2022年6月19日
パウエルFRB議長の議会証言など要人発言に注目! 「6月20日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週は注目のFOMCと英中銀の政策発表がありました。
FOMCは直前の織り込みで0.75%の利上げ予想となり、結果は市場が織り込んだ通り0.75%の利上げとなりました。
7月のFOMCでも0.5%~0.75%の利上げの可能性を示唆しました。
英中銀は9人中3人が0.5%の利上げを支持しましたが、6人が0.25%の利上げを支持したことから0.25%の利上げを発表しています。
驚きだったのがスイス国立銀行が0.5%の利上げを実施したことです。
スイスはフラン高を嫌うことから、主要中銀の中では最大のマイナス金利幅(0.75%)を実施していましたが、0.5%の利上げを実施して政策金利を0.25%としました。
利上げ発表を受けてスイスフランは300pips以上の値動きとなりました。
スイスの利上げを受けて日銀も政策変更の可能性が期待されましたが、結果は現状維持でした。
今週は政策発表ラッシュも通過し、経済指標も少なく、要人発言から方向性を見極める展開となるのではないかと思っています。
目次
◎今週の注目点
1)経済指標
製造業・サービス業・総合PMI
主要中銀による引き締め政策による景気後退懸念に注目が集まっています。
PMIは今後の景気見通しについてのアンケート結果集計し、指数化したものです。
「50」を好不況の境目として、上回れば好景気、下回れば不景気を見通しているということになります。
引き締め政策、物価高の影響でどこまで景気見通しが下がっているのか?
「50」を割り込むような結果が出てくるのか?
予想を大きく下回るような結果が出てくるようであれば、スタグフレーション懸念が高まり株価は下落し、リスクオフが進む可能性が高くなるのではないかと注目しています。
英CPI(消費者物価指数)
英中銀は先週の金融政策発表で0.25%の利上げを発表しました。
6名中3名が0.5%利上げを支持するなど、大幅利上げの可能性もありました。
今週のCPI(消費者物価指数)が予想を上回る結果となれば、0.5%利上げが正解だったとなり次回大幅利上げ期待に繋がる可能性があります。
CPI(消費者物価指数)の結果に注目です。
カナダCPI(消費者物価指数)
米国は0.75%の利上げを発表、カナダも米国に続き大幅利上げを実施するのではないかと注目されています。
カナダCPI(消費者物価指数)の結果が予想を上回る結果となれば、カナダも米国に続き0.75%の利上げの可能性が高くなるのではないかと思っています。
カナダCPI(消費者物価指数)の結果に注目しておきたいと思います。
2)金融政策
RBA理事会議事要旨
6月のRBA理事会では市場予想を上回り0.5%の利上げを実施しています。
理事会でどのような議論がされたのか、来月の理事会でも継続利上げが行われるのか、物価や景気見通しをどのように見ているのか、理事会の議事要旨に注目です。
景気見通しが順調だったり、これから引き締めを急がないといった内容であった場合は豪ドルが底堅く推移するのではないかと注目しています。
トルコ政策金利発表
世界的に物価高で引き締め政策、世界的に利上げを進めている状況です。
エルドアン大統領は物価高でも利下げ圧力を強め、トルコ中銀は圧力に負け利下げをしてきました。
トルコの政策発表で利上げすることができるのか、それとも据え置きなのか注目です。
もし、利下げなんてことがあればトルコリラは大きく売られるのではないかと注目しています。
要人発言
先週、先々週と金融政策発表ラッシュが通過しました。
今週は金融政策発表の内容について各国中銀のメンバーがどのように発言するのか、発表内容と違った見解を持っているのかなど要人発言に注目です。
要人発言からさらに大幅な利上げの可能性が出てくるようであれば、スタグフレーション懸念が高まり株価下落に繋がる可能性があります。
また、今週は半期に一度のパウエルFRB議長の議会証言があります。
物価高や0.75%の利上げについての質疑も出てくると思います。
発言内容と金利と株価の動きに注目です。
3)リスク要因
英政治リスク
英国では北アイルランド議定書の変更について法案が出ています。
この法案が通過することとなれば、EUは反発することとなり貿易に混乱が出る可能性があります。
また、スコットランド自治政府は独立に向けて住民投票の再実施に向けて動いています。
ジョンソン首相の支持率低下と併せて、英国の政治リスクが高まっているので注意しておきたいと思っています。
円安リスク
主要中銀が利上げに動く中、日銀は緩和政策を継続すると発表。
金利差拡大による円安が進んでいます。
世界的に金利が上昇すると日本の金利も上昇し、日本の金利が上昇した場合は指値オペにより再度円安が進む可能性が高いのではないかと思います。
このまま円安が進んでさらに安値を更新するのか、それともどこかの水準で牽制発言が出てくるのか、円安動向に注目です。
株安リスク
世界的に引き締めが進むことで景気後退が懸念されています。
要人発言や経済指標などから金利が上昇したり、物価が上昇したりするとスタグフレーション懸念が高まり株価下落に繋がります。
また、株価下落が節目を割り込むとストップを巻き込みながら下落する可能性もあります。
株価下落が連鎖して世界恐慌に繋がる可能性も懸念されています。
株価の動きに注目しておきたいと思います。
◎今週のイベントスケジュール
6月20日(月曜日)
米国休場(ジューンティーンス独立記念日の振替休日)
08:10 AUD ロウRBA総裁発言
16:00 EUR ミュラー・エストニア中銀総裁発言
17:00 GBP ハスケルBOE外部理事発言
22:00 GBP マンBOE外部理事発言
22:00 EUR ラガルドECB総裁発言
6月21日(火曜日)
01:45 USD ブラード・セントルイス連銀総裁発言
04:30 EUR レーンECB専務理事兼主席エコノミスト発言
09:00 AUD ロウRBA総裁発言
10:30 AUD RBA理事会議事要旨
16:15 GBP ピルBOE主席エコノミスト発言
17:00 EUR レーン・フィンランド中銀総裁発言
21:15 GBP テンレイロBOE外部理事発言
21:30 CAD カナダ小売売上高
23:00 USD 米中古住宅販売戸数
6月22日(水曜日)
01:00 USD メスター・クリーブランド連銀総裁発言
04:30 USD バーキン・リッチモンド連銀総裁発言
07:45 NZD NZ貿易収支
08:50 JPY 日銀金融政策決定会合議事要旨
15:00 GBP 英CPI(消費者物価指数)
17:40 GBP カンリフBOE副総裁発言
21:30 CAD カナダCPI(消費者物価指数)
23:00 USD パウエルFRB議長発言(米上院銀行委員会で金
6月23日(木曜日)
EU首脳会議
01:50 USD エバンズ・シカゴ連銀総裁発言
02:00 USD 米20年債入札
02:30 USD ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁発言
16:15 EUR フランス製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
16:30 EUR ドイツ製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
17:00 EUR ユーロ圏製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
17:30 GBP 英製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
20:00 TRY トルコ政策金利発表
21:30 USD 米失業保険申請件数
22:45 USD 米製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
23:00 USD パウエルFRB議長発言(米下院金融サービス委員会で金融政策や経済
6月24日(金曜日)
EU首脳会議
00:00 USD 原油在庫量
03:00 MXN メキシコ政策金利発表
08:50 JPY 日CPI(消費者物価指数)
15:00 GBP 英小売売上高
17:00 EUR ドイツIFO景況指数
20:30 AUD ロウRBA総裁発言
22:45 GBP ハスケルBOE外部理事発言
23:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)・新築住宅販売戸数
6月25日(土曜日)
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント
6月26日(日曜日)
G7首脳会議(独南部エルマウ城、28日