国民投票
英国では、議会HPに議題を提案して署名を集めるシステムがあります。 議題の提出は誰でも出来ます。
先週末に提出された「2度目の国民投票・離脱の破棄・リスボン条約50条の撤回」の審議に200万人の署名が集まっています。 署名が集まったことで英国議会で審議をするのか!? また、審議をするのであればいつ審議するのか!? 注目です。
英国ではデモも起こっています。 署名が国民の声だとすると、メイ首相はどう判断するのかにも注目が集まります。
2)欧州経済の後退懸念
先週発表のPMIが予想を大幅に下回る結果となりました。 まさかの事態でユーロは大きく売られました。 株価は軒並み下落。 リスクオフの流れとなっています。
今週も、ユーロ圏ではHICP(消費者物価指数)やGDPなど多く発表されます。
また、27日(水曜日)のドラギECB総裁発言をはじめ、ECB要人発言が多数予定されています。 ECBは、昨年末でQE(量的緩和)を終了したのですが、今月の理事会ではTLTROを決定。 緩和政策ともとれる政策にシフト変更しています。 ハト派にシフト変更したECBが、今回の景気後退ともとれる経済指標結果をどうとらえるのか、発言に注目です。
3)米国債利回りと逆イールド
Brexitや欧州・オセアニア・中国の景気減速など、リスクオフの流れに傾いています。 安全通貨のドル・円・フランに資金が集まるのと同時に、債券市場にも資金が集まっています。 なかでも、人気の高い米・日・独国債に資金が集まり、日・独10年債利回りはマイナス域に突入。 米国債は3か月債利回りと10年債利回りを比べたときに、10年債利回りのほうが低金利となる「逆イールド」状況になっています。 逆イールドは、景気後退のシグナル・リセッションの前兆などと言われています。
今週は米国で債券入札が予定されています。 米国債利回りとイールドカーブに注目しておきたいと思います。
◎今週のイベントスケジュール
3月25日(月曜日)
10:45 USD エバンス・シカゴ連銀総裁発言
18:00 EUR ドイツIfo企業景況感指数
19:00 USD ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁発言
3月26日(火曜日)
05:30 AUD エリスRBA総裁補佐発言
06:45 NZD NZ貿易収支
08:50 JPY 日銀金融政策決定会合における主な意見(3月14・15日分)
09:30 USD ローゼングレン・ボストン連銀総裁発言
16:00 EUR Gfkドイツ消費者信頼感指数
16:45 EUR フランスGDP
16:45 USD ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁発言
19:30 USD エバンス・シカゴ連銀総裁発言
20:00 GBP ブロードベントBOE副総裁発言
20:00 EUR マクチ・スロバキア中銀総裁
21:30 USD 建築許可・住宅着工件数
22:00 HUF ハンガリー政策金利発表
23:00 USD 消費者信頼感指数
3月27日(水曜日)
02:00 2年債入札
04:00 USD デイリー・サンフランシスコ連銀総裁発言
08:00 AUD ケントRBA総裁補佐発言
10:00 NZD RBNZ政策金利・声明文発表
16:00 NOK ノルウェー失業率
17:00 EUR スペインHICP(消費者物価指数)
17:00 EUR ドラギECB総裁発言
17:00 EUR ノボトニー・オーストリア中銀総裁発言
17:45 EUR プラートECB専務理事発言
19:00 EUR ラウテンシュレーガーECB専務理事発言
19:45 EUR デギントスECB副総裁発言
21:30 USD 米貿易収支
21:30 CAD カナダ貿易収支
22:30 EUR メルシュECB専務理事発言
23:00 MXN メキシコ貿易収支
23:30 USD 原油在庫量
3月28日(木曜日)
02:00 USD 5年債入札
06:30 USD ジョージ・カンザスシティ連銀総裁発言
09:00 NZD NBNZ企業信頼感
16:00 GBP 住宅価格指数
18:10 EUR デギントスECB副総裁発言
19:00 EUR ユーロ圏消費者信頼感指数
20:15 USD クウォールズFRB副議長発言
21:00 CZK チェコ政策金利発言
21:30 USD GDP(確定値)
22:00 EUR ドイツHICP(消費者物価指数)
22:30 USD クラリダFRB副議長発言
3月29日(金曜日)
英国・EU離脱期限
02:00 USD 7年債入札
02:15 USD ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁発言
04:00 MXN メキシコ政策金利発表
05:00 NZD オアRBNZ総裁発言
06:20 USD ブラード・セントルイス連銀総裁発言
06:45 NZD 建築許可件数
09:01 GBP Gfk消費者信頼感指数
16:00 EUR ドイツ小売売上高
16:45 EUR フランスHICP(消費者物価指数)
17:00 EUR スペインGDP
17:55 EUR ドイツ失業率
18:30 GBP 英GDP
19:00 EUR イタリアHICP(消費者物価指数)
19:00 EUR ユーロ圏HICP(消費者物価指数)
21:30 USD PCEデフレーター
21:30 CAD カナダGDP
23:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数
3月30日(土曜日)
01:45 USD クウォールズFRB副議長発言
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント
3月31日(日曜日)
欧州・英国サマータイム移行