2019年5月29日
本日もリスクオフの流れを継続! ~5月29日の注目点とイベントスケジュール~
記事を書いた人:岡ちゃんマン
昨日は、欧州時間にイタリアの財政赤字が問題となり、ユーロが下落。 リスクオフが強くなり、円が買われました。 連休明けのNYマーケットは、最初は堅調だったものの、後半は失速して大幅下落となってしまいました。
リスクオフの流れは、まだまだ続きそうで、この流れは東京市場に持ち込まれそうです。
目次
◎本日の注目点
1)リスクオフ要因
マーケットの中心が、リスクオフかどうかで動くことが多くなっています。 また、リスクオフ要因が多数あります。
・イタリア予算
イタリアの財政赤字、予算案を巡りEUが制裁金を検討との報道。 イタリアは、制裁金に対して反発。 欧州で対立が悪化することを懸念して長期金利が下落。 独伊イールドスプレッドが拡大。
・EU要人の後任人事
昨日から、臨時EUサミットが開催され、今年秋に任期終了になる欧州委員長の後任人事について検討されている。 通例であれば最大会派から選出なのですが、この通例を巡ってメルケル首相とマクロン大統領が対立している。 通例に倣って、ドイツ(メルケル首相)は欧州委員長の席を狙っているが、マクロン大統領は反対している。 欧州委員長の席を逃した場合は、ECB総裁の席がドイツ(ヴァイトマンドイツ連銀総裁)になるのではないかと予想されている。
・トルコ
トルコは、トルコリラ安を食い止めるため、色々な措置をとっている。 昨日は、預金準備率の引き上げを行っている。 ただ、このような措置もいづれは終わりにくると思われ、リラ安が進むのは時間の問題ではないかと思われる。 リラ安がサポートラインを割り込んだ時には、再度のトルコショックが起こるのではないかと懸念されている。
・米中関係
6月1日からは、先日決まった中国の対米報復関税が発動する。 また、中国はレアアースの出荷停止を検討していると噂されるなど、米中関係は悪化している。 米国の次の一手がどのような手段に出てくるのか!? どのタイミングで出てくるか注目されている。
・イラン制裁
日米首脳会談後の記者会見で、トランプ大統領がイランとの話し合いを発言したところ、イラン側から話し合い拒否の発言。 米国とイランの関係も修復の兆しは見られない。 この対立は、サウジやイスラエルなど、中東を巻き込んでいます。 先日のサウジのタンカーや石油施設、米大使館付近への攻撃など一触即発の状況です。
・北朝鮮
今月初めにミサイルを発射して沈黙しています。 北朝鮮は、流動性の低い時間や、マーケットが混乱している時、クローズしているときを狙ってミサイルを打ってくる傾向があるので、ミサイル発射に注意したい。
・英国議会、次期首相候補
保守党内で、メイ首相の後任人事を巡り、党首選に立候補する人が出てきています。 それぞれの離脱案に注目が集まります。 また、保守党内で次期首相を選出するのではなく、解散総選挙を望む声も聞こえてきています。 英国の政権・議会の混乱が懸念されています。
地政学リスクで、注目されているものだけでもこれだけあります。 どれか一つでも悪化すれば、すぐにリスクオフ相場突入となります。 何事も起こらず、少しづつ織り込まれてくれば、リスクオフ相場も落ち着いてくると思われます。 本日もリスク要因に注目です。
◎本日のイベントスケジュール
5月29日(水曜日)
08:00 NZD オアRBNZ総裁発言
09:00 JPY 黒田日銀総裁発言
10:00 NZD オアRBNZ総裁発言
15:45 EUR フランスGDP・CPI(消費者物価指数)
16:00 EUR ヴァイトマン・ドイツ中銀総裁発言
16:30 SEK スウェーデンGDP
16:55 EUR ドイツ失業率
17:00 EUR レーン・フィンランド中銀総裁
23:00 BOC カナダ政策金利発表・声明文発表
23:00 USD リッチモンド連銀製造業景気指数
5月30日(木曜日)
02:00 USD 7年債入札
07:45 NZD NZ建設許可件数
10:30 AUD 豪建設許可件数
10:30 JPY 桜井日銀審議委員発言