2022年7月10日
米CPI(消費者物価指数)やカナダ・NZ政策発表に注目の1週間! 「7月11日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週、金曜日には安倍元首相が銃撃され死亡するという、ショッキングなことが起きました。
世界各国で報道され、第1報が報じられた時には日経平均は急落、円高が進みました。
今週のマーケットに影響が残るのか気になります。
また、今週は注目の米CPI(消費者物価指数)をはじめ注目の経済指標や、カナダやニュージーランドで金融政策発表が予定されています。
ボラティリティの高い1週間になるのではないかと期待しています。
目次
◎今週の注目点
1)金融政策発表
RBNZ理事会
注目度:高い
織り込み度:0.5%利上げを7~8割織り込み済み
バイアス:NZドルやや上値重い
ポイント:利上げ幅と今後の利上げ見通し
前回に続き今回の理事会でも0.5%の利上げを進めるのではないかと予想されています。
0.25%利上げだった場合はNZドル売り、声明文で追加利上げの終わりが見えるようであれば材料出尽くしでNZドル売りが進むのではないかと注目しています。
0.5%利上げでも、声明文がハト派な内容であればNZドル売りが進むのではないかと思っています。
追加利上げなどタカ派な内容や、引き締めによる景気後退も少なくソフトランディングできるといった内容となればNZドル買いに繋がるのではないかと注目しています。
カナダ中銀(BOC)
注目度:高い
織り込み度:0.5%∼0.75%の利上げを織り込み済み
バイアス:カナダドルの上値重い
ポイント:利上げ幅と追加利上げ幅
米国が大幅利上げを実施し、7月のFOMCでも大幅利上げが見込まれています。
カナダも米国同様に大幅利上げを進むとみられ、0.5%~0.75%の利上げがあるのではないかと予想されています。
大幅利上げや、追加利上げの可能性が示唆されればカナダドルは底堅く推移すると思いますが、市場予想の3%程度の政策金利だった場合は材料出尽くしとなりカナダドルの上値が重くなるのではないかと思っています。
声明文やマックレムBOC総裁記者会見に注目です。
2)経済指標
英GDP
英国は物価高や人手不足、英中銀による引き締め政策によって景気後退が懸念されています。
英国のGDPが予想を下回るようであれば、今後の引き締め・利上げに影響が出るのではないかと注目しています。
GDPが予想を下回った場合、物価抑制を優先させるのか、景気を優先させるのか、中央銀行の対応に注目です。
米CPI(消費者物価指数)
米国の物価上昇はピークアウトしているのかに注目が集まっています。
パウエルFRB議長は物価抑制を優先させると言っていることから、予想を上回る物価が確認された場合は7月のFOMCで1.00%の利上げの可能性が高まるのではないかと注目しています。
その場合、株価下落でリスクオフとなりドル買いが進む可能性があると注目しています。
ベージュブック
FRBが引き締めを進める中でスタグフレーション・リセッションが懸念されています。
FRBによる急な引き締めによる影響が米国経済に出てきていないか、ベージュブック(地区連銀経済報告)の内容に注目です。
景気後退が見えてきた場合でもFRBは引き締めを進めると思うので、さらに景気後退が進み株価下落に繋がるのではないかと注目しています。
豪雇用統計
豪州では政権交代・中国のロックダウンによる景気後退・RBAによる引き締めなど豪州経済の後退が懸念されています。
豪州の雇用状況が堅調なのか注目です。
特に労働参加率が上昇したうえで、失業率が改善しているかに注目です。
米小売売上高
米国はFRBによる引き締めや物価高による景気後退が懸念されています。
米国経済の中で大きなウエイト占める消費が落ち込むようであれば、リセッションが意識されるようになるのではないかと注目しています。
消費が落ちていないか、小売売上高に注目です。
ミシガン大学消費者信頼感指数
米国経済で大きなウエイトを占める消費が落ち込むとイッキにリセッションが意識されます。
米国の消費意欲が低下していないのか、景況感を確認するミシガン大学消費者信頼感指数に注目です。
特に今回は速報値なので、予想を結果が大きく乖離する可能性があり、注目されている指標なので大きく動く可能性があるので注意しておきたいと思います。
3)リスク要因
株安リスク
世界的に景気後退・スタグフレーション・リセッションが注目されています。
中銀が引き締めを加速させる可能性が出てくると株価下落に繋がります。
その他にも原油価格や天然ガスなどによる物価上昇も株価下落に繋がります。
株価下落の連鎖からリスクオフが進む可能性があるので株価と金利には注目しておきたいと思います。
英政治リスク
先週はボリス・ジョンソン首相が辞任を決めたことで一旦はポンドが上昇しました。
ただ、次の首相を巡り候補者が乱立しています。
それぞれの候補がどのような政策を考えているのか、北アイルランド議定書に関してどのような考えを持っているのか、どの候補者が優勢なのか、次期首相の思惑でポンドが乱高下する可能性に注意しておきたいと思います。
また、地政学的にユーロにも影響するのではないかとユーロにも注目しています。
要人発言
今週は週末にG20財務相・中央銀行総裁会議が予定されています。
どの国でも物価上昇が問題となっており、引き締めを進めています。
中銀総裁や財務相からどのような発言が出てくるのか注目です。
また、来週からFOMC前のブラックアウト期間に入るので、今週のFOMCメンバーの発言には要注目です。
7月FOMCで0.75%利上げなのか、それとも1.00%利上げがあるのか、それとも0.5%利上げにとどめるのか見極める1週間になるのではないかと注目しています。
◎今週のイベントスケジュール
7月11日(月曜日)
ユーロ圏財務相会合
11:00 JPY 黒田日銀総裁発言
14:00 JPY 日銀地域経済報告(さくらレポート)
7月12日(火曜日)
01:30 EUR ナーゲル・ドイツ連銀総裁発言
02:00 USD 米3年債入札
03:00 USD ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁発言
09:30 AUD 豪Westpac消費者信頼感指数
18:00 EUR ドイツZEW景況感指数
18:00 EUR ユーロ圏ZEW景況感指数
18:30 EUR ナーゲル・ドイツ連銀総裁発言
19:15 EUR ビルロワ・フランス中銀総裁発言
7月13日(水曜日)
01:30 USD バーキン・リッチモンド連銀総裁発言
02:00 GBP ベイリーBOE総裁発言
02:00 USD 米10年債入札
09:30 AUD 豪Westpac消費者信頼感指数
11:00 NZD RBNZ理事会・政策金利・声明文発表
15:00 GBP 英GDP
15:00 EUR ドイツHICP(消費者物価指数)(改定値)
15:45 EUR フランスHICP(消費者物価指数)(改定値)
16:00 EUR スペインHICP(消費者物価指数)(改定値)
21:30 USD 米CPI(消費者物価指数)
23:00 CAD カナダ(BOC)政策金利・声明文発表
23:00 USD 原油在庫量
7月14日(木曜日)
00:00 CAD マックレムBOC総裁記者会見
02:00 USD 米30年債入札
03:00 USD ベージュブック(米地区連銀経済報告)
10:30 AUD 豪雇用統計・失業率・労働参加率
21:30 USD 失業保険申請件数・PPI(生産者物価指数)
23:00 EUR センテノ・ポルトガル中銀総裁発言
7月15日(金曜日)
20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議
11:00 CNY 中国GDP
19:00 EUR レーン・フィンランド中銀総裁発言
21:30 USD 米小売売上高・NY連銀製造業景況指数
21:45 USD ボスティック・アトランタ連銀総裁
23:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
7月16日(土曜日)
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント