2024年11月21日
米失業保険申請件数、フィラデルフィア連銀製造業景況指数に注目! 「11月21日の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
昨日は英国で10月英消費者物価指数(CPI)や同コア指数が発表され、市場予想を上回る結果となったことでポンドは買いで反応しました。
クロス円は一昨日のリスク回避の動きが後退してことで円売りが進んでいましたが、NY市場で「ウク
本日も米国の失業保険申請件数やフィラデルフィア連銀製造業景況指数など経済指標が予定されていますが、指標時以外はリスク要因に注意してリスク回避の動きが進むのか、後退するのかに注目しておきたいと思います。
目次
◎本日の注目点
1)経済指標
米失業保険申請件数、フィラデルフィア連銀製造業景況指数
失業保険申請件数はFRBが注目する雇用指標の先行指標として注目されています。
失業保険申請件数の結果が減少して強い結果となれば、雇用統計の失業率改善に繋がるのではないかとの観測からドル買いが進むと考えられます。
また、同時に発表されるフィラデルフィア連銀製造業景況指数が予想を上回る結果となれば、製造業に関する景気見通しが良いと判断され利下げ期待が後退するのではないかと思います。
利下げ期待が後退すればドル買いが進むのではないかと注目しています。
日本CPI(消費者物価指数)
日銀は追加利上げをするのか注目されています。
物価目標である2%を達成するのであれば追加利上げの可能性が高まります。
CPI(消費者物価指数)の結果が2%を上回っているのか、市場予想を上回っているのか、前回値を上回っているのか注目です。
2)リスク要因
円買い介入
トランプ次期大統領の政策により米国のインフレが進むのではないかとの観測から米金利が上昇、パウエルFRB議長の発言からも利下げに慎重な姿勢が示されるなど米金利上昇とドル買いが進む展開が続いています。
このことでドル円は156円を超えて、再度160円をうかがう可能性が出てきています。
大統領選挙以降で5円以上上昇しており、上昇スピードも速いのではないかと考えられます。
このまま上昇を続けるようであれば口先介入だけでなく、実弾介入の可能性も出てくるのではないかと注目しています。
口先介入のレベル感と併せて注意しておきたいと思います。
中東情勢・ウクライナ情勢
米国大統領選挙でトランプ次期大統領が確定したことで中東情勢やウクライナ情勢が動き始めています。
バイデン大統領がウクライナに対し長射程ミサイルAT
対してロシアは9月に発表した方針に基づいて核兵器の使用条件を示し
このことでロシアは戦略核兵器を使用し反撃に出るのではないかと地政学リスクが高まり、X(旧ツイッター)では第三次世界大戦がトレンド入りするなどリスク回避の動きが進みました。
その後ラブロフ露外相
翌日にはウク
ロシアには北朝鮮軍が加盟し、再度第三次世界大戦へ発展するのではないかとリスク回避の動きが高まっています。
任期が少なくなってきているバイデン大統領と好戦的になっているウクライナ、援護する英国やNATOの動きにも注意しておきたいと思います。
中東情勢でもイスラエルとハマスの対立が続いており、対立が激化しないか注意しておきたいと思います。
3)要人発言
FRB
FRBは11月FOMCで市場予想通り0.25%利下げを決定しました。
ただ、12月FOMCの追加利下げについてはデータ次第とし、追加利下げをしない可能性も残しました。
声明文では「インフレ率が持続的に2%
直近のパウエルFRB議長の発言からもタカ派な内容が聞かれ、据え置きの可能性が出てきています。
CMEのFedWatchによると12月FOMCの据え置き確率が40%を超えており、要人発言などから据え置き・利下げのどちらに織り込んでいくのか注目です。
ECB
ECBは10月理事会で2会合連続で利下げを決定しました。
今後についてはデータ次第との姿勢も維持していますが、マーケットは12月の理事会での追加利下げをほぼ織り込んでいます。
12月理事会では0.5%の大幅利下げの可能性が高まっており、一部では0.75%の利下げもありうるのではないかと噂が出始めています。
また、欧州ではドイツ政権の崩壊から政治的混乱が懸念されています。
