2017年12月27日
英国議会選挙結果のシナリオパターンについて
記事を書いた人:岡ちゃんマン
前回まとめたように、今回の選挙結果によっていくつかのシナリオが想像できます。
目次
英国議会選挙と政党政治について
◎保守党の圧勝
メイ首相率いる保守党が議席を増やして党内・議会における求心力を強化。離脱交渉を巡る不透明感が薄れるとの期待から、ポンドは上昇するのではないかと予想。
◎圧勝ではないが議席を増やす
キャメロン前首相の下で戦った2015年の選挙で、保守党は過半数を12上回る議席を確保している。この議席数を増やすことができても、圧勝を織り込んでいるので、初期の反応はポンド安になるのではないかと予想。
◎与党勝利でも議席は増えず
選挙前倒しというメイ首相の賭けは失敗したことになり、EU離脱議論を巡る議会内での求心力が衰え、EUに対する立場も弱くなる。
これとは反対の見方もあり、EUが出した妥協案をはねつけ、より強硬な姿勢で交渉に望むかもしれない。
EUと合意に至るか否か、またその内容を巡る不透明感が高まる。
この場合にはポンドが中短期的に下がるが、その後上昇する可能性があると予想。
◎宙ぶらりん議会
保守党、労働党のいずれも明確な過半数を確保できない場合、連立政権を組まなければいけないので、大きな不透明感が広がるのではないかと予想。
現状では親EU派のスコットランド民族党の影響力が増すのではないかと予想。
保守党との連立に喜んで応じる少数政党は見当たらず、労働党主導の政権が誕生する可能性が高い。
ブレグジットについて現在より穏健な姿勢をとる中道左派連立政権が誕生したり、その可能性が見えてくれば、ポンド高要因になる可能性も。
◎労働党が勝利
過去を振り返ると、労働党が支持率を大きく伸ばすとポンドは下がる傾向がある。
労働党勝利という「政治的な地震」が起これば、ポンドは反射的に急落する可能性があると予想。
最初はポンドが下落するとしても、ソフト・ブレグジット、あるいは離脱撤回の期待が生じることから、最終的にはポンドの支援材料になるとの見方も。
長くなりましたが、世論調査の結果を見る限り、どのシナリオになってもおかしくない状況です。
あと一週間の世論調査の結果に注目をしながら、どのシナリオになってもいいように準備をしておきたいと思います。
今回の予想は、ロイターが各投資銀行やファンドのレポートから集めたものを参照しています。
最終判断は自己責任でお願いします。