2023年5月31日
債務上限の採決と経済指標に注目! 「5月31日の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
昨日は米英が連休明けでしたが、本日の債務上限引き上げに関する法案の採決を控えて様子見ムードの強い1日でした。
日本では円安をけん制するため、日銀・金融庁・財務省による3者会合が実施されました。
神田財務官は「過度な為
ただ、発表時間が欧州時間であったことから介入警戒による円買いが進み、クロス円は大きく円高が進みました。
本日は注目の債務上限引き上げに関する法案の採決が実施されます。
先日までは問題なく可決されると見られていましたが、昨日の下院議会で事前協議では協議が難航する場面もありました。
本日の採決が可決されるのか注目です。
また、本日は経済指標も多数予定されているので要注目です。
目次
◎本日の注目点
1)リスク要因
注目しているリスク要因は米債務上限問題と銀行信用不安の2点です。
債務上限問題に関してイエレン財務長官は、政府資金の枯渇期限が6月1日にから6月5日に変更すると言及。
このまま政府の借金の上限額である債務上限を引き上げなければ政府資金は枯渇し、債権の償還・利払いが出来なくなりデフォルトとなってしまいます。
また、一部の政府機関が閉鎖となり米国経済に大きく影響が出てしまいます。
米格付け会社のフィッチは米国債「AAA」から格下げの可能性があるとしています。
このようなリスク回避のため協議を進めてきていましたが、バイデン大統領(民主党)とマッカーシー下院議長(共和党)の間で一旦の合意となりました。
ただ、民主党の一部では歳出削減に反対する議員もおり、バイデン大統領が説得することができるのか注目。
共和党下院議員の強硬派にも、現状の歳出削減では納得いかない議員もおり、マッカーシー下院議長が共和党下院議員をまとめることができるのか注目です。
バイデン大統領とマッカーシー下院議長の間で合意ができたとしても、民主党・共和党それぞれの下院議員を取りまとめることができなければ債務上限の引き上げに関する法案が成立・承認されず、結果的にデフォルトや政府機関の閉鎖に繋がるので要注意です。
銀行信用不安に関しては、SVB破綻から始まり銀行の資金流出が続き連鎖破綻に繋がっています。
イエレン財務長官は銀行幹部らに「一連の銀行破
銀行からの資金流出、銀行への規制強化、破綻や合併など銀行に関するヘッドラインが出てこないか注目です。
2)経済指標
豪CPI(消費者物価指数)
豪CPI(消費者物価指数)の結果が市場予想を上回るようであれば、6月RBA理事会での追加利上げの可能性が出てくるのではないかと注目しています。
現在は6月RBA理事会では据え置きが予想されています。
RBAが注目しているCPI(消費者物価指数)の結果次第で追加利上げの可能性が高まれば豪ドル買いにつながるのではないかと思っています。
フランス・ドイツHICP(消費者物価指数)
ECBはあと2回の利上げを予想されています。
ECBは物価高を抑制するために利上げを進めています。
HICP(消費者物価指数)の速報値が市場予想を上回る結果となれば追加利上げの可能性が高まり、市場予想を下回るようであれば利上げ期待が後退しユーロが売られるのではないかと思っています。
カナダGDP
カナダ中銀は利上げを停止しており、注目は年内の利下げの可能性に集まっています。
経済指標であるGDPが市場予想を下回るようであれば、年内利下げの可能性が高まりカナダドル売りが進むのではないかと思っています。
JOLT求人件数
米国の求人情報であるJOLT求人件数は労働市場の分析データの1つとして注目されています。
米国では人手不足を要因として人件費が高騰、物価高のの要因となっています。
労働市場がどの程度逼迫しているのか、市場予想を上回るのか下回るのか、結果に注目です。
◎本日のイベントスケジュール
5月31日(水曜日)
08:00 AUD ロウRBA総裁発言(議会証言)
10:30 CNY 中国製造業・非製造業PMI
10:30 AUD 豪CPI(消費者物価指数)
15:45 EUR フランスHICP(消費者物価指数)(速報値)・GDP(確報値)
16:55 EUR ドイツ雇用統計・失業率
17:30 EUR ビスコ・イタリア中銀総裁発言
21:00 EUR ドイツHICP(消費者物価指数)(速報値)
21:30 CAD カナダGDP
21:50 USD コリンズ・ボストン連銀総裁、ボウマンFRB理事発言
22:15 GBP マンBOE外部理事発言
23:00 USD JOLT求人件数
6月1日(木曜日)
01:30 USD ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁発言
03:00 USD ベージュブック(米地区連銀経済報告)
10:45 CNY 財新製造業PMI