2025年4月14日
トランプ関税に関するヘッドラインがマーケットの中心に! 「4月14日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週はトランプ関税に関するヘッドラインで一喜一憂する展開が続きました。
リスクオフが進むとドル売り円買いが進み、ドル円は一時142円台まで下落、トランプ米大統領が90日間の猶予を発表したことで148.
今週もトランプ関税に関するヘッドライン、リスク要因がマーケットの中心となるのではないかと思います。
目次 [隠す]
◎今週の注目点
1)リスク要因
トランプリスク
今月2日に発表されたトランプ関税は、米国への輸出品に対して10%の関税、貿易黒字の国に対してはさらに高い関税が設定され、日本は24%の関税が設定され、中国は既存の20%に加えて34%の関税(合計54%)、EU20%、ベトナム46%、台湾32%の関税が発表されました。
相互関税を受けて各国、米国との貿易交渉や報復関税など対抗処置に動いています。
相互関税は多くの国で90日の延期が発表され、延期の期間中に各国貿易交渉を進めようとしています。
一部では米国との交渉が進んでおり、関税がゼロになった国などが出始め安心感からリスクオフが後退し株価が上昇する場面もありました。
ただ中国と米国は報復関税が進んでおり、米国が104%の追加関税を発表し、中国はさらに50%の報復関税を発表し、トランプ大統領はさらに追加関税を発表、中国に対して145%の関税を課すと発言しています。
関税の影響で米国債が暴落、デジタル機器の高騰など、米国に大きく影響が出るたびに内容が変わってきており、今後どのような特例が出てくるのか不透明な状況が続いています。
まだまだ、トランプ関税や貿易戦争に対して不透明感があり、トランプ大統領や各国の対応で荒れた相場が予想されます。
各国の対応とトランプ大統領の動向、各国株式市場に注意しておきたいと思います。
連休に向けたポジション調整
今週末から来週月曜にかけて世界の多くの国(キリスト教)がイースター休暇、連休になり取引量が激減します。
休暇を前にポジション調整を行う可能性があり、急な変動には注意したいと思います。
また、取引量が低下しているときにヘッドラインが出てきた場合は値が飛んで、想定以上の損失が出ることもあります。
リスク管理をしっかりとしておきたいと思います。
2)金融政策
カナダ政策金利
注目度:高い
織り込み度:据え置き予想が優勢
バイアス:カナダドル上値重い
ポイント:利下げ見通しとトランプによる経済見通し
カナダは主要中銀の中でも先行して利下げを進めてきました。
そのカナダ中銀が利下げを停止するのではないかとの予想が優勢となってきています。
今回の会合で利下げ停止を決定するのか、今後の政策の見通しと併せて注目したいと思います。
また、カナダは相互関税から逃れたものの、USMCAの見直しやエネルギーやカリウムなどに関する追加関税などがあるため、今後のカナダ経済の見通しにも注目しておきたいと思います。
ECB理事会
注目度:高い
織り込み度:0.25%利下げを織り込み済み(一部据え置き予想あり)
バイアス:特になし
ポイント:今後の利下げ見通しと経済見通し(トランプ関税の影響)
今回の理事会では追加利下げが予想されています。
ただ一部では据え置き予想もあり、追加利下げが発表された場合は一時ユーロが売られるのではないかと思います。
その後は声明文の内容で追加利下げと景気(トランプ関税の影響)見通し次第ではないかと思います。
景気悪化や追加利下げが示唆されればユーロの上値を抑えるのではないかと注目しています。
RBA理事会議事要旨
前回会合で利下げについて議論されたのか、5月理事会で追加利下げの可能性があるのか、議事要旨の内容からヒントを探したいと思います。
豪州は中国と経済のつながりが深いことから米中貿易戦争の影響を受けるのではないかと豪ドルの上値が重くなっており、5月利下げの可能性が高まれば豪ドル売りが加速するのではないかと注目しています。
3)経済指標
英雇用統計・失業率・平均賃金
英中銀は5月に追加利下げ予想が進んでいます。
雇用統計で弱い結果が出てくると追加利下げの可能性が高まり、ポンドの上値を抑えるのではないかと思います。
カナダCPI(消費者物価指数)
翌日のカナダ中銀では据え置きが予想されており、今回のCPI(消費者物価指数)の結果で覆ることはないと思います。
ただ、今後の政策に影響を与える可能性があるので注意しておきたいと思います。
また、米国との関税の影響からインフレが懸念されるため、今回の結果が市場予想を上回る結果になった場合はさらにインフレが進む可能性があるので注意しておきたいと思います。
英CPI(消費者物価指数)
英中銀は5月利下げ予想が進んでいます。
今回の結果が市場予想を下回れば、利下げ期待がさらに進むのではないかと思います。
また、5月以降の利下げ期待が進めばさらにポンドの上値を抑えるのではないかと思います。
米小売売上高
米国では関税の影響から物価が上がり、消費が落ち込むのではないかとの懸念が広がっています。
今回の小売りの結果が市場予想を下回れば、消費の低下が懸念されドル売りが進むのではないかと思います。
NZ四半期CPI(消費者物価指数)
RBNZは先週の理事会で追加利下げを決定しました。
ただ、オアRBNZ総裁が辞任しており、後任の総裁が決まっていないので今後の政策の見通しが難しい状況です。
今回の四半期CPI(消費者物価指数)の結果が弱ければ、次回理事会でも追加利下げの可能性が高まるのではないかと思います。
日本貿易収支
トランプ関税(相互関税)は貿易赤字を埋めるためとされ、貿易赤字額をもとに計算されたとトランプ大統領は説明しています。
日本の対米貿易黒字がどのくらいになるのか、市場予想以上の結果が出てくるのか、黒字額が拡大しているのか、貿易収支の結果に注目です。
また、貿易収支の結果が出てきたうえで、関税に関する発言が出てくるのかにも注目したいと思います。
豪雇用統計・失業率・労働参加率
豪州は中国との経済的つながりが強く、影響を受けやすい特徴があります。
米中貿易戦争の影響から景気悪化が懸念される中、豪州の経済状況を確認するため雇用統計の結果に注目です。
雇用統計の結果が市場予想を下回る結果となれば景気後退が注目されるのではないかと思います。
また、どの程度労働参加率があるのか、フルタイムがどの程度あるのかにも注目したいと思います。
米失業保険申請件数、フィラデルフィア連銀製造業景況指数
失業保険申請件数は毎週発表されるため、雇用指標の先行指標として注目されています。
米国経済の後退が懸念されている状況で、雇用がどこまで悪化しているのか失業保険申請件数の結果に注目です。
特に継続申請が増えていないかに注目したいと思います。
◎今週のイベントスケジュール
4月14日(月曜日)
4月15日(火曜日)
02:00 USD ウォラーFRB理事発言
07:00 USD ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁発言
08:40 USD ボスティック・アトランタ連銀総裁
10:30 AUD RBA理事会議事要旨
15:00 GBP 英雇用統計・失業率・平均賃金
21:30 CAD カナダCPI(消費者物価指数)
21:30 USD 米ニューヨーク連銀製造業景況指数
4月16日(水曜日)
15:00 GBP 英CPI(消費者物価指数)
21:30 USD 米小売売上高
22:45 CAD カナダ政策金利発表
23:30 USD 原油在庫量
4月17日(木曜日)
米債券市場は短縮取引(聖金曜日の前営業日)
01:00 USD ハマック・クリーブランド連銀総裁発言
02:30 USD パウエルFRB議長発言
07:45 NZD NZ四半期CPI(消費者物価指数)
08:00 USD シュミッド・カンザスシティ連銀総裁発言
08:50 JPY 日本貿易収支
10:30 AUD 豪雇用統計・失業率・労働参加率
20:00 TRY トルコ政策金利発表
21:15 EUR ECB理事会・政策金利・声明文発表
21:30 USD 米失業保険申請件数、フィラデルフィア連銀製造業景況指数
21:45 EUR ラガルドECB総裁発言(記者会見)
4月18日(金曜日)
聖金曜日の祝日(グッドフライデー)で豪州、NZ、香港、シン
米国は株式・債券・商品市場が休場
08:30 JPY 日CPI(消費者物価指数)
4月19日(土曜日)
00:00 USD デイリー・サンフランシスコ連銀総裁発言
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント