円とポンドはどこまで売られるのかに注目! 「9月26日週の注目点とイベントスケジュール」

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2022年9月26日

円とポンドはどこまで売られるのかに注目! 「9月26日週の注目点とイベントスケジュール」

記事を書いた人:岡ちゃんマン

 

先週は注目の政策発表ラッシュでスイスは利上げしてマイナス金利を解除しました。

米国は予想通り0.75%利上げを発表しましたが、声明文やドットチャートなどがタカ派だったことからドル買いが継続されています。

注目の日銀は想定通り現状維持を発表し、円安が加速しています。

 

各国の金融政策発表が出てきたことでドル高円安が進み、ドル円は一時146円手前まで上昇しました。

この円安に歯止めをかける為に日本政府は円買い介入し、イッキに140.70円まで下落しましたが円安トレンドは変わらず143円後半まで戻しています。

 

英国ではトラス英首相が大幅減税策を発表し、円以上に売りが進みポンドが暴落しています。

 

今週は円とポンドがどこまで売り込まれるのか注目です。

目次

◎今週の注目点

1)リスク要因

 

ポンド下落

英国ではトラス新政権が大規模な減税を発表しポンドが暴落、今週もどこまでポンドが下落するのか注目です。

英国は物価高を抑制するために引き締めを進めて、経済にブレーキをかけています。

対して、今回トラス英首相が発表した減税策は物価高対策としていますが、減税することで消費を促す行動となり、経済のアクセルを踏み込んでいる状況です。

英中銀と英政府でアクセルとブレーキをかけている状態です。

英中銀は物価を抑制するために、英政府がアクセルを踏めばさらにブレーキをかけなくてはいけなくなります。

そのため、さらに引き締めを加速させる必要があり、さらに大幅な利上げをしなくてはいけません。

大幅な利上げは、英国債の利払い増加に繋がり、英国債のデフォルト確率を上げる結果に繋ががります。

また、英政府は減税をすることで税収が減り、財政赤字が拡大します。

このことで英国債の信頼は落ちて英国債は暴落し英金利は暴騰、ポンドが暴落しました。

英国は日本と同様に多くのものを輸入しています。

ポンド安が進むことで英国の輸入物価が上昇し、英国の貿易赤字は拡大し、さらなるポンド安に繋がります。

 

今週はこの流れを変えることができるのか、英中銀の緊急利上げやトラス英首相が減税策を修正するなど、ポンド安を止めることが出来るのか注目です。

また、可能性は低いかもしれませんが、日本のように英国がポンド買いの為替介入を行う可能性にも注意しておきたいと思います。

このまま流れを変えることができなければポンド安が進み、ポンドと米ドルはパリティ(等価)割れもあり得るとの予想が出ています。

 

 

 

円安・介入警戒

先週、日本政府は単独で円買いの為替介入を実施しました。

今週は介入について黒田日銀総裁や政府からどのような発言が出てくるのか注目したいと思います。

日銀は緩和政策を継続すると発表していることから円安トレンドは継続しています。

円安が進み、再度145円を超えてくるようなことがあれば再度円買い介入に踏み切るのではないかと注目しています。

また、今週金曜日には介入実績の発表があるので、どのくらいの規模が実施されたかなどにも注目しておきたいと思います。

 

 

 

2)要人発言

 

FRB

今週はFRBや地区連銀総裁の発言が多数予定されており、11月のFOMCに関しての発言や、ターミナルレート(利上げの最終地点)についてどのような考えを持っているのかに注目です。

特に、来年や再来年の利上げのピークがいつまで続くのか、ターミナルレート(利上げの最終地点)がどこまで高水準になるのかに注目。

金利が高くなればドル高が進むのではないかと注目しています。

特にミシガン大学消費者信頼感指数やPCEデフレーターなどの経済指標を受けて、どのような発言が出てくるのか注目です。

 

 

 

ECB

欧州では物価高が進み、景気後退が懸念される中でECBは引き締めを進めています。

それでもロシアからの天然ガス供給の停止や、ウクライナからの穀物などの輸入価格が上昇するなど、欧州の物価は予想以上に高くなっています。

ECBが今後どこまで引き締めを進めるのか、今後の欧州の景気をどのように見通しているのか、発言内容に注目です。

また、イタリアで総選挙が実施され右派連合が過半数を獲得し、初の女性首相が誕生するとの見方が強くなっています。

イタリアの申請件についてもどのような発言が出てくるのか注目です。

 

 

 

BOE

英国ではポンドの暴落が進んでいます。

トラス英首相の減税発表が要因と言われていますが、物価高など他にも要因はあります。

現状を受けて一部では今週にでも緊急の利上げが実施されるのではないかとの予想が出てきています。

要人発言から緊急利上げの可能性や、今後の引き締めペースの加速について、どのような内容が出てくるのか注目です。

また、発言などでポンド安が止められるのかにも注目したいと思います。

 

 

 

3)経済指標

 

PCEデフレーター

FRBがCPI(消費者物価指数)よりも重要視している物価指標です。

先日発表されたCPI(消費者物価指数)は予想を上回り、物価高は高値推移している結果となりました。

今週発表のPCEデフレーターまで予想を上回る結果となれば利上げ幅の拡大に繋がり、ドル買いが進むのではないかと注目しています。

 

 

 

ミシガン大学消費者信頼感指数

消費者の景況感も重要ですが、今注目されているのは期待インフレ率です。

今後のインフレ率が低下しないと、FRBの引き締めが加速する可能性が出てきます。

引き締め加速となればドル買いに繋がるので期待インフレ率がどうなるか注目です。

 

 

 

欧州HICP(消費者物価指数)(速報値)

今週はフランスやドイツ、ユーロ圏などでHICP(消費者物価指数)の速報値が発表されるので、欧州でどこまで物価高が進んでいるのか注目です。

ユーロはECBの利上げに反応するよりも物価高による景気後退などに反応しているようなので、予想以上の物価高が確認されるとユーロが売られる可能性があります。

HICP(消費者物価指数)の結果とユーロの動きに注目です。

 

 

 

米・英・カナダGDP

今週は米・英・カナダでGDPが発表されます。

米国は確定値なので、予想と結果が乖離する可能性は低いと思われ注目度は少し低下しています。

英国とカナダは月次GDPが発表されるので注目しておきたいと思います。

各国、中銀による引き締めが進んでいるので、どこまで経済に影響が出ているのかに注目。

予想以上に経済が悪化していた場合は今後の政策に影響が出てくる可能性があります。

カナダは引き締めを鈍化させ、英国はトラス首相が追加の減税など暴挙に出る可能性があります。

各国GDPの結果と各国の動きに注目です。

 

 

 

中国製造業・非製造業PMI・財新製造業PMI

中国はコロナ対策などで景況感は悪化、景気後退が懸念されています。

今週発表の製造業・非製造業PMIや財新製造業PMIが予想を下回る結果となれば、世界的な景気後退の懸念が高まり、株価の下落やリスクオフが進む可能性があるのではないかと注目しています。

特に結果が悪かった場合はオセアニアなど資源国通貨に注目しておきたいと思います。

 

 

◎今週のイベントスケジュール

 

 

9月26日(月曜日)

 

16:00 EUR デギントスECB副総裁、ナーゲル・ドイツ連銀総裁発言

16:30 EUR パネッタECB専務理事発言

17:00 EUR ドイツIFO景況指数

22:00 EUR ラガルドECB総裁発言

23:30 EUR センテノ・ポルトガル中銀総裁発言

 

 

9月27日(火曜日)

 

01:00 USD ボスティック・アトランタ連銀総裁発言

01:00 GBP テンレイロBOE外部理事発言

02:00 USD 米2年債入札

05:00 USD メスター・クリーブランド連銀総裁発言

19:15 USD エバンズ・シカゴ連銀総裁発言

20:00 GBP ピルBOE主席エコノミスト発言

20:00 EUR ビルロワ・フランス中銀総裁発言

20:30 USD パウエルFRB議長発言

23:00 USD 米消費者信頼感指数・新築住宅販売戸数

 

 

9月28日(水曜日)

 

02:00 USD 米5年債入札

08:50 JPY 日銀金融政策決定会合議事要旨

09:35 USD デイリー・サンフランシスコ連銀総裁発言

10:30 AUD 豪小売売上高

15:00 EUR ドイツGfk消費者信頼感指数

16:15 EUR ラガルドECB総裁発言

17:15 GBP カンリフBOE副総裁発言

23:00 USD 米中古住宅販売保留

23:30 USD 原油在庫量

 

 

9月29日(木曜日)

 

02:00 USD 米7年債入札

03:00 USD エバンズ・シカゴ連銀総裁発言

16:00 EUR パネッタECB専務理事、シムカス・リトアニア中銀総裁発言

16:30 EUR センテノ・ポルトガル中銀総裁発言

17:00 EUR デギントスECB副総裁発言

18:00 EUR ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値)

20:30 GBP ラムズデンBOE副総裁

21:00 EUR ドイツHICP(消費者物価指数)(速報値)

21:30 CAD カナダGDP

21:30 USD 米GDP(確定値)・失業保険申請件数

 

 

9月30日(金曜日)

 

02:00 EUR レーンECB専務理事兼主席エコノミスト発言

03:00 MXN メキシコ政策金利発表

10:30 CNY 中国製造業・非製造業PMI

10:45 CNY 財新製造業PMI

15:00 GBP 英GDP

15:45 EUR フランスHICP(消費者物価指数)(速報値)

16:55 EUR ドイツ雇用統計・失業率

18:00 EUR ユーロ圏HICP(消費者物価指数)(速報値)

19:00 JPY 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)

21:30 USD 米PCEデフレーター

22:00 USD ブレイナードFRB副議長発言

23:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)

 

 

10月1日(土曜日)

 

00:30 EUR シュナーベルECB専務理事発言

05:15 USD ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁発言

 

 

10月2日(日曜日)

 

豪州サマータイム移行

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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