ドイツ経済の停滞が欧州経済にどこまで影響があるのか、大幅利下げになるのか発言内容に注目です。
BOE
英中銀は11月会合で市場予想通り8対1で利下げが決定されました。
同時に発表されたインフレーションレポートでは物価見通しが上方修正され、12月の利下げ期待は後退しています。
金利見通しでは「2024年第4四半期に4.8%、2025年第4四半期に3.7%、2026年第4四半期に3.7%、2027年第4四半期に3.6%」と予想されています。
この金利見通しを基準にどのような発言が出てくるのか注目したいと思います。
また、今週はCPI(消費者物価指数)の発表が予定されており、結果を受けての発言にも注目しておきたいと思います。
RBA
RBAは主要中銀の中で唯一タカ派の中銀です。
他国と同調して利下げを進める必要はないとの姿勢を示しており、利下げ時期はもう少し先なのではないかと思います。
トランプ政権2.0の主要ポストが発表される中、対中強硬姿勢派のメンバーが発表されることで中国経済に影響を与えるのではないかと中国売りが進んでいます。
中国とつながりの深い豪州経済も影響を受けるのではないかと思われます。
トランプ政権2.0に関する発言なども出てこないか注目です。
RBNZ
RBNZの年内理事会は11月が最後となり、次は来年2月まで理事会がありません。
そのため11月理事会でも予防的に大幅利下げを進める可能性があるのではないかと予想されています。
現在マーケットは0.5%の大幅利下げをかなり織り込んでいますが、0.75%の利下げもあるのではないかと一部予想が出始めています。
大幅利下げについて発言が出てこないか、発言内容に注目です。
BOC
カナダは連続利下げを決定し、先日の会合で0.5%の大幅利下げを決定しました。
12月会合の追加利下げの可能性が高いのではないかと予想されています。
また、トランプ政権2.0によりカナダと米国の貿易条件の変更、米・メキシコ・カナダ協定(US
トランプ政権2.0になることでカナダの経済見通しに変化があるのか発言に注目しておきたいと思います。
日銀
日銀は追加利上げに注目が集まっています。
先日の日銀金融政策決定会合は市場予想通り据え置きでしたが、その後の記者会見では12月の金融政策決定会合での利上げを匂わせるような発言が出てくるなど、植田日銀総裁のタカ派姿勢が目立ちました。
12月の会合で利上げに踏み切るのか、それとも据え置くのか、追加利上げに関する発言に注目です。
円安が進んだことで追加利上げもしやすくなるのではないかと思われます。
今週は日本のCPI(消費者物価指数)が発表されるので結果を受けてどのような発言が出てくるのか注目です。
また、18日月曜日の植田日銀総裁の発言は注目されており、発言内容によっては値が動く可能性があるので注意しておきたいと思います。
◎本日のイベントスケジュール
11月21日(木曜日)
14:10 JPY 植田日銀総裁発言
14:25 EUR ビルロワ・フランス中銀総裁発言
17:00 AUD ブロックRBA総裁発言
17:00 EUR クノット・オランダ中銀総裁発言
17:30 EUR チポローネECB専務理事、ホルツマン・オーストリア中銀総裁発言
18:00 EUR エスクリバ・スペイン中銀総裁発言
20:00 TRY トルコ金融政策決定会合
22:30 USD 米失業保険申請件数、フィラデルフィア連銀製造業景況指数
22:45 USD ハマック・クリーブランド連銀総裁発言
23:00 GBP マンBOE外部理事発言
11月22日(金曜日)
00:00 EUR ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)
00:00 USD 米中古住宅販売戸数
00:30 EUR エルダーソンECB専務理事、レーンECB専務理事兼主席エコノミスト発言
01:00 EUR カジミール・スロバキア中銀総裁、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁発言
02:25 USD グールズビー・シカゴ連銀総裁発言
03:00 USD 米10年債入札
06:40 USD バーFRB副議長発言
08:30 JPY 日本CPI(消費者物価指数)