2023年9月18日
日米英の金融政策発表に注目の1週間! 「9月18日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週は週明けにドル円は下方向に窓開けしてスタートしましたが、週後半に向けて徐々に値を戻し週末には148円手前まで上昇しました。
注目されていたECB理事会は市場予想通り利上げを発表しましたが、声明文や記者会見の内容から利上げ終了の可能性が出てきたことからユーロ売りが進みました。
今週は注目の日米英の金融政策をはじめ、重要指標も多数発表が予定されています。
また、ドル円は介入警戒水準まで来ており、神経質な動きになるのではないかと注目しています。
目次
◎今週の注目点
1)金融政策
FOMC
注目度:かなり高い
織り込み度:据え置きを織り込み済み
バイアス:ややドルが強い
ポイント:ドットチャート、インフレ・経済見通し
今回のFOMCは据え置きが予想されており、注目は四半期に一度のインフレ・経済見通しとドットチャートに集まっています。
まず注目されているのが年内に追加利上げがあるのかどうか?
経済見通しやインフレ見通し、声明文の内容がタカ派となるのか、それともハト派になるのか注目です。
仮にハト派となれば利上げは終了となり、次の注目は利下げ時期に移ります。
ドットチャートから来年の金利水準がどの程度になっているのか確認し、来年利下げがあるのかどうか注目です。
英中銀
注目度:高い
織り込み度:0.25%利上げが8割、据え置きが2割
バイアス:ポンドの上値が重い
ポイント:利上げ幅とターミナルレート(利上げの最終水準)
今回の英中銀は何もなければ0.25%の利上げではないかと予想されています。
今回の英中銀の直前に英CPI(消費者物価指数)が発表され、市場予想を下回りインフレ低下が見えるような内容となっていれば据え置きの可能性が出てきます。
据え置きとなれば大きくポンドが売られるのではないかと思います。
また、利上げとなっても据え置き支持のMPCメンバーが増えていたり、声明文や記者会見から利上げ終了が観測されるような内容となった場合もポンド売りが進むのではないかと思います。
先日発表された英国GDPがマイナス成長となっているだけに、引き締め後退の発表が出てくる可能性はあるのではないかと注目しています。
日銀
注目度:かなり高い
織り込み度:据え置きをほとんど織り込み済み
バイアス:円安方向
ポイント:マイナス金利解除、YCC(イールドカーブ・コントロール)修正・撤廃
先日の読売新聞の単独インタビューで植田日銀総裁が「賃金上昇を伴う持続的な物価上昇に確信が持てた段階にな
今回の日銀金融政策決定会合の声明文、記者会見では金融正常化に関するヒントに注目が集まると思います。
特に記者会見では金融正常化に関する質疑が集中するのではないかと思っています。
金融正常化に関する内容が出てきた場合は円安にストップがかかるのではないかと予想しています。
逆に金融正常化に関するヒントがなかった場合、あったとしても中途半端な内容であった場合は再度円安が進むのではないかと注目しています。
その他金融政策
今週は日米英の中銀以外にもいくつかの中銀から金融政策が発表されます。
スイス・スウェーデン・ノルウェーなどの金融政策は欧州の状況を確認するためにも内容に注目しておきたいと思います。
特にスイスは今回の利上げサイクル前は最大のマイナス金利幅を導入していたので、スイスの動向には注目しておきたいと思います。
また、今まで利下げを進めていたトルコ中銀ですが、中銀総裁が変わってからインフレ抑制のために利上げを続けています。
このまま利上げを続けるのか注目しています。
豪州はRBA理事会議事要旨を発表。
利上げ終了の可能性も高まっているRBA理事会の内容に注目です。
利上げ終了が観測されるような内容となっていれば豪ドルの上値が重くなるのではないかと注目しています。
2)経済指標
カナダCPI(消費者物価指数)
カナダ中銀が追加利上げの可能性が残るのか、カナダの物価指標であるCPI(消費者物価指数)の結果に注目です。
次回10月の金融政策発表まであと2回CPI(消費者物価指数)の発表があります。
今回のCPI(消費者物価指数)だけでは次回の金融政策が決まるとは思えませんが、結果次第では追加利上げの可能性が一気に高まりカナダドルが買われる可能性があるのではないかと注目しています。
英CPI(消費者物価指数)
英国では高い物価から追加利上げの可能性が高まっています。
金融政策発表を控えてCPI(消費者物価指数)の結果が市場予想を上回る結果となるようであれば追加利上げの可能性は高まり、さらに追加利上げの可能性も高まるのではないかと注目しています。
逆に市場予想を下回り、インフレ鈍化が確認できれば今週の金融政策発表で据え置きの可能性も出てくるのではないかと思っています。
NZ四半期GDP
ニュージーランドはハイペースで利上げを進めており、利上げサイクルは終了しました。
次は利下げの時期に注目されており、GDPの結果が市場予想よりも弱くなっているようであれば利下げ期待が高まりNZドルは売られるのではないかと注目しています。
