2023年1月30日
政策金利・経済指標発表ラッシュ! 「1月30日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週は注目された米国のGDPやPCEデフレーターが強弱入り混じる展開だったことと、マーケットにサプライズを与えるような結果ではなかったことで、大きな影響はありませんでした。
また、FRBがブラックアウト期間なので要人発言もなく、方向感が難しい展開でした。
今週は月末・月初の週として経済指標ラッシュに加えて、米英欧の金融政策発表まで予定されており、大きく動く1週間になりそうだと思っています。
特に2月2日に集中しているので、注意しておきたいと思います。
目次
◎今週の注目点
1)金融政策
FOMC
注目度:かなり高い
織り込み度:0.25%利上げを織り込み済み
バイアス:ドル安トレンド
ポイント:次回以降の利上げペース
今回の利上げは0.25%を織り込んでおり、注目は次回以降の利上げペースに集まっています。
昨年12月FOMCのドットチャートから読み取れるターミナルレート(利上げの最終水準)は5.1%程度となっており、利上げ回数で言うとあと2∼3回ではないかと予想されています。
今回の利上げを差し引くと3月のFOMCの利上げと5月のFOMCで利上げをするとターミナルレート(利上げの最終水準)に達します。
このことから3月のFOMCで利上げを実施した後に利上げを停止するか注目が集まっていました。
ただ先週、カナダ中銀が0.25%の利上げを発表した後に利上げの停止の可能性を示唆したことで、米国も利上げの停止の可能性が高まっています。
今回の声明文、もしくは記者会見で3月以降の利上げに関してどのような内容が出てくるのか、利上げ停止の可能性が出てくるのか、5月まで利上げを継続するのか、年内の利下げの可能性があるのか、内容に注目です。
英中銀
注目度:かなり高い
織り込み度:0.25%利上げ3~4割、0.5%利上げ6~7割で織り込んでいる
バイアス:特になし
ポイント:中銀の政策スタンス、インフレーションレポート
今回の英中銀は四半期に一度のインフレーションレポートが同時発表される「Super Thursday」重要な回です。
利上げに関しても、まだ織り込まれていないので0.25%利上げでも0.5%利上げでも、ポンドは大きく動くのではないかと思われます。
注目は12月はハト派だった英中銀の政策スタンスとインフレーションレポートです。
英中銀は12月の会合で物価抑制よりも景気を優先させるとして、引き締めに消極的な政策スタンスを示していました。
その後の物価指標などを確認すると予想以上の物価高が示され、高止まりしている状況です。
12月の会合では利上げではなく据え置きに投じたMPCメンバーが2人いました。
この政策スタンスが2月の会合でどのように変更するのか、据え置き票を投じるMPCメンバーがどのくらいいるのか、政策スタンスに注目です。
また、今回は四半期に一度のインフレーションレポートが発表されます。
今後のインフレ見通しや景気見通しがどのように修正されるのか、インフレーションレポートの内容にも注目です。
ECB理事会
注目度:高い
織り込み度:0.5%利上を織り込み済み
バイアス:ややユーロ買い優勢
ポイント:次回以降の利上げペース
12月のECB理事会で0.5%利上げを継続すると示唆していることから、今回の理事会では0.5%利上げを実施することが予想されています。
ただ、3月の理事会では0.25%利上げ派と0.5%利上げ派と意見が分かれています。
声明文や記者会見から次回以降の利上げペースについてどのような内容が出てくるのか注目です。
利上げペース鈍化に繋がるような内容であれば、ユーロの上値が重くなるのではないかと思います。
2)経済指標
フランス・ドイツ・ユーロ圏GDP
欧州では高い物価上昇、ウクライナ情勢によるエネルギー価格の上昇、中国のゼロコロナ政策などから10~12月期の経済成長は低くなるのではないかと予想されています。
欧州でも経済規模の大きいフランスやドイツ、また総合のユーロ圏などのGDPが予想以上の結果となればECBの利上げ(引締め)の追い風となるのではないかと注目しています。
フランス・ドイツHICP(消費者物価指数)
ECBは物価抑制を優先すると利上げを進めています。
欧州でも経済規模の大きいフランスやドイツの物価がどこまで上昇しているのかに注目です。
また、今回は速報値なので、予想と結果が大きく乖離する可能性があるので注目です。
予想以上の物価が示されるようであれば、3月ECB理事会での0.5%利上げの可能性が高まるのではないかと注目しています。
NZ雇用統計・失業率
RBNZはハイペースで利上げを進めておりタカ派姿勢を示しています。
現在のRBNZの責務は「持続可能な最大
物価高が進んでいる状況で、どこまで雇用状況が影響するかはわかりませんが、雇用状況が弱い場合は利上げペースに影響するのではないかと注目しています。
ユーロ圏HICP(消費者物価指数)
