2019年4月18日
為替操作国・為替報告書とは!?
記事を書いた人:岡ちゃんマン
目次
◎為替報告書とは!?
米国の財務省が、為替を操作(通貨安に誘導)していないかを貿易相手国を分析して、米国議会に提出する報告書。
4月と10月の年2回、議会に報告書が提出され、その後公表される。
為替操作国に認定された国は、是正措置をとらない場合は高関税などの制裁が科せられる。
◎為替操作国と監視対象国
・為替操作国
貿易(輸出)を有利に進めるために、自国通貨を通貨安になるように、為替介入もしくは誘導していないか!? 以下の基準に照らし合わせ、3点全て当てはまると「為替操作国」に認定される。
・監視対象国
貿易(輸出)を有利に進めるために、自国通貨を通貨安になるように、為替介入もしくは誘導していないか!? 以下の基準に照らし合わせ、2点全て当てはまると「監視対象国」に認定される。
◎認定基準・ポイントとは
1)年間200億ドル超の対米貿易黒字
日本の2018年対米黒字額は、6兆4548億円(1ドル=110円だと、約586億ドル)
2)GDP(国内総生産)の3%を超える経常黒字
日本は、経常収支(GDP比)ランキング36位(3.5%)
3)為替市場介入を通じた自国通貨安の誘導
この条件については、明確な基準がない。 なので、米国財務省が最終判断。
通貨安誘導には、直接的為替介入(正式名称は「外国為替平衡操作」日銀HP参照)以外にも、緩和政策なども判断材料に含まれる模様。
※中国を念頭に「対米黒字が巨額かつ不均衡」との条件も追加
◎2018年末時点の対象国は
・為替操作国に認定されている国は無い(2018年10月時点)
・監視対象国については、以下の国がリストにあがっています。
「中国、日本、韓国、インド、ドイツ、スイス」
また、ユーロ(EU)については、リストに載っていませんが、ドイツなど一部の国に対し通貨水準が割安だと指摘されています。
最後に、為替操作国に認定されたり、監視対象国にリストアップされたりすると、制裁関税などを課される場合があるため、株価や為替に大きく影響を及ぼします。 基本的に報告書は4月・10月の15日までに議会に提出され、1週間前後で公表されることが多いです。 なので、その時期になると、発表に注意しています。