2017年12月29日
Brexit交渉の不透明感について
記事を書いた人:岡ちゃんマン
EU側と英国側の思いの違いと、譲れない部分でBrexit交渉がなかなか進展しません。
条件交渉:第1段階
・違約金・手切れ金問題
EU側は違約金を払わないと、次の交渉には進まない。請求額は最低600億ユーロ~1100億ユーロ。
英国側は、金額交渉と並行して他の交渉に進みたい。200億ユーロくらいなら払う用意(議会での承認はまだ)がある。
・市民権
離脱後の英国在住のEU市民・EU在住の英国人の市民権と司法権限。
それぞれの国にいる人たちは、離脱後に移動できるのか⁉
そのままなら、どちらの国の法律で裁かれるのか⁉
・北アイルランド国境問題
北アイルランドとアイルランド共和国の間には、国境を管理するものはありません。
今後、国境の管理をどうするのか⁉
北アイルランドが独立して、アイルランド共和国と一緒になる⁉
北アイルランドだけは、人の移動を自由にする⁉
上記のような問題が、全然解決しないまま現在に至っています。
どちらかというと、EU側のほうが積極的で、英国側は英国内のごたごたで英国自体の意見がまとまっていない状況です。
上記の問題を解決して、10月のEUサミットで報告したのち、条件交渉の第2段階に入るはずだったのに、、、
英国の準備ができておらず、12月のEUサミットに延期となりました。
本日(11月15日)このブログを書いているときに、ブルームバーグからの情報では、12月のEUサミットにも間に合わず、来年まで延期になるのではないかといわれています。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-11-15/OZGDPT6TTDS001
条件交渉:第2段階
・貿易協定
・人やモノの移動
・移行期間(期間と内容)
・etc、、、
英国側が同時進行で進めたい離脱の条件交渉は上記のような問題です。
第2段階の条件交渉は2018年10月ごろまでに合意したいと、英国側は思っているのではないかと思います。
2018年10月には党大会が控えているので、それまでには合意して報告したいはずです。
条件交渉が合意できると、次の段階です。
EUと英国の間でBrexit交渉に合意すると、それぞれの国(議会)で承認を受ける手続きに入ります。
もし仮に、どちらかの国(議会)で承認が得られないなんてことになると、それまで話し合った交渉内容は白紙になり、何も決まらない状態で離脱なんてこともあるのかもしれません。
その後は、移行期間が設定されていれば、移行期間の間に人やモノや企業は移動を済ませなければいけません。
移行期間が終了すれば、晴れて英国はEUから離脱することになります。
Brexit交渉の後半戦については、不確定要素が多いので、わかり次第まとめていきたいと思います。