ECBは物価抑制を優先すると利上げを進めていることから、フランスやドイツのHICP(消費者物価指数)と同様にユーロ圏のHICP(消費者物価指数)も注目です。
予想以上の物価が示されるようであれば、3月ECB理事会での0.5%利上げの可能性が高まるのではないかと注目しています。
今回は速報値なので、予想と結果が大きく乖離する可能性があるので注目です。
ADP雇用統計
米国では人手不足から人件費が高騰し、物価高に影響していると見られています。
また、FRBのハイペース利上げで景気後退が懸念されています。
このことから雇用状況に注目が集まっており、雇用状況が良い状況であれば人手不足緩和・底堅い景気ということでFRBの利上げの追い風と受け止められるのではないかと思います。
逆に雇用状況が悪ければ景気後退の可能性が高まり、利上げペースの後退に繋がるのではないかと注目しています。
ISM製造業景況指数
米国ではFRBのハイペース利上げで景気後退が懸念されています。
ただ、景気後退は織り込まれており、どこまで景気が後退するのか、いつまで景気が後退するのかに注目されています。
景気の先行指標としてISM製造業景況指数がどこまで悪化しているのか、下げ止まりが見えてくるのか、結果に注目です。
NFP雇用統計・失業率・平均時給
米国は人手不足で人件費が高騰し、物価高の要因となっています。
平均時給が予想以上の結果が出てきた場合は、人件費高騰が続いていると受け止められ根強いインフレが懸念されます。
逆に平均時給が予想を下回る結果が出てくるようであれば、人件費が落ち着きインフレ低下の要因として受け止められるのではないかと思います。
また、雇用者数や失業率から景気後退が懸念される状況となれば、景気悪化から利上げペースを後退させる可能性に繋がるのではないかと思います。
今週最大の注目指標だと思います。
ISM非製造業景況指数
米国ではFRBのハイペース利上げで景気後退が懸念されています。
ただ、景気後退は織り込まれており、どこまで景気が後退するのか、いつまで景気が後退するのかに注目されています。
景気の先行指標としてISM非製造業景況指数がどこまで悪化しているのか、下げ止まりが見えてくるのか、結果に注目です。
特に消費大国である米国の非製造業は重要視されています。
◎今週のイベントスケジュール
1月30日(月曜日)
06:45 NZD NZ貿易収支
17:00 EUR スペインHICP(消費者物価指数)(速報値)
1月31日(火曜日)
09:30 AUD 豪小売売上高
10:30 CNY 中国製造業・非製造業PMI
15:30 EUR フランスGDP(速報値)
16:45 EUR フランスHICP(消費者物価指数)(速報値)
17:55 EUR ドイツ雇用統計・失業率
18:00 EUR ドイツGDP(速報値)
19:00 EUR ユーロ圏GDP(速報値)
19:00 JPY 日銀外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
22:00 EUR ドイツHICP(消費者物価指数)(速報値)
22:30 CAD カナダGDP
2月1日(水曜日)
00:00 USD 米消費者信頼感指数
06:45 NZD NZ雇用統計・失業率
10:45 CNY 財新製造業PMI
17:50 EUR フランス製造業PMI(改定値)
17:55 EUR ドイツ製造業PMI(改定値)
18:00 EUR ユーロ圏製造業PMI(改定値)
18:30 GBP 英製造業PMI(改定値)
19:00 EUR ユーロ圏HICP(消費者物価指数)(速報値)
22:15 USD ADP雇用統計
23:45 USD 米製造業PMI(改定値)
2月2日(木曜日)
00:00 USD ISM製造業景況指数
00:30 USD 原油在庫量
04:00 USD FOMC・金融政策発表
04:30 USD パウエルFRB議長記者会見
21:00 GBP 英中銀金融政策発表・MPC投票配分・インフレーションレポート
22:15 EUR ECB理事会・金融政策発表
22:30 USD 失業保険申請件数
22:45 EUR ラガルドECB総裁記者会見
23:15 GBP ベイリーBOE総裁記者会見
2月3日(金曜日)
02:30 CHF ジョーダンSNB総裁発言
10:45 CNY 財新サービス業PMI
17:30 CHF メクラーSNB理事発言
17:50 EUR フランス総合・サービス業PMI(改定値)
17:55 EUR ドイツ総合・サービス業PMI(改定値)
18:00 EUR ユーロ圏総合・サービス業PMI(改定値)
18:30 GBP 英総合・サービス業PMI(改定値)
21:15 GBP ピルBOE主席エコノミスト発言
22:00 EUR エルダーソンECB専務理事発言
22:30 USD NFP雇用統計・失業率・平均時給
23:45 USD 米総合・サービス業PMI(改定値)
2月4日(土曜日)
00:00 USD ISM非製造業景況指数
03:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント