2022年4月10日
イースター休暇前の政策発表に重要指標発表ラッシュ! 「4月11日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週はハト派のブレイナードFRB理事が利上げに前向きな発言、タカ発言をしたことでドル買いが大きく進み、ドル円は124円台まで上昇しました。
米金利も2.
5日に開催されたRBA理事会では、長らくハト派だったRBAもタカ派に転身し、豪ドル買いが進みました。
また、マーケットの中心となっている円安も、継続して円安が進んでいます。
今週はイースター休暇前で、英国や米国などの物価指標や雇用指標など、重要指標が多数予定されており、ECBやRBNZなど金融政策も多数発表されます。
円安も進む可能性や、けん制発言などから円高に巻き戻す可能性があります。
今週はボラティリティの高い1週間になる可能性があるのではないかと注目しています。
目次
◎今週の注目点
1)金融政策発表
ECB理事会
注目度:高い
織り込み度:据え置きを織り込み済み
バイアス:ユーロ安
ポイント:年内利上げとAPP(資産購入プログラム)の前倒し終了
欧州では物価高が進む一方で、ロシアへの制裁から景気後退が懸念されています。
ロシアへの制裁をやめることはできないと思われます。
景気後退と物価高が同時に起こるスタグフレーションにならないように、ECBは物価高を抑えようと引き締めを進めるのではないかとみられています。
今回の理事会では政策変更はないと思いますが、声明文や記者会見でAPP(資産購入プログラム)の前倒し終了が示唆されたり、年内利上げの可能性が出てくるのではないかと注目しています。
利上げが示唆されればユーロ買いが進むのかもしれませんが、期待感があるために何も示唆されなければ失望売りが進むのではないかと注目しています。
特にロシアへの制裁でユーロの上値が重くなっているだけにユーロ売りのスピードは速いのではないかと思っています。
カナダ政策金利
注目度:高い
織り込み度:0.25%利上げは織り込み済み、0.5%利上げは8割織り込んでいる
バイアス:特になし
ポイント:利上げ幅と追加利上げの可能性
カナダドルは原油高など資源高を背景に堅調に推移してきました。
利上げも織り込みが進んでいたこともカナダドルが堅調に推移してきた要因です。
原油価格などは備蓄石油の放出などで上値が抑えられています。
今回の政策発表で0.25%利上げだったり、追加利上げの可能性が後退すればカナダドルの上値が重くなるのではないかと思っています。
声明文や記者会見の内容に注目です。
RBNZ理事会
注目度:高い
織り込み度:0.25%利上げを織り込み済み
バイアス:NZドル高
ポイント:追加利上げの可能性
ウクライナ情勢による地政学リスクの影響が少なく、資源高が追い風となっているオセアニア通貨。
特にニュージーランドは利上げを数回行っており、今回も0.25%利上げを織り込み済みになっています。
声明文から追加利上げの可能性が見えてくればNZドルは堅調に推移すると思いますが、引き締めの終了が見えてくるようであればNZドルの上値は重くなるのではないかと考えています。
声明文の内容に注目です。
トルコ政策金利
注目度:普通
織り込み度:据え置きを織り込み済み
バイアス:特になし
ポイント:据え置きを実行できるか
トルコではリラ安から前年比で61%を超える物価高が問題となっています。
ただ、トルコではエルドアン大統領の利下げで物価が下がるという独自理論で利下げを続けたことでトルコリラは安値圏で推移を続けています。
トルコ中銀はエルドアン大統領の圧力に負けずに、3会合連続で据え置きを続けていますが、今回も据え置きを続けることができるのかに注目が集まっています。
物価高のことを考えて利上げすることができればリラが買い戻されるのではないかと注目しています。
2)経済指標
英GDP
英国は利上げを積極的に進めるのか、それとも慎重になるのか注目されています。
物価高を考えれば利上げを積極的に進める可能性が高いのですが、ウクライナ情勢や原油などの資源高、物価高による景気後退も懸念されています。
景気を確認するGDPが堅調な結果となれば利上げを積極的に進める可能性が高まるのではないかと、GDPに注目しています。
英雇用統計
英国の物価上昇の要因の一つに人件費の高騰があります。
雇用者数の増減も重要ですが、今一番注目されているのは平均賃金だと注目しています。
平均賃金が予想以上の伸びを示した場合、人件費の高騰に繋がり、人件費はコストとして商品価格に転嫁され、結果的に物価上昇に繋がります。
平均賃金が予想以上に上昇すれば、物価上昇に繋がり、物価上昇を抑えるように利上げ期待に繋がるのではないかと注目しています。
英CPI(消費者物価指数)
英国の利上げは物価上昇を抑える為です。
物価上昇が予想以上の伸びを示した場合は、英中銀も利上げを進めざるを得ないと思われます。
CPI(消費者物価指数)が予想以上の場合は、利上げ期待に繋がりポンド買いに繋がるのではないかと思います。
米CPI(消費者物価指数)、PPI(生産者物価指数)
FRBは物価を抑える為に利上げを急いでおり、次回利上げ幅は0.5%利上げの可能性が高くなっています。
今週発表されるCPI(消費者物価指数)が予想以上に、前回以上の伸びを示した場合は、物価の上昇を抑える為に引き締めを急ぐのではないかと期待が高まるのではないかと注目しています。
PPI(生産者物価指数)も企業が仕入れるときの価格に影響し、結果的に物価上昇に繋がるので、CPI(消費者物価指数)と同様に物価上昇要因として注目しています。
豪雇用統計
先日のRBA理事会では利上げに関する内容が出てきました。
雇用状況は利上げに大きく影響します。
今週発表される雇用統計で、しっかりした雇用が確認できるのか注目です。
特に、労働参加率が回復したうえで失業率が回復しているかに注目しています。
今まではコロナで働きたくても働けない人が多く、求職者が少ないことで失業率が低下していました。
コロナ禍から回復し、働きたい人が働けるようになり、求職者が増えたうえで失業率が低下していることが重要と見ています。
どれだけの人が労働に参加しているのか、働きたい人がどれだけいるのか、労働参加率が上昇したうえで失業率の回復が重要だと見ています。
3)リスク要因
円安リスク
日銀が頑なに緩和政策を継続することで円安が進んでいます。
ただ、さすがに円安が進みすぎたことで引き締めに動くのではないかとの憶測が出ています。
引き締め観測が高まれば円高が進む可能性が高まる可能性があります。
要人発言や観測記事に注意しておきたいと思います。
また、米国の為替報告書が出てくる時期でもあることから、いき過ぎた円安を非難された場合も円高が進む可能性があるので注意しておきたいと思います。
ウクライナ情勢
ウクライナ情勢による地政学リスクは限定的になってきています。
なかでも影響を受けやすいのは地理的に近いユーロです。
ロシアへの制裁が高くなると、エネルギー資源の問題から欧州の経済が注目されます。
ロシアへの制裁とユーロの動きに注目です。
また、ロシアは5月9日までに、何らかの勝利を上げたいと思っているようで、それまでに戦果が上がらない状況だと化学兵器や生物兵器、核兵器などの使用懸念が高まります。
化学兵器や生物兵器、核兵器などを使用した場合は、新たな段階へと地政学リスクが高まったとしてリスクオフが進む可能性があるので要注目です。
イースター休暇
今週、金曜日からイースター休暇に入る国が多くあります。
金曜から月曜日まで4連休の国もあれば、金曜日から日曜日までの3連休の国もあります。
ただ、多くの国で休みになるために木曜日には連休前のポジション調整が出てくる可能性があります。
また、連休中は取引量が極端に低下するために、クラッシュが起きたり、急な値動きが出る可能性があります。
イースター休暇前にリスク管理をしっかりとしておきたいと思います。
◎今週のイベントスケジュール
4月10日(日曜日)
フランス大統領選挙(第1回投票)
4月11日(月曜日)
10:00 JPY 黒田日銀総裁発言
10:30 CNY 中国CPI(消費者物価指数)
15:00 GBP 英GDP
22:30 USD ボスティック・アトランタ連銀総裁
4月12日(火曜日)
01:40 USD エバンス・シカゴ連銀総裁発言(23年投票権)
02:00 USD 米3年債入札
15:00 GBP 英雇用統計・失業率・平均賃金
15:00 EUR ドイツHICP(消費者物価指数)(改定値)
18:00 EUR ドイツZEW景況感指数
18:00 EUR ユーロ圏ZEW景況感指数
21:30 USD 米CPI(消費者物価指数)
4月13日(水曜日)
02:00 USD 米10年債入札
07:45 USD バーキン・リッチモンド連銀総裁発言
09:30 AUD 豪Westpac消費者信頼感指数
11:00 NZD RBNZ理事会・政策金利・声明文発表
15:00 GBP 英CPI(消費者物価指数)
16:00 EUR スペインHICP(消費者物価指数)(改定値)
21:30 USD 米PPI(生産者物価指数)
23:00 CAD カナダ中銀金融政策発表
23:30 USD 原油在庫量
4月14日(木曜日)
00:00 CAD マックレムBOC総裁記者会見
02:00 USD 米30年債入札
10:30 AUD 豪雇用統計・失業率・労働参加率
20:00 TRY トルコ政策金利発表
20:45 EUR ECB理事会・政策金利・声明文発表
21:30 EUR ラガルドECB総裁記者会見
21:30 USD 米小売売上高・失業保険申請件数
23:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数
4月15日(金曜日)
グッドフライデー
(豪州、NZ、香港、シン
(米国は株式・商品市場が休場、債券市場が短縮
04:50 USD メスター・クリーブランド連銀総裁発言(22年投票権)
07:00 USD ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁発言(23年投票権)
15:45 EUR フランスHICP(消費者物価指数)(改定値)
4月16日(土曜日)
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント
岡ちゃんマンおススメ分析ツール
TradingView
数多くの通貨ペア、商品、債権、株価指数など取り扱っており、様々な分析が出来るプラットフォームです。
為替・株式・債券・商品など各マーケットは相関性があり、各マーケットを見比べることはトレードにとってプラスになります。
1枚のチャートに為替と株価指数や、為替と商品などを重ねて表示できるのは比較するときにとても便利です。
多くの機能は無料で使えるので試しに使ってみてはいかがでしょう!
SNS機能も付いているので、是非フォローしていただけたらと思います↓↓↓
https://jp.tradingview.com/u/okachanman/