2023年10月9日
米CPI(消費者物価指数)はじめ経済指標に注目! 「10月9日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週は米雇用指標を受けてドル円は一時150円を超えました。
ただ、直後に大きくドル円は急低下し、147.20円付近まで約3円の急落となりました。
一部では日銀による実弾介入かと噂されましたが、その後Bloombergの報道では日銀による介入ではないとの見方が報じられています。
日本当局からは「介入についてはノーコメント」との回答しか出てきておらず、正確なところは介入実績の報告を待ちたいと思います。
週末に発表されたNFP雇用統計は、雇用者数が市場予想を大きく上回ったことで発表直後はドル買いが進みましたが、注目されていた失業率や平均時給が市場予想を下回ったため、米金利は低下しドル売りが進みドル円は下落しています。
今週は注目度の高いCPI(消費者物価指数)をはじめ、物価指標であるPPI(生産者物価指数)や、景況感を示すミシガン大学消費者信頼感指数の速報値などに注目しています。
また、週末に報じられたハマスとイスラエルの戦闘で中東情勢のリスクが高まっています。
マーケットに対して大きな影響を与えるリスク要因となるのか注目しています。
指標やリスク要因でドル円が再度上昇するようであれば、日銀による介入が注目される展開となるのではないかと思っています。
目次
◎今週の注目点
1)経済指標
米PPI(生産者物価指数)
PPI(生産者物価指数)は仕入れ価格みたいなもので、PPI(生産者物価指数)が上振れた場合は仕入れ価格が上振れしたとみられ、仕入れ価格の上振れは商品価格に転嫁されCPI(消費者物価指数)の上振れ要因となってしまいます。
注目のCPI(消費者物価指数)発表を控えて、PPI(生産者物価指数)の結果に注目です。
英GDP
英中銀は経済を優先させて利上げを停止(据え置き)を選択しました。
発表されるGDPが市場予想を下回った場合は景気悪化が懸念され利上げ終了の可能性が高まるのではないかと思います。
逆に市場予想を上回った場合は追加利上げの可能性が高まる可能性もあります。
GDPの結果に注目です。
米CPI(消費者物価指数)
FRBはあと1回の利上げが予想されています。
ただ、インフレ低下が確認された場合はこのまま利上げ終了の可能性も残っています。
CPI(消費者物価指数)の結果に注目しておきたいと思います。
また、結果を受けて金利の動きと、年内の利上げ予想に注目したいと思います。
ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)・期待インフレ率
米国は強い経済を背景に利上げを進めてきました。
ソフトランディングの可能性から米国株は堅調に推移し、ドル人気に繋がっています。
消費者信頼感指数から今後の景況感に注目です。
また、同時に発表される期待インフレ率が下方修正されれば、インフレ低下予想から利上げ終了の可能性が出てきます。
1年先の期待インフレ率に注目です。
今回は速報値なので、市場予想と結果が乖離する確率が高いので注目しておきたいと思います。
2)金融政策
FOMC議事要旨
9月のFOMCでは市場予想通り据え置きが発表され、ドットチャートからは年1回の追加利上げが予想されています。
ややタカ派に受け止められる内容であったことからFOMC後はドル買いが進んでいます。
議事要旨の内容から同じくややタカ派な内容が出てきた場合は引き続きドルが底堅く推移するのではないかと思っています。
また、追加利上げは11月なのか、それとも12月なのか、追加利上げの時期と条件についてもヒントがないか注目です。
ECB理事会議事要旨
9月ECB理事会は市場予想通り追加利上げを発表しました。
ただ、声明文からは利上げ終了を匂わす内容となっています。
議事要旨から、どの程度の利上げ票があったのか、据え置き表や利上げ終了の意見がどの程度あったのか、議事要旨の内容に注目しています。
利上げ終了のヒントや条件などが出てこないか注目です。
3)要人発言
FRB
FRBは9月FOMCのドットチャートで年内あと1回の追加利上げが予想されています。
そのうえで、FOMC以降に要人発言で雇用・失業率に関する発言が多くなっています。
先週は多くの雇用指標が発表され、強弱入り混じる結果となっています。
今週は物価指標であるPPI(生産者物価指数)やCPI(消費者物価指数)の発表があります。
結果を受けて、FRB要人の発言に変化があるのか注目です。
ECB
欧州では景気悪化などから利上げ終了期待が高まっています。
ECB要人から利上げ終了に関する発言が出てこないか注目です。
先週発表されたIMM通貨先物ポジションでは、ユーロ買いポジションがたまっていますが減少傾向にあります。
利上げ終了が意識されればユーロ売りが進むのではないかと思っています。
英中銀
英中銀は先日の金融政策発表で、サプライズの据え置きを選択しました。
特に英中銀のメンバーの多くが据え置きを支持していたことから、利上げ終了が意識されています。
要人発言から利上げ終了が感じられると一気に利上げ終了観測が高まり、ポンド売りが加速するのではないかと注目しています。
4)円安・介入警戒
先週の米雇用指標JOLTS求人件数が強かったことで米金利は上昇し、ドル円は150円を超え一時150.
その直後、大きな円買いが実施され、市場では円買い介入が実施されたのではないかとの観測が出ています。
財務省幹部は為替介入の有無について「ノーコメント」と回
昨日公表された日銀の当座預金残高の予想から日本当局による介入ではなかったとBloombergが報じています。
ということは、150円に達したとしても前回同様に介入が実施されない場合もあります。
本当に実弾介入が実施されるのか、レートチェックと発言のレベル感に注目しておきたいと思います。
以下、去年の口先介入時のものです。
◎今週のイベントスケジュール
10月9日(月曜日)
東京市場・カナダ市場・米国市場休場
17:15 EUR センテノ・ポルトガル中銀総裁発言
21:00 USD バーFRB副議長発言
21:00 MXN メキシコCPI(消費者物価指数)
22:00 USD ローガン・ダラス連銀総裁発言
10月10日(火曜日)
01:50 USD ジェファーソンFRB理事発言
05:00 GBP マンBOE外部理事
08:30 AUD 豪Westpac消費者信頼感指数
15:00 NOK ノルウェーCPI(消費者物価指数)
20:30 USD ボスティック・アトランタ連銀総裁発言
10月11日(水曜日)
02:00 USD 米3年債入札
02:00 USD ウォラーFRB理事発言
04:00 USD カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁発言
07:00 USD デイリー・サンフランシスコ連銀総裁発言
09:30 AUD ケントRBA総裁補佐発言
15:00 EUR ドイツHICP(消費者物価指数)(改定値)
17:15 USD ボウマンFRB理事発言
21:30 USD 米PPI(生産者物価指数)
23:15 USD ウォラーFRB理事発言
10月12日(木曜日)
G20財務相・中央銀行総裁会議
01:15 USD ボスティック・アトランタ連銀総裁発言
02:00 USD 米10年債入札
03:00 USD FOMC議事要旨(9月20日分)
10:30 JPY 野口日銀審議員発言
15:00 GBP 英GDP
18:00 GBP ウッズBOE副総裁、ピルBOE主席エコノミスト発言
20:30 EUR ECB理事会議事要旨
21:30 USD 米CPI(消費者物価指数)、失業保険申請件数
10月13日(金曜日)
G20財務相・中央銀行総裁会議
00:00 USD 原油在庫量
02:00 USD 米30年債入札
02:00 USD ボスティック・アトランタ連銀総裁発言
15:00 SEK スウェーデンCPI(消費者物価指数)
15:45 EUR フランスHICP(消費者物価指数)(改定値)
17:00 GBP ベイリーBOE総裁発言
22:00 USD ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁発言
23:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)・期待インフレ率
10月14日(土曜日)
ニュージーランド総選挙
01:30 GBP カンリフBOE副総裁発言
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント