2025年4月17日
4月16日の記録室 ~株価と金利と要人発言~
記事を書いた人:岡ちゃんマン
目次
◎昨日の注目点
・一部報道で、中国はトランプ米政権が敬意を示し担当者を指名するのであれば、交渉に応じる用意があると伝わると米中の関係改善への期待感でリスクオフの動きが緩んだ
・トランプ米大統領は17日からの日米協議に自分が出席するとし、「軍事支援の費用と貿易の公平性が協議の一部」と述べた
・一部通信社が「日銀が本年度の経済成長予測引き下げた」と報じた
・3月米小売売上高は前月比+1.4%、自動車を除く数値は前月比+0.5%と共に予想を上回ったが、反応は薄かった
・パウエルFRB議長は講演で「米政権の関税措置による経済への影響は予想を大幅に上回る」と述べた一方、景気の下支えにつながる早期の利下げには慎重な考えを改めて示したことで「いざとなればパウエル議長が緩和に動く」という期待感(パウエル・プット)がはく落すると、株式市場では一時ダウ平均は970ドル超下落し、ナスダック総合は4%超下げ、為替市場ではリスク回避の円買いが優勢となり、ドル円は4時30分前に一時141.65円と昨年9月以来の安値を付けた
◎昨日の主要通貨強弱グラフ

4月17日6時時点

4月17日6時時点
◎昨日の株価
4月17日6時時点
◎昨日の要人発言
植田日銀総裁(新聞報道・・14日付けのインタビュー記事)
「米高関税政策が国内経済の下押し圧力になった場合、政策的対応が必要になるかもしれないが、情勢の変化に応じて適切に判断」
「企業や家計のコンフィデンスは既に一部反応しているものある」
「トランプリスク巡り、2月以降は悪いシナリオの方に来ている」
「トランプ関税の影響は、予断を持たずに点検する」
赤沢経済再生相
「米国との関税交渉は、準備ができている」
「何が一番国益に資するか効果的か考え抜いて交渉する」
「交渉分野についてのコメントは控える」
トランプ米大統領
「インフレは下がっている」
「あらゆる製品の価格は下がっていく見込み」
「日本との協議、自分が出席する」
「軍事支援の費用と貿易の公平性が協議の一部」
「日本との協議、何かが解決できることを願う」
中国外務省
「米国に脅迫と恐喝をやめるよう強く求める」
「米国が対話を通じて問題を解決したいのであれば、圧力をかけるのをやめるべきだ」
カナダ銀行(BOC、カナダ中央銀行)声明
「米国の貿易政策の大きな転換と関税の予測不可能性は、不確実性を高め、経済成長の見通しを低下させ、インフレ期待を押し上げている」
「不確実性が蔓延しているため、カナダおよび世界のGDP成長率とインフレ率を予測することは非常に困難」
「4月金融政策報告書(MPR)では、米貿易政策の異なる道筋を探る2つのシナリオを提示する」
「最初のシナリオでは、不確実性は高いものの、関税の規模は限定的。カナダの成長率は一時的に鈍化し、インフレ率は目標の2%前後で推移」
「2つ目のシナリオでは、長期にわたる貿易戦争により、カナダ経済は今年景気後退に陥り、来年にはインフレ率が一時的に3%を超えると想定」
「米国の貿易政策の転換の規模とスピードは前例のないほど大きく、どのシナリオにおいても経済的な結果については異例の不確実性が生じている」
「関税導入の発表や不確実性により消費者と企業の信頼感が悪化し、経済は減速している」
「貿易摩擦も労働市場の回復を阻害。3月の雇用は減少し、企業は採用を減速させる計画を報告。賃金上昇率は引き続き鈍化の兆候を示している」
「関税とサプライチェーンの混乱により、一部の物価が上昇すると予想」
「企業と消費者が貿易摩擦と供給混乱によるコスト上昇を予想していることから、短期的なインフレ期待は上昇」
「長期的なインフレ期待はほぼ横ばい」
「理事会は、景気減速によるインフレ下押し圧力と、コスト上昇によるインフレ上昇圧力の双方について、その時期と強さを引き続き評価する」
「我々は世界的な混乱期においても、国民が物価安定への信頼を維持できるよう注力する」
「これはインフレが適切に抑制された状態を維持しながら、経済成長を支援することを意味する」
「理事会はカナダ経済が直面するリスクと不確実性に特に注意を払いながら、慎重に政策を進めていく」
シェインバウム・メキシコ大統領
「米国に対して国境での安全協力に関する外交メモを送った」
マックレム・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁
「我々は慎重に対応している」
「カナダ経済は好調なスタートを切った」
「我々の目標は物価安定の確保」
「状況は依然として不透明」
ハマック米クリーブランド連銀総裁
「もし成長が鈍化しインフレが和らげば、FRBは利下げを行うこともあり得るし、その際は迅速に対応する可能性もある」
「現在の引き締め的な金融政策はインフレを抑制するために必要だ」
「政策の忍耐がFRBに経済データをさらに集める余裕を与える」
「現時点では政策を据え置くことに強い合理性がある」
「年初は経済が力強く始まったが、最近の指標はまちまちだ」
「インフレ率を2%に戻すには、まだやるべきことが残っている」
「金融環境は引き締まっている」
「最近の市場ストレスはやや特異なものだった」
「FRBは大きな不確実性の中で、データを評価する時間的余裕がある立場にある」
「関税が経済に与える影響を見極めるには時間がかかるだろう」
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長
「安定した価格と強い労働市場の両立は不可欠である」
「より明確な情報を待つために、慎重に行動する立場にある」
「不確実性と下振れリスクが高まっているにもかかわらず、米経済は堅調」
「関税の経済的影響は予想よりも大きい可能性が高い」
「FRBの責務に緊張が生じるシナリオに陥る可能性がある」
「インフレに及ぼす影響が比較的長期化する可能性もある」
「関税は、我々の予想を上回る水準」
「経済減速に伴い失業率は上昇する可能性が高い」
「貿易政策の影響で目標達成が遠ざかる可能性が高い」
「準備金は依然として潤沢だと考えている」
「ドルを国外に供給する準備は万端」
「市場は多くの不確実性、つまりボラティリティに苦しんでいる」
「市場のボラティリティはおそらく継続するだろう」
「市場は秩序を維持しつつ想定通りの機能果たしている」