日米英の金融政策発表ラッシュと重要指標発表ラッシュの1週間! 「12月16日週の注目点とイベントスケジュール」

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2024年12月16日

日米英の金融政策発表ラッシュと重要指標発表ラッシュの1週間! 「12月16日週の注目点とイベントスケジュール」

記事を書いた人:岡ちゃんマン

 

先週は欧州やカナダ、スイスなどで金融政策が発表されました。

ECBやカナダ中銀は市場予想通りの利下げが発表されましたが、スイスは市場予想を上回る大幅利下げが発表されスイスフラン売りが進みました。

 

今週は年末を控えて通常は月末週に発表される経済指標が前倒しで発表されるため、多くの重要指標の発表が予定されています。

また、日本や米国、英国の金融政策発表が予定されており、指標結果や金融政策発表の結果で大きく動く可能性があるので注意しておきたいと思います。

来週からはマーケット参加者が激減することが予想されており、金融政策発表ラッシュが通過した金曜日にはポジション整理の動きが出てくることも予想されるので、ポジション整理による急な値動きには注意しておきたいと思います。

目次

◎今週の注目点

 

1)金融政策

 

FOMC

注目度:かなり高い

織り込み度:0.25%利下げを織り込み済み

バイアス:ドル買い優勢

ポイント:ドットチャート

 

今回のFOMCでは0.25%利下げが織り込まれています。

一時は据え置きもあるのではないかと予想されるほど米国経済が強いものとなっています。

そのため、四半期に一度公表されるドットチャートが上方修正されていないか、上方修正された場合はドル買いが進むのではないかと注目しています。

また、来年の米国経済やインフレについてどのように見通しているのか、トランプ政権による影響についてどのように見通しているのか、声明文やパウエルFRB議長の記者会見に注目しておきたいと思います。

 

 

 

日銀金融政策決定会合

注目度:かなり高い

織り込み度:据え置きが優勢

バイアス:円安優勢

ポイント:利上げと見通し

今回の日銀金融政策決定会合は一時利上げの可能性が高まりましたが、利上げに否定的な観測記事が報じられたことで利上げ期待は後退し、据え置き予想が優勢となっています。

ただ黒田日銀時代にサプライズ発表があったことを考えると、今回サプライズ利上げが発表される可能性には注意しておきたいと思います。

据え置きであった場合は1月の会合で利上げが実施されるのか、来年の利上げペースやターミナルレート(利上げの最終水準)をどの程度に考えているのか、声明文や記者会見に注目したいと思います。

 

 

 

英中銀

注目度:高い

織り込み度:据え置きと利下げ予想で分かれており据え置き優勢

バイアス:特になし

ポイント:利下げの実施とMPC投票配分

今回の英中銀は利下げ予想と据え置き予想が分かれています。

木曜の夜に金融政策発表が予定されていますが、その前に製造業・サービス業・総合PMI(速報値)や雇用統計、CPI(消費者物価指数)などの発表が予定されているため、金融政策発表の直前まで織り込み度が変わる可能性に注意しておきたいと思います。

利下げが先送りされた場合は、9名いるMPCメンバーのうち何票利下げ票が投じられたのかに注目、4票や3票などギリギリで据え置きとなったのであれば次回の利下げ期待に繋がりますが、2票や1票であった場合は利下げ期待が大きく後退し、ポンド買いが進むのではないかと注目しています。

 

 

 

2)経済指標

 

製造業・サービス業・総合PMI(速報値)

フランス・ドイツ・ユーロ圏・英国・米国の製造業・サービス業・総合PMI(速報値)が予定されています。

欧州は景気後退が懸念されている中で、フランスやドイツでは政治的混乱が起きています。

そのため欧州は予想以上にPMIが悪化している可能性があるのではないかと注目しています。

逆に米国では利下げ期待が後退、据え置き予想が出てくるほど強い経済が見通されており、PMIも予想以上に強い結果が出てくる可能性があります。

強いPMIが出てきた場合はドル高がさらに進む可能性があるのではないか、ドル一強が進む可能性があるのではないかと思います。

 

 

 

英雇用統計・失業率・平均賃金

英国の雇用統計では平均賃金がどこまで低下しているのかに注目しています。

英国では人出不足による賃金上昇がインフレの要因となっており、景気後退の状況なのに高いインフレが続いています。

平均賃金が低下することによりインフレが落ち着けば利下げのハードルが下がるのではないか、利下げ期待に繋がるのではないかと考えています。

木曜日の英中銀で利下げと据え置き予想が分かれているため、平均賃金の結果によって織り込みが変わる可能性があるので注目しておきたいと思います。

 

 

 

米小売売上高

米国の強い経済は強い消費によるものではないかとの見方が強いようで、消費動向を確認するために小売売上高の結果が注目されています。

強い小売売上高が出てくれば、来年の利下げ幅の縮小に繋がりドル買いに繋がるのではないかと注目しています。

 

 

 

カナダCPI(消費者物価指数)

カナダ中銀は先週の政策発表で0.5%の利下げを決定し、今後の利下げは緩やかなペースになるとの見解を示しています。

今回発表されるカナダのCPI(消費者物価指数)が市場予想を上回る結果が出てきた場合は、次回の会合で据え置きの可能性が出てくるのではないかと注目されています。

逆に市場予想を下回れば追加利下げの期待が高まるのではないかと思います。

 

 

 

英CPI(消費者物価指数)

今回のCPI(消費者物価指数)は英中銀の直前に予定されており、据え置きと利下げで予想が分かれているためCPI(消費者物価指数)の結果が織り込みに大きく影響するのではないかと思います。

市場予想を上回れば据え置き予想が進み、市場予想を下回る結果が出てきた場合は利下げ期待が高まるのではないかと思います。

前日に発表される雇用統計(平均賃金)と併せて注目しておきたいと思います。

 

 

 

NZ四半期GDP

ニュージーランドは景気の低迷を懸念して利下げを進めてきています。

また、景気後退が懸念される中国の影響がニュージーランドにも出てくるのではないかと注目されており、四半期GDPの結果に注目が集まっています。

弱いGDPが確認された場合は来年2月の追加利下げ期待に繋がり、NZドル売りが進むのではないかと注目しています。

 

 

 

米失業保険申請件数、GDP、フィラデルフィア連銀製造業景況指数

失業保険申請件数とGDP,フィラデルフィア連銀製造業景況指数が同時に発表されるため、結果が強弱入り混じる展開となればドル買いドル売りが交錯する可能性があるので注意しておきたいと思います。

ただ、FRBが雇用市場に注目しているため雇用指標の先行指標として注目されている失業保険申請件数が最も注目されているのではないかと思います。

そのため失業保険申請件数の結果が強ければドル買い、弱ければドル売り方向に進んでいくのではないかと考えています。

 

 

 

日本CPI(消費者物価指数)

日銀が利上げに踏み切るのかに注目が集まっており、日銀の目標である物価がどこまで高まっているのかCPI(消費者物価指数)の結果に注目です。

CPI(消費者物価指数)の結果が市場予想を上回れば1月の会合での利上げ期待に繋がるのではないか、日本の金利が上昇し円売り圧力が弱くなるのではないかと注目しています。

 

 

 

英小売売上高

英国の経済を確認するため小売売上高に結果に注目です。

英中銀の前に発表される雇用統計やCPI(消費者物価指数)に比べると、英中銀の翌日に発表される小売売上高の注目度は低くなっています。

それでも景気後退が懸念されているため、小売売上高の結果が弱ければ追加利下げの期待に繋がりポンド売りが進む可能性があるので注意しておきたいと思います。

 

 

 

PCEデフレーター

PCEデフレーターはFRBが最も注目している物価指標です。

高止まりが警戒されている物価について、FRBは順調に物価目標に向かってインフレは低下しているとの見解を示しています。

FRBの見通し通りに物価が低下してきているのか、PCEデフレーターの結果に注目です。

もし市場予想を上回ればインフレの高止まりが警戒され、利下げ期待が後退しドル買いが進むのではないかと考えています。

 

 

 

カナダ小売売上高

カナダ中銀は利下げペースを緩めるのではないか、ターミナルレート(利下げの最終水準)が近付いてきているのではないかと考えています。

カナダ経済を確認するため、小売売上高の結果が強ければ利下げ期待が後退、小売売上高の結果が弱ければ利下げ期待が進むのではないかと注目しています。

 

 

 

ミシガン大学消費者信頼感指数(改定値)・期待インフレ率

今回のミシガン大学消費者信頼感指数は改定値のため、マーケットの注目度は速報値に比べやや低くなっています。

それでも結果が市場予想を大きく乖離した場合は大きく動く可能性があるので注意しておきたいと思います。

また、同時に発表される期待インフレ率がFRBのインフレ見通しと合致しているのかにも注意しておきたいと思います。

FRBの見通し以上の期待インフレとなればドル買い要因となるのではないかと考えています。

 

 

 

◎今週のイベントスケジュール

 

 

12月16日(月曜日)

 

ショルツ独首相信任投票

 

16:15 EUR ラガルドECB総裁、シムカス・リトアニア中銀総裁発言

17:15 EUR フランス製造業・サービス業・総合PMI(速報値)

17:30 EUR ドイツ製造業・サービス業・総合PMI(速報値)

17:45 EUR デギントスECB副総裁発言

18:00 EUR ユーロ圏製造業・サービス業・総合PMI(速報値)

18:30 GBP 英製造業・サービス業・総合PMI(速報値)

21:00 EUR ウンシュ・ベルギー中銀総裁発言

22:30 USD ニューヨーク連銀製造業景況指数

23:45 USD 米製造業・サービス業・総合PMI(速報値)

 

 

12月17日(火曜日)

 

01:30 EUR シュナーベルECB専務理事発言

05:45 CAD マックレムBOC総裁発言

08:30 AUD 豪Westpac消費者信頼感指数

16:00 GBP 英雇用統計・失業率・平均賃金

18:00 EUR レーン・フィンランド中銀総裁発言

19:00 EUR ドイツ・ユーロ圏ZEW景況感指数

22:30 USD 米小売売上高

22:30 CAD カナダCPI(消費者物価指数)

 

 

12月18日(水曜日)

 

03:00 USD 米20年債入札

08:50 JPY 日本貿易収支

16:00 GBP 英CPI(消費者物価指数)

16:35 EUR ミュラー・エストニア中銀総裁発言

18:00 EUR レーンECB専務理事兼主席エコノミスト発言

19:00 EUR ユーロ圏HICP(消費者物価指数)(改定値)

22:30 USD 米建築許可件数

 

 

12月19日(木曜日)

 

00:30 USD 原油在庫量

04:00 USD FOMC・政策金利・声明文・ドットチャート

04:30 USD パウエルFRB議長発言(記者会見)

06:45 NZD NZ四半期GDP

12時前後 JPY 日銀金融政策決定会合・政策金利・声明文

15:30 JPY 植田日銀総裁発言(記者会見)

21:00 GBP 英中銀政策金利・声明文・MPC投票配分

22:30 USD 米失業保険申請件数、GDP、フィラデルフィア連銀製造業景況指数

 

 

12月20日(金曜日)

 

00:00 USD 米中古住宅販売戸数

08:30 JPY 日本CPI(消費者物価指数)

16:00 GBP 英小売売上高

22:30 USD PCEデフレーター

22:30 USD カナダ小売売上高

 

 

12月21日(土曜日)

 

00:00 EUR ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)

00:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数(改定値)・期待インフレ率

03:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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