2023年4月10日
日銀新体制と米CPI(消費者物価指数)に注目! 「4月10日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週は米国でISM製造業景況指数・ISM非製造業景況指数・JOLT求人件数・ADP雇用統計が市場予想を下回る結果となりました。
結果を受けて市場では5月FOMCでの据え置きを考え、利上げと据え置きの確立が五分五分でした。
週末イースター休暇中に発表されたNFP雇用統計は雇用者数はほぼ市場予想通り、失業率は少し改善、平均時給は市場予想をやや下回り前回よりも鈍化しています。
この結果に景気が鈍化しているものの許容範囲内、その上で賃金インフレは低下してきていると受け止められ、あと一回の利上げを織り込む展開となり、金利は上昇しドル買いが進みました。
今週はイースター休暇明けの欧米市場が雇用統計の結果をどのように受け止めるのか、日銀新体制についてどのように受け止めるのか、CPI(消費者物価指数)の結果で利上げ確率がかわるのか注目です。
目次
◎今週の注目点
1)金融政策
日銀
9日(日曜日)に植田氏が日銀の新総裁に就任し、新体制の日銀の金融政策に注目が集まっています。
植田日銀総裁は緩和政策の継続を発言していましたが、春闘の内容などを見ると賃金が上昇してきており政策変更があるのではないかと噂されています。
特にYCC(イールドカーブ・コントロール)の修正や撤廃は早期に実施されるのではないかと注目されています。
政策変更、YCC(イールドカーブ・コントロール)の修正や撤廃について、植田日銀総裁の発言に注目です。
カナダ中銀
注目度:やや高い
織り込み度:据え置きを織り込み済み
バイアス:カナダドル安
ポイント:経済見通しと年内利下げ観測
カナダ中銀は前回の金融政策発表で据え置きを発表し、利上げサイクルを終了しています。
「データ次第では利上げ再開の可能性」
先日OPECプラスがサプライズ発表した減産の結果、原油価格が上昇しておりカナダ経済にとってはプラスとなっていますが、ハイペースの利上げによる景気後退や金融不安による景気後退など、カナダ経済の後退が懸念されており、中銀がどのような見通しになっているのか、年内に利下げの可能性があるのか注目されています。
経済見通しと年内利下げに関してどのように触れられるのか、声明文に注目です。
FOMC議事要旨
3月のFOMC直前(ブラックアウト期間中)にSVBの破綻に始まった金融不安が広がりました。
金融不安が完全に落ち着いていない状況でのFOMCとなり、その上で0.25%利上げを実施しました。
金融不安前にはターミナルレート(利上げの最終水準)が6%に届きそうな勢いでしたが、金融不安を受けてターミナルレート(利上げの最終水準)は5.1%に据え置かれました。
パウエルFRB議長は記者会見で、銀行の規制強化が引き締め効果があるためFRBのターミナルレート(利上げの最終水準)を据え置いたと発言しています。
銀行の規制強化をどのくらい見通していたのか、どのくらいの引き締め効果を考慮していたのか注目です。
だいぶ金融不安が落ち着いてきている現状と、議事要旨の内容で予測されていた銀行規制強化と乖離があれば金利やドルが動くのではないかと注目しています。
2)経済指標
米CPI(消費者物価指数)
先週のISM製造業景況指数・ISM非製造業景況指数やADP雇用統計、NFP雇用統計から景気の後退が見えてきています。
今回のCPI(消費者物価指数)が市場予想通り、もしくは市場予想を下回りインフレ鈍化が確認されれば、FRBの利上げ見通しや年内利下げ見通しに大きく影響するのではないかと注目しています。
インフレ鈍化が確認されればドル売りが加速するのではないかと注目しています。
豪雇用統計
利上げの効果を確認するためとして、RBAは利上げサイクルを停止しています。
利上げにより景気後退、雇用が悪化していた場合はこのまま利上げ終了となり豪ドル売りが進むのではないかと注目しています。
特に注目しておきたいのが、労働参加率に注目です。
労働参加率が低下しているうえに、失業率が悪化していた場合は大きく豪ドルが売られるのではないかと思います。
米PPI(生産者物価指数)
インフレが今後も鈍化していくのかPPI(生産者物価指数)に注目しています。
PPI(生産者物価指数)が市場予想を下回り、前回値よりも低下していた場合は、仕入れ価格が低下して商品価格の低下に繋がり、物価低下に繋がるのではないかと注目しています。
米小売売上高
米国ではFRBによるハイペースの利上げに加えて金融不安による影響によって消費が低下しているのではないかと注目しています。
