2022年1月16日
米ドル・米金利に加え、日銀の動きにも注目! 「1月17日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週はパウエルFRB議長やブレイナードFRB理事の公聴会が注目されていましたが、内容はタカ派的でした。
特にハト派のブレイナードFRB理事からタカ派発言が出てきたことは、かなりのタカ要因でしたが、マーケットの反応は金利低下・ドル安でした。
事前に織り込みが進み、いき過ぎていた金利上昇・ドル高を調整するように金利低下・ドル安に動いたようでした。
また、週末には日銀の緩和政策方針転換の観測報道から一気に円高が進み、株価下落に繋がりました。
今週は先週に引き続き米ドル・米金利が注目される展開だと思われますが、さらに日銀や円が注目される展開も考えています。
目次
◎今週の注目点
1)米ドル・米金利
先週はパウエルFRB議長の公聴会やブレイナードFRB理事の公聴会でタカ派な発言が出てきましたが、内容が想定内だったことから行き過ぎたドル高・米金利高の調整下落に入りました。
週末金曜日はドル買い・金利上昇していますが、今週の米ドル・米金利が先週からの流れを引き継ぎ下落するのか上昇するのか注目しています。
米ドル・米金利が動きそうな要因としては以下に注目しています。
大型歳出法案
昨年末にマンチン上院議員が反対したことで大型歳出法案の採決が先送りとなっています。
大型歳出法案の内容変更や採決が進むのかによって米金利が動くのではないかと注目しています。
20年債入札
20年債入札が堅調であれば金利は低下、低調な結果となれば金利は上昇します。
リスク要因
リスクオフが進むかによってドル買いや金利が動くと思われます。
リスク要因に関しては以下を参照ください。
2)円高
先週末、日銀が緩和政策を終了し方針転換するのではないかとの観測報道が出て来たことで、円高・株安が進みました。
主要中銀で、日銀は最後まで緩和政策を続けると思われていたことから、円ショートが大きく溜まっています。
円高が進み始めた場合は、溜まっている円ショートを踏み台にイッキに円高が進む可能性があるので注意しておきたいと思います。
円高が進み要因としては以下に注目しています。
日銀金融政策決定会合
今週は日銀の制作発表が予定されており、同時に経済見通しも発表されます。
経済見通しが上方修正されれば、緩和政策の終了観測につながり、円高が進む可能性があります。
また、金融政策ではYCC(イールドカーブ・コントロール)のターゲット変更や終了などが発表されれば、緩和政策の終了と受け止められる可能性があります。
その他にも、物価上昇2%の目標を撤廃するなど、方針が変わる可能性があるので、今週の日銀金融政策決定会合と黒田日銀総裁の記者会見には要注目です。
円安牽制
以前、円安が進みドル円が125円になった時、黒田日銀総裁は円安について牽制しました。
現在、ドル安が進んでいる為にドル円は114円前後ですが、円単体の水準(実効レート)では以前円安牽制が出てきた水準と変わらないところに来ています。
円安が進みすぎることを牽制する発言が出てくると円高が進む可能性があるので要注意です。
また、牽制発言が出てこないでも、進み過ぎている円安を止めるために、金融政策の変更が考えられているのかもしれません。
リスク要因
リスクオフが進んだ場合は円高が進む可能性があります。
リスク要因に関しては以下を参照してください。
3)ポンド
ポンドは2月の追加利上げをほぼ織り込んでいます。
追加利上げの可能性からポンドが上昇するのか注目しています。
今週は金融政策に大きく影響する雇用統計、CPI(消費者物価指数)が発表されます。
雇用統計では平均賃金がどこまで上昇しているのかに注目しています。
平均賃金が上昇していれば人件費高騰に繋がって、結果的に物価上昇に繋がってしまいます。
物価上昇が進んでいれば利上げに繋がるのではないかと考えて、雇用統計に加えてCPI(消費者物価指数)に注目です。
また、要人発言にも注目です。
利上げについて発言が出てくるようであればポンド買いに繋がるのではないかと注目しています。
リスク要因としてジョンソン政権の崩壊やEUとの離脱協定があります。
リスクが意識されるようになってくるとポンド売りが進む可能性が高いので注意しておきたいと思います。
4)ユーロ
今週はECB理事会議事要旨が発表されます。
PEPP(パンデミック緊急購入プログラム)の終了や、APP(資産購入プログラム)についてどのような内容が出てくるか注目です。
早期の引き締めに繋がるような内容、APP(資産購入プログラム)の早期減額に繋がる内容が出てこないか注目です。
また、ユーロはリスク要因を多く抱えています。
リスク要因が進むようであればユーロ売りが進み、リスク要因が後退するようであればユーロが買われるのではないかと考えています。
