下半期注目通貨ペア「米ドル/カナダドル」徹底解説!

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2019年7月10日

下半期注目通貨ペア「米ドル/カナダドル」徹底解説!

記事を書いた人:岡ちゃんマン

 

これから、スイングトレードをする上で、注目している通貨ペアを紹介したいと思います。

 

結論から行くと、カナダドル買い戦略を考えています。 USD/CAD(米ドル/カナダドル)です。

 

なぜ、カナダドル買いなのか? ペア通貨はなぜ米ドルなのか? 下記に考え方をまとめてみました。

 

目次

◎テクニカル編

 

下のチャートは週足チャートです。 オレンジの折れ線チャートは、WTI原油価格チャートです。 カナダドルと相関が強いので、重ねて表示させています。

 

原油高 → カナダドル高

USD/CADチャート → カナダドル高 → 下落

なので、WTI原油価格チャートも反転させて、下に行けば原油高という風に表示させています。

 

 

週足で見ると、「1.35000」が強く意識されているのが分かります。 これは憶測ですが、カナダ中銀はカナダドルの水準を見極めながら、金融政策を決めているのではないかと思います。 現在の水準は、「1.35000」に近く、カナダドル安に近いと思います。 しかも、米ドルは1回の利下げは織り込み済み、ドル安が進んだ状況で、この水準です。 ここから、カナダ中銀が引き締めにシフトしても、カナダドル高は許容範囲で済むのではないかと思います。

 

 

 

下のチャートは日足チャートです。 チャートの下はRSIを表示させています。

 

USD/CADのトレンドラインと、RSIのトレンドラインが逆行現象(ダイバージェンス)が出ています。 このようなときはトレンド反転の可能性が高いときです。

※ダイバージェンス・ヒドゥンダイバージェンスは騙しが多いので、それだけで判断は難しい

 

 

 

 

◎ファンダメンタルズ編

 

下記は、カナダの重要・主要経済指標です。

 

カナダIvey購買担当者景気指数

先行指数として見られることが多い指標です。 先行指標とは「この先の景気どうなると思いますか」的な質問を、業界担当者に聞いた答えを平均化したものです。 なので、指数の数値が高くなれば、この先景気が良くなると考えている人が多く、指数が低くなれば、この先景気が悪くなると考えている人が多いというようになります。 下の棒グラフを見ると、3,4か月前くらいから指数が上昇してきています。 少しづつ景気見通しが明るくなっていると感じている人が増えてきているという状況です。(カナダはここ2年間くらいトランプ大統領の発言で見通しが良くなったり、悪くなったりしています)

 

カナダ雇用者数

雇用統計のカナダ版です。 米国と比べると、国そもそもの人口が違うので、規模は違いますが、考え方は一緒です。 雇用者数がしっかりとしていれば、経済は安定・成長しているとみられます。

 

 

 

下記は、カナダのCPI(消費者物価指数)とコアCPI(消費者物価指数)の前年比です。

 

CPIとコアCPIの違い

CPI(消費者物価指数)はすべての品目の価格なのに対して、コアCPI(消費者物価指数)は外的要因(天気など)の影響を受けやすいエネルギー価格や生鮮食品を除いた品目の価格です。 この価格が前年と比べてどうなのかを表しています。

カナダは、前年に比べて物価の上昇を2%くらいに抑えたいので、この指数の数値が重要視されます。 先月はどちらの指数も2%を大幅に上回っています。 これが続くようなら、引き締め政策に入らないとインフレが起こってしまいます。

なので、カナダ中銀はもしかしたら、利上げに動くのかなぁと想像されます。

 

 

 

上記の経済指標を踏まえたうえで、前回のカナダ中銀の声明文を見てみたいと思います。

 

まず声明文で注目は、「家計支出と石油市場、世界貿易政策の動向を監視する」とあります。 これは、石油市場→WTI原油価格、世界貿易政策→米中関係・USMCAの締結だと思います。 原油価格が物価に影響するのか? 米中関係やUSMCA(新NAFTA)がカナダ経済や物価に影響しないか注目しているということです。

 

また、ポロズBOC総裁の発言では、「経済成長の見通しが改善すれば、利上げの可能性もある」「経済は年後半に回復すると予想」このように言っています。

 

先ほどの経済指標の中でも、先行指数のカナダIvey購買担当者景気指数は、数か月前から上昇を始めています。 これはポロズBOC総裁の言っていた、年後半に経済が回復すると一致します。

また、物価はカナダ中銀の目標値にきていることを考えると、利上げに対する準備は進んでいるのではないかと思います。

あとは、米中問題やUSMCA、原油価格が落ち着けば問題ないのではないかと思います。

 

米中関係は長引きます。 ただ、G20首脳会談以降落ち着いています。

WTI原油価格は、OPEC加盟国・非加盟国で協調減産の9か月延長が決まりました。

USMCAも批准作業に入っています。

 

この辺りを考えると、周囲の環境もそろいつつあります。

 

 

 

 

最後になぜペア通貨が米ドルなのか?

 

それは、トランプ大統領が徹底した通貨安誘導だからです。

 

下記は、先日トランプ大統領が空席だったFRB理事の席に指名した2人です。 ともにハト派の2人を指名しています。

※議会承認は別です

 

また、パウエルFRB議長の解任発言や、ドラギECB総裁のFRB議長就任発言など、冗談とも取れない発言が続いています。 当然FRBに対しての圧力もかかっています。

 

FRBは7月に0.25%の利下げが予想されています。 利下げが止まったとしても、かなり経済状況の良い米国が、ここからガンガン成長していくとは考えにくいと思います。 一旦調整が入るのではないかと思っています。 そうなると、緩和シフトも考えられ、ドル売りに繋がりやすいと思っています。

 

米国は来年に大統領選挙を控えています。 このまま景気が良くなっていって、来年選挙前に失速なんてことになると支持率に影響します。 年内は一旦、景気後退させて、来年から景気回復、選挙前にピークを持っていくのが選挙対策としても有効なのではないかと思っています。

 

この辺りを総合して、ドル売りがあるのではないかと思い、買われるカナダドルと組み合わせました。

 

 

 

 

 

 

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