失業保険申請件数・フィラデルフィア連銀製造業景況指数
FRBは雇用市場に注目しています。
雇用市場を確認する先行指標として失業保険申請件数が注目されています。
失業保険申請件数は毎週発表されるため先行指標として注目されており、予想に対する強弱が変動しやすく振れ幅も大きい指標です。
また、同時に発表されるフィラデルフィア連銀製造業景況指数にも注目しています。
ハイペースで利上げを進めてきたことで製造業に影響が出ているのではないかと思います。
製造業がどこまで悪化しているのか、米国の経済状況を確認するためにフィラデルフィア連銀製造業景況指数に注目です。
製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
フランス・ドイツ・ユーロ圏・英国・米国で製造業・サービス業・総合PMI(速報値)が発表されます。
欧州・英国では景気後退が懸念されていて、利上げ終了や早い時期の利下げが注目されています。
PMIの結果が予想を下回る結果となれば利上げ終了、早期利下げの可能性が高まり通貨が売られるのではないかと注目しています。
逆に米国は底堅い経済が注目されていて、PMIの結果が市場予想を上回るようであればドル買いが進むのではないかと注目しています。
今回は速報値のため、予想と結果が乖離する可能性が高いので要注目です。
カナダ小売売上高
カナダ中銀の追加利上げのため、強い経済であるのか小売売上高の結果に注目です。
強い経済が確認されれば追加利上げ期待の追い風となり、カナダドル買いに繋がるのではないかと思っています。
3)要人発言
先週ECB理事会が終了し、ハト派な内容であったことからユーロが売られています。
理事会が過ぎたことでECB理事の発言が出てきます。
同じようにハト派な内容が出てくるのか、それとも理事会の内容に否定的な発言が出てくるのか、発言内容に注目です。
また、週後半には米国や英国の金融政策が発表されます。
そのあとに発言が出てくると思いますが、タカ派なのか、それともハト派なのか、金融政策の内容と違いがあるのか発言に注目です。
その他、日本では口先介入に警戒です。
ドル円は148円手前で介入警戒感が高まり上値が重くなっています。
仮に148円を超えた場合、一気に150円まで進む可能性があります。
口先介入、実弾介入が出てくるのか、発言のレベル感に注目です。
以下、去年の口先介入時のものです。
◎今週のイベントスケジュール
9月18日(月曜日)
東京市場休場(敬老の日)
18:00 EUR デギントスECB副総裁発言
9月19日(火曜日)
10:30 AUD RBA理事会議事要旨
18:00 EUR ユーロ圏HICP(消費者物価指数)(改定値)
21:30 EUR エルダーソンECB専務理事発言
21:30 CAD カナダCPI(消費者物価指数)
21:30 USD 米住宅着工件数
9月20日(水曜日)
15:00 GBP 英CPI(消費者物価指数)
23:30 USD 原油在庫量
9月21日(木曜日)
03:00 USD FOMC・政策金利・声明文・ドットチャート発表
03:30 USD パウエルFRB議長記者会見
07:45 NZD NZ四半期GDP
16:30 CHF スイス国立銀行(SNB)政策金利発表
16:30 SEK スウェーデン政策金利発表
17:00 NOK ノルウェー政策金利発表
20:00 TRY トルコ政策金利発表
20:00 GBP 英中銀(BOE)政策金利・声明文・MPC投票配分
21:30 USD 米失業保険申請件数・フィラデルフィア連銀製造業景況指数
23:00 USD 米中古住宅販売件数
23:00 USD ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)
23:40 EUR シュナーベルECB専務理事発言
9月22日(金曜日)
12時ごろ JPY 日銀金融政策決定会合
15:30 JPY 植田日銀総裁記者会見
16:15 EUR フランス製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
16:30 EUR ドイツ製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
17:00 EUR ユーロ圏製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
17:30 GBP 英製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
21:30 CAD カナダ小売売上高
22:45 USD 米製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
9月23日(土曜日)
02:00 USD デイリー・サンフランシスコ連銀総裁発言
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント