2024年5月22日
ドル円の上値を伸ばすのかに注目! 「5月20日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週は市場予想を下回るCPI(消費者物価指数)が発表されるなど米国のインフレ低下が確認されましたが、それでもドル円はそこが高く156円前後を推移しています。
今週は大きな指標はありませんが、ドル円の上値が重たくなるのか、それとも上値を伸ばすのか注目です。
目次
◎今週の注目点
1)経済指標
カナダCPI(消費者物価指数)
カナダ中銀は7月にも利下げ、早ければ6月に利下げするのではないかと注目されています。
CPI(消費者物価指数)の結果が市場予想を下回り、弱い結果となれば利下げ期待がさらに進むのではないかと注目しています。
英CPI(消費者物価指数)
英中銀は利下げ支持のメンバーが2名に増え、6月利下げの可能性が出てきています。
今回のCPI(消費者物価指数)の結果が順調に低下しているようであれば6月利下げの可能性が高まるのではないかと思います。
NZ四半期小売売上高
RBNZの利下げ見通しは25年としていますが、一部では年内の可能性もあるのではないかと予想しています。
小売売上高の結果が市場予想を下回るような結果となれば、景気後退懸念から利下げ期待に繋がるのではないかと思います。
製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
景気の先行指標としてPMIが注目されています。
フランス・ドイツ・ユーロ圏・英国・米国でPMI(速報値)が発表され、今後の景況感について結果が出ます。
景気悪化が懸念されるようであれば利下げ期待が高まるのではないかと思います。
米国は強い結果が出ればさらに利下げ先送り期待が高まるのではないかと思います。
日本CPI(消費者物価指数)
日銀は追加利上げ、国債買い入れ額の減額など金融正常化に向けて動くのか注目されています。
物価の上昇が目標を達成しているのか、継続的な上昇に繋がっているのか注目です。
英小売売上高
英国の経済状況を確認するため小売売上高の結果に注目しています。
小売売上高の結果が弱ければ経済状況が悪化していると受け止められ、利下げ期待に繋がるのではないかと注目しています。
支持率が低下してきている与党からも景気刺激策に対する圧力が高まるのではないかと思います。
カナダ小売売上高
カナダの経済状況を確認するため小売売上高の結果に注目です。
小売売上高の結果が弱ければ景気後退から利下げ期待に繋がるのではないかと思います。
ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)・期待インフレ率
ミシガン大学消費者信頼感指数は景気の先行指標として注目されています。
注目は同時に発表されている期待インフレ率で、期待インフレ率が上方修正されるようであれば根強いインフレ圧力が懸念され、利下げの先送り観測に繋がるのではないかと思います。
FRBは9月利下げがあるのかに注目されています。
9月利下げが先送りされれば、12月もしくは来年になるのではないかと注目しています。
2)要人発言
各国、利下げ時期と利下げ回数に注目が集まっています。
ECBは6月利下げが濃厚、カナダ中銀は利下げの可能性あり、英中銀は6月利下げの可能性が少し高まってきた状況です。
今後、6月に利下げが実施されるのか、利下げの可能性が出てくるのか、各国の要人発言の内容に注目しておきたいと思います。
また、年内の利下げ回数や追加利下げのペースについて発言が出てこないかにも注目しています。
FRBは強い経済と根強いインフレ圧力により利下げ先送り観測が高まっていましたが、弱い雇用統計などで再度利下げ期待が高まってきています。
また、一昨日の市場予想を下回るCPI(消費者物価指数)や小売売上高の結果を受けて、さらに利下げ期待が高まっています。
一部では年内の利下げが出来ない可能性も予想されていましたが、再度9月利下げの可能性も高まってきています。
利下げ開始を9月にするのか、12月にするのか、来年に持ち越すのか、発言内容に注目しておきたいと思います。
3)円安・介入警戒
ドル円160円超えたことから円買い介入が始まり、3度もしくは4度の円買い介入でドル円は153円台まで下落しました。
マーケットも円買い介入によって上値の重い展開を意識するようになっています。
このままドル円が153円~157円のどこかで落ち着くのか、再度157円を超えて160円を目指す展開となるのか注目です。
また、円買い介入がどの水準で実施されるのかにも注目です。
現在、ドル円の上値は157円が節目として注目されており、157円を超えた時に介入の動きが出てくるのかに注目です。
そのほか、欧州や米国がいつまで介入を許容してくれるのか、海外の反応にも注意しておきたいと思います。
イエレン財務長官は「G7国の通貨は市場で決定されるべき」「為替介入はまれな行為であるべき、他国への伝達必要」との考えを改めて強調し、日本当局による円買い介入にけん制するような発言をしています。
このように海外から介入に否定的な反応が出てきた場合は介入がしにくくなり、再度ドル円が上昇し始める可能性が出てくると思います。
ドル円の動きと水準、介入に関する発言などに注目です。
4)金融政策
RBNZ理事会
注目度:やや高い
織り込み度:据え置きを織り込み済み
バイアス:特になし
ポイント:利下げに関するヒント
RBNZは利下げに関して、25年になるのではないかと見通しています。
今回は据え置きが予想されており、声明文も前回とほぼ変わらないのではないかと予想されています。
声明文の内容で追加利上げや利下げに関するヒントが出てこないか注目です。
◎今週のイベントスケジュール
5月20日(月曜日)
スイス・ノルウェー休場(聖霊降臨祭月曜日)
カナダ休場(ビクトリア
18:00 GBP ブロードベントBOE副総裁発言
21:45 USD ボスティック・アトランタ連銀総裁発言
22:00 USD バーFRB副議長、ウォラーFRB理事発言
23:30 USD ジェファーソンFRB副議長発言
5月21日(火曜日)
03:00 USD メスター・クリーブランド連銀総裁発言
08:00 USD ボスティック・アトランタ連銀総裁発言
09:30 AUD 豪Westpac消費者信頼感指数
10:30 AUD RBA理事会議事要旨
17:00 USD イエレン財務長官発言
17:00 EUR ラガルドECB総裁発言
17:00 EUR リントナー・ドイツ財務相発言
17:20 USD クロズナーFRB理事発言
21:30 CAD カナダCPI(消費者物価指数)
22:00 USD ウォラーFRB理事、バーキン・リッチモンド連銀総裁発言
22:05 USD ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁発言
22:10 USD ボスティック・アトランタ連銀総裁発言
5月22日(水曜日)
00:45 USD バーFRB副議長発言
02:00 GBP ベイリーBOE総裁発言
08:00 USD コリンズ・ボストン連銀総裁、メスター・クリーブランド連銀総裁、ボスティック・アトランタ連銀総裁発言
08:50 JPY 日本貿易収支
11:00 NZD RBNZ理事会・政策金利・声明文発表
12:00 NZD オアRBNZ総裁記者会見
15:00 GBP 英CPI(消費者物価指数)
17:05 EUR ラガルドECB総裁発言
21:45 GBP ブリーデンBOE副総裁発言
23:00 USD 米中古住宅販売戸数
23:30 USD 原油在庫量
5月23日(木曜日)
G7財務相・中央銀行総裁会議
02:00 USD 米20年債入札
03:00 USD FOMC議事要旨(5月1日分)
05:10 NZD オアRBNZ総裁発言
07:45 NZD NZ四半期小売売上高
16:15 EUR フランス製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
16:30 EUR ドイツ製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
17:00 EUR ユーロ圏製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
17:30 GBP 英製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
20:00 TRY トルコ金融政策発表
20:30 GBP ピルBOE主席エコノミスト発言
21:30 USD 米失業保険申請件数
22:45 USD 米製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
23:00 USD 米新築住宅販売件数
5月24日(金曜日)
G7財務相・中央銀行総裁会議
02:00 USD 米10年債入札
04:00 USD ボスティック・アトランタ連銀総裁発言
08:30 JPY 日本CPI(消費者物価指数)
15:00 GBP 英小売売上高
15:00 EUR ドイツGDP(改定値)
16:00 EUR シュナーベルECB専務理事発言
16:45 EUR ジョーダンSNB総裁発言
18:15 EUR ナーゲル・ドイツ連銀総裁発言
21:30 USD 米耐久財受注
21:30 CAD カナダ小売売上高
22:35 USD ウォラーFRB理事発言
23:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)・期待インフレ率
5月25日(土曜日)
G7財務相・中央銀行総裁会議
00:25 EUR センテノ・ポルトガル中銀総裁発言
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント