2024年11月8日
カナダ雇用統計とミシガン大学消費者信頼感指数に注目! 「11月8日の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
昨日は英中銀が市場予想通り0.25%の利下げを決定しました。
9名のMPC投票配分も市場予想通り8対1となりました。
同時発表されたインフレーションレポートでは「1年後のCPIは+2.7%(前回は2.4%)、2年後のCPIは+2.2%(前回は1.7%)、3年後のCPIは+1.8%(前回は1.5%)」と物価見通しが上方修正されました。
金利見通しは「政策金利は2024年第4四半期に4.8%、2025年第4四半期に3.7%、2026年第4四半期に3.7%、2027年第4四半期に3.6%」と予想されています。
利下げ期待が後退する内容であったため、発表後はポンド買いで反応しました。
注目されたFOMCでは市場予想通り0.25%の利下げを決定しました。
声明文では前回までの「インフレ率が持続的に2%に向かっているとの確信を強めている」との文言を削除するなどインフレ懸念を示し、「委員会は今後もたらされるデータ、変化する見通し、リスクのバランスを慎重に評価する」などと次回利下げについては触れず、ややタカ派な姿勢を示しました。
本日は米大統領選挙やFOMCなど重要イベントが通過し、少しづつ落ち着きを取り戻していく展開となるのではないかと思います。
経済指標ではカナダの雇用統計とミシガン大学消費者信頼感指数、期待インフレ率に注目しておきたいと思います。
目次
◎本日の注目点
1)経済指標
カナダ雇用統計・失業率
カナダ中銀は利下げを進めており、雇用市場の悪化が確認されれば追加利下げ期待が進むのではないかと思われます。
利下げ期待が進めばカナダドル売りが進むのではないかと注目しています。
ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)・期待インフレ率
米国は強い経済のまま進むのではないか、ソフトランディングではなくノーランディングになるのではないかと注目されています。
今後の景況感を確認するため、ミシガン大学消費者信頼感指数の結果が市場予想・前回値と比べて上回るのかどうかに注目です。
また、同時に発表される期待インフレ率に注目です。
強い経済などから期待インフレ率が上方修正されているのではないか、上方修正されれば利下げ期待が後退しドル買いが進むのではないかと思います。
2)リスク要因
大統領選挙
米大統領選挙で共和党のトランプ前大統領が当選確実となり、連邦議会選挙でも上下両院とも共和党が過半数を占めるトリプルレッドの可能性が高まっています。
これからトランプ前大統領の発言に注目が集まり、トランプ前大統領の動向で世界が動いていくリスクに注意しておきたいと思います。
まずはウクライナとロシアの対立について選挙期間中にすぐに解決すると言っていたため、ウクライナ情勢についての動向に注目。
次にイスラエルやイランをはじめとする中東情勢にも注目。
対中関税をはじめ、各国への関税に関する発言にも注目しておきたいと思います。
首相指名選挙
先日の解散総選挙で大幅に議席を減らし、自公連立与党は過半数割れまで議席数を減らしました。
このことで、来週予定されている首相指名選挙に向けて連立交渉や、首相指名の投票交渉のため与野党の駆け引きが行われるのではないかと思います。
減税・基礎控除額の引き上げなどが注目されており、今後の駆け引きからどのような内容が出てくるのか注目です。
中東・ウクライナ情勢
中東ではイランとイスラエルの報復攻撃が懸念されています。
いつ攻撃が過激化し、中東戦争に反転しないか注意しておきたいと思います。
トランプ前大統領が大統領選に勝利したことで、ウクライナ支援が停止する可能性があり、中東・ウクライナリスクが高まるのではないかと注目しています。
トランプ前大統領とイランは以前の大統領期間中から対立しており、中東情勢が悪化するリスクにも注意しておきたいと思います。
3)要人発言
FRB
FRBは11月FOMCで市場予想通り0.25%利下げを決定しました。
ただ、12月FOMCの追加利下げについてはデータ次第とし、追加利下げをしない可能性も残しました。
声明文では「インフレ率が持続的に2%
12月FOMCに向けて、タカ派とハト派の発言が出てくると思われ、12月FOMCの利下げ期待が後退するような内容が多く出てくるとドル買いが進むのではないかと思います。
また、トランプ前大統領が大統領選で勝利したことで、来年のインフレ見通しや金利見通しに変化が出てこないかにも注目しておきたいと思います。
ECB
ECBは10月理事会で2会合連続で利下げを決定しました。
今後についてはデータ次第との姿勢も維持していますが、マーケットは12月の理事会での追加利下げをほぼ織り込んでいます。
12月理事会で大幅追加利下げの可能性があるのか、利下げに否定的な意見が出てくるのか、ECBメンバーの発言内容に注目です。
BOE
英中銀は11月会合で市場予想通り8対1で利下げが決定されました。
同時に発表されたインフレーションレポートでは物価見通しが上方修正され、12月の利下げ期待は後退しています。
金利見通しでは「2024年第4四半期に4.8%、2025年第4四半期に3.7%、2026年第4四半期に3.7%、2027年第4四半期に3.6%」と予想されています。
この金利見通しを基準にどのような発言が出てくるのか注目したいと思います。
RBA
RBAは主要中銀の中で唯一タカ派の中銀です。
他国と同調して利下げを進める必要はないとの姿勢を示しており、利下げ時期はもう少し先なのではないかと思います。
雇用指標も強い結果であったことからタカ派姿勢が続く可能性が高いと思われます。
今週はRBA理事会が予定されています。
理事会後にどのような発言が出てくるのか注目です。
RBNZ
RBNZは先日の理事会で0.5%の大幅利下げを決定しました。
RBNZの年内理事会は11月が最後となり、次は来年2月まで理事会がありません。
そのため11月理事会でも予防的に大幅利下げを進める可能性があるのではないかと予想されています。
現在マーケットは0.5%の大幅利下げをかなり織り込んでいますが、0.75%の利下げもあるのではないかと一部予想が出始めています。
大幅利下げについて発言が出てこないか、発言内容に注目です。
BOC
カナダは連続利下げを決定し、今週の会合では0.5%の大幅利下げを決定しました。
12月会合の追加利下げの可能性について発言が出てくるのか注目です。
日銀
日銀は追加利上げに注目が集まっています。
先日の日銀金融政策決定会合は市場予想通り据え置きでしたが、その後の記者会見では12月の金融政策決定会合での利上げを匂わせるような発言が出てくるなど、植田日銀総裁のタカ派姿勢が目立ちました。
12月の会合で利上げに踏み切るのか、それとも据え置くのか、追加利上げに関する発言に注目です。
◎本日のイベントスケジュール
11月8日(金曜日)
11:30 GBP ブリーデンBOE副総裁発言
18:00 ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、パネッタECB専務理事発言
21:15 GBP ピルBOE主席エコノミスト発言
22:30 CAD カナダ雇用統計・失業率
11月9日(土曜日)
00:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)・期待インフレ率
01:00 USD ボウマンFRB理事発言
03:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント
04:30 USD ムサレム・セントルイス連銀総裁発言