2022年12月12日
年末に向けて金融政策・経済指標発表ラッシュ! 「12月12日の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週はPPI(生産者物価指数)が予想以上の結果となり、ミシガン大学消費者信頼感指数も予想を上回ったことで、ターミナルレート(利上げの最終水準)が上昇するのではないかとの観測に繋がりドルの買い戻しが出ています。
今週は年末に向けて金融政策発表ラッシュ、経済指標ラッシュとなります。
発表前は様子見ムードが強くなり、発表された結果次第では大きな値動きに繋がる可能性があります。
発表結果に注目していきたいと思います。
目次
◎今週の注目点
1)金融政策発表
FOMC
注目度:かなり高い
織り込み度:0.5%利上げを織り込み済み
バイアス:ドルの上値重い
ポイント:ターミナルレート(利上げの最終水準)
今回のFOMCでは利上げ幅よりもターミナルレート(利上げの最終水準)に注目が集まっています。
そのため、ドットチャートに注目しています。
前回のドットチャート比べて上昇するのではないかと予想されています。
ターミナルレート(利上げの最終水準)は5.0%~5.5%くらいになるのではないかと予想されています。
記者会見でパウエルFRB議長はややタカ派になると思います。
記者会見やドットチャートで少しはドル買いに動くかもしれませんが、材料出尽くした場合はその後ドル売りが出てくるのではないかと注目しています。
スイス中銀
注目度:やや高い
織り込み度:0.5%利上げを6∼7割織り込み済み
バイアス:特になし
ポイント:利上げ幅とインフレ見通し
スイス中銀はマイナス金利を解除し、+0.5%まで政策金利を引き上げています。
今まで主要中銀で最大のマイナス金利は場だったスイス中銀がどこまで金利を引き上げるのか注目です。
今回は0.5%利上げを予想していますが、利上げ幅が0.25%だった場合はフラン売りの可能性があります。
また、声明文や記者会見でインフレがピークアウトしているなど、利上げ終了に繋がるような内容が出てくるとフラン売りが出てくる可能性があります。
逆に利上げを継続するような内容であればフラン買いになるのではないかと思います。
今後の利上げに関する内容に注目です。
BOE(英中銀)
注目度:高い
織り込み度:0.5%利上げを織り込み済み
バイアス:ポンド上値重い
ポイント:MPC投票配分と利上げ見通し
英国は42年以来の物価高となっており、英中銀は物価抑制のために利上げを進めています。
今回も0.5%利上げを予想されていますが、全員一致で0.5%利上げなのか、それとも0.25%利上げ支持がいるのかに注目です。
また、どこまで利上げを進めるのか、今後のインフレ見通しがどうなっているのか注目です。
大幅利上げを進めるようであればポンド買い、利上げペースを控えるようであればポンドの上値が重くなるのではないかと思います。
英国はスナク政権の緊縮財政を進めており景気後退が懸念されています。
英中銀の利上げでどこまで英国経済が耐えられるのか、英中銀の景気見通しに注目です。
ECB理事会
注目度:かなり高い
織り込み度:0.5%利上げを織り込み済み
バイアス:ユーロ買い
ポイント:インフレ見通しと利上げ見通し
欧州でも物価高が進んでおり、米国に続くように利上げを進めています。
ただ、米国との違いは経済の弱さとウクライナなどの地政学リスクです。
ウクライナからの避難民や欧州周辺国からの難民などが欧州に流れ込み、欧州経済を圧迫しています。
また、エネルギー価格の上昇や穀物価格の上昇など物価高も欧州経済に影響を与えています。
弱い経済でECBがどこまで利上げを進めることができるのか、ターミナルレート(利上げの最終水準)をどの辺に考えているのか、声明文や記者会見に注目です。
2)経済指標
英GDP
英国経済は緊縮財政政策でかなり冷え込むのではないかと予想されています。
予想よりも景気が冷え込んでいた場合、英中銀の利上げ判断に影響するのではないかと思っています。
市場予想に対して下回る結果となるか、それとも上回るのか注目です。
英雇用統計
英国の物価高の要因に人手不足があります。
EUから離脱したことで欧州からの出稼ぎがいなくなり、安い労働力がいなくなったことで平均給与額が上昇しています。
雇用統計では雇用者数も重要ですが、平均賃金がどこまで上昇しているのかに注目です。
平均賃金が予想以上だった場合は人件費の高騰に繋がり、翌日に発表される英CPI(消費者物価指数)の上振れに繋がるのではないかと思います。
物価高となれば利上げ観測に繋がり、ポンド買いに繋がるのではないかと思います。
米CPI(消費者物価指数)
FRBは物価抑制のために動いており、物価高が続くようであればターミナルレート(利上げの最終水準)は上昇するのではないかと思われます。
先日のPPI(生産者物価指数)が予想以上の結果が出てきていることから、CPI(消費者物価指数)も予想以上の結果が出てくるのではないかとの観測があります。
予想以上の結果が出てくるようであればターミナルレート(利上げの最終水準)が上昇するのではないかとの観測に繋がり、ドル買いが進むのではないかと思っています。
英CPI(消費者物価指数)
英国では物価高が問題となっており、物価高が進んでいた場合は利上げ観測に繋がるのではないかと思います。
前日に発表される雇用統計で平均賃金が予想以上の結果となっていた場合は、CPI(消費者物価指数)も予想を上回る結果となる可能性があるので注目です。
NZ四半期GDP
ニュージーランドは主要中銀の中で先頭を切って引き締めを進めています。
中国のゼロコロナ政策によるロックダウンの影響や、利上げの影響でニュージーランド経済がどこまで冷え込んでいるのか注目です。
RBNZは引き続き利上げを進める可能性に触れていることから、GDPの結果が底堅かった場合は利上げの継続に繋がるのではないかと思います。
豪雇用統計
RBAはターミナルレート(利上げの最終水準)に届いているのではないか、今後も利上げを継続するのか注目されています。
先日のRBA理事会で追加利上げはデータ次第との事なので、雇用統計の結果が底堅いかに注目しています。
労働参加率が上昇したうえで失業率が低下していれば、豪州の経済が底堅いとの見方になり、追加利上げに繋がるのではないかと思っています。
製造業・サービス業・総合PMI
各国、物価高で景気後退が懸念され、物価を抑える為に利上げを進めることで景気後退が懸念され、物価高と景気後退が同時に懸念されるスタグフレーションが注目されています。
どこで不景気が来るのか注目を集めています。
景気の先行指標であるPMIの結果が低下するようであれば景気後退が近いと思われます。
ドイツ・フランス・ユーロ圏・英国・米国の製造業・サービス業・総合PMIが発表され、好不況の分岐点である「50」をどこまで下回るのかに注目です。
今回は速報値なので、予想と結果が大きく乖離する可能性があるので、大きく動く可能性があります。
特に年末に向けて残り少ない経済指標なので、大きな値動きに繋がる可能性があるので要注意です。
◎今週のイベントスケジュール
12月12日(月曜日)
16:00 GBP 英GDP
12月13日(火曜日)
03:00 USD 米10年債入札
04:00 USD 米月次財政収支
05:25 CAD マックレムBOC総裁発言
08:30 AUD 豪Westpac消費者信頼感指数
16:00 GBP 英雇用統計・失業率・平均賃金
16:00 EUR ドイツHICP(消費者物価指数)(改定値)
19:00 EUR ドイツZEW景況感指数
19:00 EUR ユーロ圏ZEW景況感指数
19:30 GBP 英中銀金融安定報告書
20:00 GBP ベイリーBOE総裁発言
22:30 USD 米CPI(消費者物価指数)
12月14日(水曜日)
03:00 USD 米30年債入札
07:30 AUD ロウRBA総裁発言
08:50 JPY 日銀短観
16:30 GBP 英CPI(消費者物価指数)
17:00 EUR スペインHICP(消費者物価指数)(改定値)
12月15日(木曜日)
00:30 USD 原油在庫量
04:00 USD FOMC政策金利・声明文・ドットチャート
04:30 USD パウエルFRB議長記者会見
06:45 NZD NZ四半期GDP
07:30 EUR エルダーソンECB専務理事発言
08:50 JPY 日貿易収支
09:30 AUD 豪雇用統計・失業率・労働参加率
16:45 EUR フランスHICP(消費者物価指数)(改定値)
17:30 CHF スイス国立銀行(SNB)金融政策発表
18:00 CHF ジョーダンSNB総裁記者会見
21:00 GBP 英中銀金融政策発表・声明文・MPC投票配分
22:15 EUR ECB理事会・声明文
22:30 USD 米小売売上高・フィラデルフィア連銀製造業景況指数
22:45 EUR ラガルドECB総裁記者会見
12月16日(金曜日)
00:15 EUR ラガルドECB総裁発言
16:00 GBP 英小売売上高
17:15 EUR フランス製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
17:30 EUR ドイツ製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
18:00 EUR ユーロ圏製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
18:30 GBP 英製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
19:00 EUR ユーロ圏HICP(消費者物価指数)(改定値)
23:45 USD 米製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
12月17日(土曜日)
03:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント