米小売売上高の結果とドル円の水準に注目! 「11月15日の注目点とイベントスケジュール」

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2024年11月15日

米小売売上高の結果とドル円の水準に注目! 「11月15日の注目点とイベントスケジュール」

記事を書いた人:岡ちゃんマン

 

昨日は雇用と物価の先行指標として注目されているPPI(生産者物価指数)と失業保険申請件数がともに予想よりも強い結果となったことでドル買いで反応しました。

 

また、パウエルFRB議長が「堅調な米景気を踏まえれば、利下げを急ぐ必要はない」との見解を表明し、今後の金利については「指標と経済見通し次第だ」と強調すると、利下げ幅の縮小や利下げペースの後退観測から金利の上昇とともにドル買いが進み、ドル円は5時過ぎに一時156.42円と7月23日以来の高値を更新しました。

 

本日は米国経済を確認する小売売上高などが発表されます。

予想以上の結果となれば、さらにドル買いが進みドル円は上昇するのではないかと注目しています。

ただ、ドル円が上昇した場合は口先介入や実弾介入には注意しておきたいと思います。

目次

◎本日の注目点

 

1)経済指標

 

英GDP

英国では物価見通しが上方修正され利下げ期待が後退しています。

GDPの結果が予想以上に強い結果となればさらに利下げ期待が後退し、ポンド買いが進むのではないかと思います。

ただ、財政や物価高から景気後退の可能性も高く、予想を下回るのではないかとの予想もあり注目されています。

 

 

 

米小売売上高、輸入物価指数、ニューヨーク連銀製造業景況指数

米国は予想以上に強い経済から利下げ期待が後退しています。

小売売上高やニューヨーク連銀製造業景況指数が強い結果となれば、底堅い米景気で利下げ期待が後退するのではないかと思います。

また、同時に発表される輸入物価指数が高くなると物価高に繋がるので、こちらも利下げ期待に繋がると思います。

 

 

 

2)リスク要因

 

トランプ政権2.0

米国大統領選挙では共和党のトランプ前大統領が勝利を確実にし、上院議会では共和党が過半数を獲得しています。

下院議会でも共和党が過半数を獲得する可能性が高く、ホワイトハウス・上下両院を共和党が主導権を握るトリプルレッドが予想されています。

そのため、トランプ政権2.0は米国内外に対して決めたいように政権運営が出来る状況になります。

そのうえでトランプ政権2.0が何を行うのか、世界中のトップがトランプ次期大統領にコンタクトをとって関係を作っています。

中でもロシアのプーチン大統領と電話会談を行ったと言われています。

ウクライナに圧力をかける形でウクライナ情勢の終結を計るのではないかと注目されています。

また、イスラエル支援からイランとの関係が悪化し、中東情勢が悪化する可能性があるのではないかと懸念されています。

当分の間はトランプ時期大統領を中心に世界のリスク要因が動いていくのではないかと注目しています。

 

 

 

円買い介入

トランプ次期大統領の政策により米国のインフレが進むのではないかとの観測から米金利が上昇、パウエルFRB議長の発言からも利下げに慎重な姿勢が示されるなど米金利上昇とドル買いが進む展開が続いています。

このことでドル円は156円を超えて、再度160円をうかがう展開が予想されます。

大統領選挙以降で5円以上上昇しており、上昇スピードも速いのではないかと考えられます。

このまま上昇を続けるようであれば口先介入だけでなく、実弾介入の可能性も出てくるのではないかと注目しています。

口先介入のレベルと併せて注意しておきたいと思います。

 

 

 

3)要人発言

 

FRB

FRBは11月FOMCで市場予想通り0.25%利下げを決定しました。

ただ、12月FOMCの追加利下げについてはデータ次第とし、追加利下げをしない可能性も残しました。

声明文では「インフレ率が持続的に2%に向かっているとの確信を強めている」との文言が削除され、記者会見では「最新のインフレ報告はひどくはなかったが予想より少し高かった」などインフレ懸念について触れられました。

また、昨日の発言で利下げに慎重な姿勢を示すなど、利下げペースの後退や利下げ幅の縮小を匂わせる発言が出てきています。

12月FOMCに向けて、利下げ予想も6割程度まで低下しており、利下げと据え置きのどちらを織り込んでいくのか発言内容に注目です。

 

 

 

ECB

ECBは10月理事会で2会合連続で利下げを決定しました。

今後についてはデータ次第との姿勢も維持していますが、マーケットは12月の理事会での追加利下げをほぼ織り込んでいます。

12月理事会で大幅追加利下げの可能性があるのか、利下げに否定的な意見が出てくるのか、ECBメンバーの発言内容に注目です。

また、欧州ではドイツ政権の崩壊から政治的混乱が懸念されています。

ドイツ経済の停滞が欧州経済にどこまで影響があるのか、発言に注目しておきたいと思います。

 

 

 

BOE

英中銀は11月会合で市場予想通り8対1で利下げが決定されました。

同時に発表されたインフレーションレポートでは物価見通しが上方修正され、12月の利下げ期待は後退しています。

金利見通しでは「2024年第4四半期に4.8%、2025年第4四半期に3.7%、2026年第4四半期に3.7%、2027年第4四半期に3.6%」と予想されています。

この金利見通しを基準にどのような発言が出てくるのか注目したいと思います。

また、今週は雇用統計やGDPの発表が予定されており、結果を受けての発言にも注目しておきたいと思います。

 

 

 

RBA

RBAは主要中銀の中で唯一タカ派の中銀です。

他国と同調して利下げを進める必要はないとの姿勢を示しており、利下げ時期はもう少し先なのではないかと思います。

今週は雇用指標や賃金指数などの指標が予定されており、強い結果が続けばタカ派姿勢が続く可能性が高いと思われます。

また、トランプ政権2.0が中国経済に影響を与えるのではないか、中国とつながりの深い豪州経済にも影響が出るのではないかと注目されています。

トランプ政権2.0の影響について発言が出てくるのかにも注目です。

 

 

 

RBNZ

RBNZの年内理事会は11月が最後となり、次は来年2月まで理事会がありません。

そのため11月理事会でも予防的に大幅利下げを進める可能性があるのではないかと予想されています。

現在マーケットは0.5%の大幅利下げをかなり織り込んでいますが、0.75%の利下げもあるのではないかと一部予想が出始めています。

大幅利下げについて発言が出てこないか、発言内容に注目です。

 

 

 

BOC

カナダは連続利下げを決定し、先日の会合で0.5%の大幅利下げを決定しました。

12月会合の追加利下げの可能性が高いのではないかと予想されています。

また、トランプ政権2.0によりカナダと米国の貿易条件の変更、米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に含まれる6年ごとの見直し条項を利用し、協定の再交渉を行う意向を示しています。

トランプ政権2.0になることでカナダの経済見通しに変化があるのか発言に注目しておきたいと思います。

 

 

 

日銀

日銀は追加利上げに注目が集まっています。

先日の日銀金融政策決定会合は市場予想通り据え置きでしたが、その後の記者会見では12月の金融政策決定会合での利上げを匂わせるような発言が出てくるなど、植田日銀総裁のタカ派姿勢が目立ちました。

12月の会合で利上げに踏み切るのか、それとも据え置くのか、追加利上げに関する発言に注目です。

また、ドル高が進んだことでドル円は一時155円手前まで上昇しました。

155円を超えた場合、円安が進んだ場合に口先介入が出てくるのか、円買い介入の可能性があるのか発言に注目です。

 

 

 

 

 

 

◎本日のイベントスケジュール

 

 

11月15日(金曜日)

 

アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議(ペルー・リマ、16日まで)

 

16:00 GBP 英GDP

16:45 EUR フランスHICP(消費者物価指数)(改定値)

22:30 USD 米小売売上高、輸入物価指数、ニューヨーク連銀製造業景況指数

22:30 EUR パネッタECB専務理事発言

23:00 USD コリンズ・ボストン連銀総裁発言

 

 

11月16日(土曜日)

 

00:00 EUR レーンECB専務理事兼主席エコノミスト発言

00:15 EUR チポローネECB専務理事発言

03:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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