ユーロを巡るリスク要因としては英国との離脱協定の他に、ウクライナ情勢・トルコリラ・コロナ感染などが挙げられます。
リスク要因に関しては以下を参照してください。
5)豪ドル
今週発表される雇用統計でどこまで雇用状況が改善しているのか注目しています。
注目しているのは失業率の低下だけでなく、労働参加率がどこまで改善しているのかにも注目しています。
失業率が低下しても、労働参加率が低いままだと、求職者がいないから失業率が低下したと受け止められ、経済回復とは見られません。
労働参加率が上昇した上で、失業率が改善していれば、金融政策の正常化に繋がるのではないかと注目しています。
また、週末に起きたトンガ周辺の噴火による影響がどこまで出ているか注目しています。
津波や噴煙などが影響しているようであれば、週明けに一旦豪ドル売りが出てくる可能性があるので注意しておきたいと思います。
6)加ドル
カナダは米国の利上げの前に利上げするのか注目が集まっています。
今月発表された雇用統計は堅調な結果、原油価格も上昇しており、利上げするための状況は整ってきているのではないかと思います。
今週発表されるCPI(消費者物価指数)が予想以上の上昇を見せれば、物価を抑える為に利上げ期待が高まるのではないかと注目しています。
7)リスク要因
ウクライナ情勢
先週はNATOや米国とロシアの協議は平行線で解決策が見つからない状況です。
ロシアはウクライナとの国境付近で軍事演習を行ったとの報道もあり、ロシアは強硬姿勢をとっています。
欧州では電力不足が問題となっており、天然ガスが足りない状況です。
欧州の天然ガスを供給しているロシアは、その状況を分かっているので強硬姿勢に出ているようです。
先週の欧州天然ガス価格は大きく上昇しているようです。
今週もウクライナ情勢に関するヘッドラインに注目しておきたいと思います。
トルコリラ
トルコは今週金融政策発表を控えており、今のところは据え置きが予想されています。
トルコリラは安値圏で推移しており、通貨安から物価高が続いています。
先日発表された物価はインフレが大きく進んでいることから、本来であれば利上げが必要な状況ですが、エルドアン大統領は利下げすることで物価は落ち着くと言っています。
まさかの追加利下げが出てくるようであれば、トルコリラはクラッシュする可能性があるので注意しておきたいと思います。
◎今週のイベントスケジュール
1月17日(月曜日)
米国市場休場(キング牧師誕生日)
ユーロ圏財務相会合
世界経済フォーラムオンライン会議(ダボス会議延期に伴う代替イベント)
11:00 CNY 中国GDP
1月18日(火曜日)
EU財務相理事会
世界経済フォーラムオンライン会議(ダボス会議延期に伴う代替イベント)
12時前後 JPY 日銀金融政策決定会合・声明文発表
15:30 JPY 黒田日銀総裁記者会見
16:00 GBP 英雇用統計・失業率・平均賃金
19:00 EUR ドイツZEW景況感指数
19:00 EUR ユーロ圏ZEW景況感指数
22:30 USD ニューヨーク連銀製造業景況指数
1月19日(水曜日)
世界経済フォーラムオンライン会議(ダボス会議延期に伴う代替イベント)
02:00 EUR ビルロワ・フランス中銀総裁発言
08:30 AUD 豪Westpac消費者信頼感指数
16:00 GBP 英CPI(消費者物価指数)
16:00 EUR ドイツHICP(消費者物価指数)
22:30 USD 米建築許可件数
22:30 CAD カナダCPI(消費者物価指数)
23:15 GBP ベイリーBOE総裁発言
1月20日(木曜日)
世界経済フォーラムオンライン会議(ダボス会議延期に伴う代替イベント)
03:00 USD 米20年債入札
09:30 AUD 豪雇用統計・失業率
19:00 EUR ユーロ圏HICP(消費者物価指数)
20:00 TRY トルコ政策金利発表
21:30 EUR ECB理事会議事要旨(12月16日分)
22:30 USD フィラデルフィア連銀製造業景況指数・失業保険申請件数
1月21日(金曜日)
世界経済フォーラムオンライン会議(ダボス会議延期に伴う代替イベント)
01:00 USD 原油在庫量
08:30 JPY 日本CPI(消費者物価指数)
08:50 JPY 日銀金融政策決定会合議事要旨(12月17日分)
16:00 GBP 英小売売上高
22:00 GBP マンBOE外部理事発言
22:30 CAD カナダ小売売上高
1月22日(土曜日)
00:00 EUR ユーロ圏消費者信頼感指数
03:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント
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