小売が低下していた場合は消費大国である米国の消費が低下、景気後退に繋がるのではないかと注目しています。
小売が大幅に低下していた場合は、年内利下げの可能性を織り込む展開に繋がるのではないかと思っています。
ミシガン大学消費者信頼感指数・期待インフレ率
ハイペースの利上げと金融不安による景況感がどこまで悪化しているのか、ミシガン大学消費者信頼感指数に注目です。
今回は速報値なので市場予想と結果が乖離する可能性があるので注目です。
指数が市場予想を下回った場合は景気後退が意識され利下げの可能性が浮上するのではないかと思います。
また、期待インフレ率が下方修正された場合も同様に利下げの可能性が浮上するのではないかと注目しています。
3)要人発言
FRB
先週のISM製造業景況指数・ISM非製造業景況指数、雇用統計の結果を受けて5月FOMCの利上げ確率が7割を超えています。
今週はCPI(消費者物価指数)が発表されるため、CPI(消費者物価指数)の結果を受けて利上げ確率がどのように変化するのか、CPI(消費者物価指数)の結果をどのように考えているのか発言内容に注目です。
また、金融不安による銀行規制と規制による引き締め効果についてどのように考えているのか要人発言に注目です。
ECB
欧州の物価指標は高止まりしている状況です。
ターミナルレート(利上げの最終水準)がどの水準になるのか、発言に注目です。
また、ドイツ銀行や南欧の銀行はもともと問題を抱えていたので、金融不安が根強く残っていないかにも注意しておきたいと思います。
BOE
英国の物価は高いまま10%台を維持しています。
5月以降の追加利上げがあるのか、ターミナルレート(利上げの最終水準)がどの水準になるのか発言に注目です。
また、英国がTPP(環太平洋経済連携協定)に参加することが決まり、景気や経済や金融政策に影響するのかにも注目です。
◎今週のイベントスケジュール
4月9日(日曜日)
統一地方選
植田和男氏の日銀総裁就任
4月10日(月曜日)
ニュージーランド、オーストラリア、香港、ドイツ、スイス、フ
国際通貨基金(IMF)・世界銀行春季会合(ワシントン、16
19:15 JPY 植田和男日銀総裁、就任記者会見
4月11日(火曜日)
IMF、世界経済見通し公表
05:15 USD ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁発言
09:30 AUD 豪Westpac消費者信頼感指数
10:30 CNY 中国CPI(消費者物価指数)
4月12日(水曜日)
20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(ワシント
02:00 USD 米3年債入札
02:30 USD クールズビー・シカゴ連銀総裁発言
05:00 USD ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁発言
08:30 USD カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁発言
13:45 AUD ブロックRBA総裁補佐発言
21:30 USD 米CPI(消費者物価指数)
22:00 GBP ベイリーBOE総裁発言
23:00 CAD カナダ中銀(BOC)政策金利発表
23:30 USD 原油在庫量
4月13日(木曜日)
00:00 CAD マックレムBOC総裁発言
02:00 USD 米10年債入札
03:00 USD FOMC議事要旨(3月22日分)・米経常収支
03:15 EUR ビルロワ・フランス中銀総裁発言
04:15 GBP ベイリーBOE総裁発言
10:30 AUD 豪雇用統計・失業率・労働参加率
15:00 GBP 英GDP
15:00 EUR ドイツHICP(消費者物価指数)
21:30 USD 米PPI(生産者物価指数)・失業保険申請件数
22:00 GBP ピルBOE主席エコノミスト発言
22:00 CAD マックレムBOC総裁発言
4月14日(金曜日)
02:00 USD 米30年債入札
15:45 EUR フランスHICP(消費者物価指数)(改定値)
21:30 USD 米小売売上高
21:45 USD ウォラーFRB理事発言
23:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)・期待インフレ率
4月15日(土曜日)
00:30 GBP テンレイロBOE外部理事発言
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント