2024年12月2日
米国指標ラッシュに注目の1週間! 「12月2日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週は米国の感謝祭、感謝祭翌日でマーケット参加者が少ない中、東京都区部CPI(消費者物価指数)が市場予想を上回ったことによる円買いが進み、ドル円は下落し3時過ぎに一時149.47円と10月21日以来の安値を付けました。
今週は各国年内最後の金融政策発表を来週・再来週に控えて発言内容に注目が集まっています。
特に米国は月初めの週で雇用指標を中心に、ISMやミシガン大学消費者信頼感指数など重要指標が多数予定されており、指標結果と併せて発言内容に注目が集まっています。
米国は利下げと据え置きが拮抗しており、来週からブラックアウト期間に突入するため、今週の発言に特に注目が集まっています。
目次
◎今週の注目点
1)経済指標
ISM製造業景況指数
米国は景気後退せずに強い経済が続くノーランディングの可能性が噂されています。
今後の景況感を確認するISM製造業景況指数の結果が強ければ、ノーランディングの可能性が高まり金利が上昇しドル買いが進むのではないかと思います。
スイスCPI(消費者物価指数)
スイスの物価指標であるCPI(消費者物価指数)に注目です。
CPI(消費者物価指数)の結果が市場予想を下回る結果となれば追加利下げ期待に繋がるとフラン売りが進む可能性があるので要注目です。
JOLTS求人件数
JOLTS求人件数は雇用指標ラッシュの先鋒として注目されており、FRBが雇用し事情に注目している状況で注目度の高い指標となっています。
JOLTS求人件数の結果が予想以上となれば週末の雇用統計の期待も高まり、ドル買いに繋がるのではないかと思います。
12月FOMCの利下げ予想が据え置きと分かれており、FRBが雇用市場に注目しているためJOLTS求人件数の結果で大きく動く可能性があるので注意しておきたいと思います。
豪四半期GDP
豪州は、未だ利下げを実施していない、主要中銀の中で唯一のタカ派の中銀です。
経済状況を確認するGDPの結果が悪化していた場合は、来年早期の利下げ期待に繋がるのではないかと思います。
逆に強い結果となれば、利下げ期待は後退し豪ドルは底堅く推移するのではないかと思います。
ADP雇用統計
週末の雇用統計の前哨戦としてADP雇用統計に注目。
FRBは雇用市場の悪化に注目しており、12月の利下げ・据え置きの予想が分かれていることから、雇用指標の注目度は高くなっています。
指標結果を受けて利下げ・据え置き、どちらを織り込むのか注目です。
ISM非製造業景況指数
米国は消費大国でサービス業が重要視されます。
サービス業の景況感を確認するためISM非製造業景況指数の結果に注目しています。
「50」を好不況の分岐点として、上回れば景気改善期待が高く、下回れば景気後退が懸念される状況となります。
ISM非製造業景況指数が市場予想、前回値よりも上回る数字が出てくれば利下げ期待が後退し、ドル買いが進むのではないかと注目しています。
11月末の時点で利下げ確率が6割となっており、12月18日のFOMCまでにどの程度利下げを織り込むのか、据え置きを織り込むのか、指標結果に注目です。
米失業保険申請件数
失業保険申請件数は毎週発表されるため、雇用統計・失業率の先行指標として注目されています。
失業保険申請件数が減少(強い結果)となった場合も利下げ期待が後退し、12月FOMCの据え置き予想が優勢になるのではないかと注目しています。
11月末時点で利下げ期待が6割程度なので、指標結果を受けて利下げ・据え置きのどちらを織り込むのか注目です。
NFP雇用統計・失業率・平均時給
今週最大の注目指標NFP雇用統計です。
最も注目するのは失業率で、失業率がどこまで悪化しているのか、それとも横ばいで推移するのか注目しています。
次に雇用者数で、雇用者数の乖離が4~5万人以上出るのかに注目です。
失業率・雇用者数ともに強い結果となれば利下げ期待の後退に繋がります。
12月FOMCを控えて、予想が分かれていることから、今回の雇用統計が大きな判断材料となるのではないかと注目度が高まると思っています。
カナダ雇用統計・失業率
カナダ中銀は利下げを進めており、雇用市場の悪化が確認されれば追加利下げ期待が進むのではないかと思われます。
利下げ期待が進めばカナダドル売りが進むのではないかと注目しています。
ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)・期待インフレ率
米国は強い経済のまま進むのではないか、ソフトランディングではなくノーランディングになるのではないかと注目されています。
今後の景況感を確認するため、ミシガン大学消費者信頼感指数の結果が市場予想・前回値と比べて上回るのかどうかに注目です。
また、同時に発表される期待インフレ率に注目です。
強い経済などから期待インフレ率が上方修正されているのではないか、上方修正されれば利下げ期待が後退しドル買いが進むのではないかと思います。
2)要人発言
FRB
FRBは12月FOMCの追加利下げについてはデータ次第とし、パウエルFRB議長は講演で「利下げを急ぐ必要はない」
11月末の時点でシカゴ・マーカンタイル取
今週は雇用指標を中心に、ISM製造業景況指数・ISM非製造業景況指数やミシガン大学消費者信頼感指数など重要指標が多数予定されています。
指標結果を受けてどのような発言が出てくるのか、発言内容がどのように変化するのか、指標結果と発言を受けてマーケットが利下げ・据え置きどちらを織り込んでいくのか注目です。
また、来週から12月FOMCを控えてブラックアウト期間に突入するため、金融政策のヒントとしての発言は今週までなので発言内容には要注目です。
ECB
ECBは10月理事会で2会合連続で利下げを決定しました。
今後についてはデータ次第との姿勢も維持していますが、マーケットは12月の理事会での追加利下げをほぼ織り込んでいます。
12月理事会では0.5%の大幅利下げの可能性が高まっており、一部では0.75%の利下げもありうるのではないかと噂が出始めています。
また、欧州ではドイツ政権の崩壊から政治的混や、トランプ次期大統領による関税の影響など、欧州経済に大きく影響するリスク要因が多数注目されています。
ドイツ経済はじめ、欧州経済にどこまで影響があるのか、大幅利下げになるのか発言内容に注目です。
BOE
英中銀は11月会合で市場予想通り8対1で利下げが決定されました。
同時に発表されたインフレーションレポートでは物価見通しが上方修正され、12月の利下げ期待は後退しており据え置き予想が優勢なっています。
発言から利下げ期待が進むのか、据え置きが織り込まれるのか注目です。
RBA
RBAは主要中銀の中で唯一タカ派の中銀です。
他国と同調して利下げを進める必要はないとの姿勢を示しており、利下げ時期はもう少し先なのではないかと思います。
トランプ政権2.0の主要ポストが発表される中、対中強硬姿勢派のメンバーが発表されることで中国経済に影響を与えるのではないかと中国売りが進んでいます。
中国とつながりの深い豪州経済も影響を受けるのではないかと思われます。
トランプ政権2.0に関する発言なども出てこないか注目です。
RBNZ
年内最後のRBNZ理事会では市場予想通り0.5%の利下げを決定し、オアRBNZ総裁は会合後の会見で「フォワード予測
来年に向けて利下げペースや利下げ幅について発言が出てこないか注目です。
BOC
カナダはトランプ政権2.0により米国との貿易条件の変更、米・メキシコ・カナダ協定(US
さらにトランプ次期大統領は追加関税について言及しており、関税によるカナダ経済の影響について発言が出てこないか注目しています。
日銀
日銀は追加利上げに注目が集まっています。
先週の東京都区部CPI(消費者物価指数)の結果が市場予想を上回り、強い結果となったことから追加利上げの期待が高まり、円買いが進んでいます。
12月日銀金融政策決定会合に向けて、利上げが実施されるのか発言内容に注目です。
3)リスク要因
ウクライナ情勢
ウクライナはロシアに向けて米英の長距離ミサイル「AT
米国(バイデン政権)や英国は北朝鮮軍がロシアに加勢し、ウクライナへ侵攻していることから長距離ミサイルの使用を承認した模様。
ロシアはウクライナが米国や英国(西側諸国)の提供した長射程ミサイルを使用することは核を保有する米国や英国がロシアとの戦争に直接参加したものとみなすと牽制し、9月に発表した方針に基づいて核兵器の使用条件を示し
このことで核兵器の使用するリスクが高まったとリスク回避の動きとなりましたが、その後ラブロフ露外相
ただ、ロシアは核弾頭を搭載できる大陸間弾道ミサイル(
段々とウクライナ・ロシア双方の攻撃が激化してきており、少しの手違い(米国軍や米国領事館などへの攻撃)があった場合には全面戦争、第三次世界大戦に繋がるリスクがあるのではないかと注目しています。
ヘッドラインで大きく動く可能性があるので注意しておきたい、特に週末は感謝祭でマーケットの流動性が低下するのでヘッドラインで大きく値が動く可能性があるので注意しておきたいと思います。
トランプ次期大統領の言動
トランプ政権2.0の人事でマーケットは上下に動いています。
人事発表の内容に注目ですが、発言にも注意しておきたいと思います。
選挙の公約ではメキシコやカナダ、中国に対して高関税をかけると宣言しており、関税に関して発言が出てきた場合はマーケットが反応する可能性があります。
関税は大統領宣言ですぐに決定できるため、大統領への就任が決定した今、トランプ次期大統領が発言した内容は来年1月に就任した直後に大統領令を発令する可能性があります。
そのためトランプ次期大統領の言動に注目が集まっており、注目されているだけにマーケットも反応するため注意しておきたいと思います。
◎今週のイベントスケジュール
12月2日(月曜日)
17:50 EUR フランス製造業PMI(改定値)
17:55 EUR ドイツ製造業PMI(改定値)
18:00 EUR ユーロ圏製造業PMI(改定値)
18:30 GBP 英製造業PMI(改定値)
19:00 EUR ラガルドECB総裁発言
23:45 USD 米製造業PMI(改定値)
12月3日(火曜日)
00:00 USD ISM製造業景況指数
05:15 USD ウォラーFRB理事発言
06:30 USD ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁発言
16:30 CHF スイスCPI(消費者物価指数)
12月4日(水曜日)
00:00 USD JOLTS求人件数
02:35 USD クーグラーFRB理事発言
05:45 USD グールズビー・シカゴ連銀総裁発言
09:30 AUD 豪四半期GDP
17:50 EUR フランス総合・サービス業PMI(改定値)
17:55 EUR ドイツ総合・サービス業PMI(改定値)
18:00 EUR ユーロ圏総合・サービス業PMI(改定値)
18:00 GBP ベイリーBOE総裁発言
18:30 GBP 英総合・サービス業PMI(改定値)
22:15 USD ADP雇用統計
22:30 EUR ラガルドECB総裁発言
22:45 USD ムサレム・セントルイス連銀総裁発言
23:45 USD 米総合・サービス業PMI(改定値)
12月5日(木曜日)
00:00 USD ISM非製造業景況指数
00:30 USD 原油在庫量
00:30 EUR ラガルドECB総裁発言
02:10 EUR ナーゲル・ドイツ連銀総裁発言
03:45 USD パウエルFRB議長発言
04:00 USD ベージュブック(地区連銀経済報告)
10:30 JPY 中村日銀審議員発言
15:45 CHF スイス失業率
22:20 USD 米失業保険申請件数、貿易収支
22:30 CAD カナダ貿易収支
12月6日(金曜日)
00:00 CAD カナダIveyPMI
01:30 USD バーキン・リッチモンド連銀総裁発言
02:00 GBP グリーンBOE外部理事発言
19:00 EUR ユーロ圏GDP、雇用統計
22:30 USD NFP雇用統計・失業率・平均時給
22:30 CAD カナダ雇用統計・失業率
23:15 USD ボウマンFRB理事発言
12月7日(土曜日)
00:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)・期待インフレ率
03:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント
03:00 USD デイリー・サンフランシスコ連銀総裁発言