2024年6月11日
米CPI(消費者物価指数)やFOMCを控えて様子見ムード! 「6月11日の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週末に実施された欧州議会選挙で中道政党が多数派を維持する見通しとなったものの、EUに懐疑的な極右政党・右派政党が躍進する結果となり、フランスやオーストリアでは極右・右派政党が第1党となりました。
フランスでは極右政党「国民同盟(国民戦線)」が第1党となったことを受け、マクロン大統領は国民議会の解散(6月30日)と議会選挙の実施(7月7日)を発表しました。
欧州議会選挙の結果から欧州政治リスクが高まり、大きくユーロ売りが進みました。
明日に米CPI(消費者物価指数)の発表やFOMC、週末に日銀金融政策決定会合を控えて様子見ムードの強い1日となりました。
本日も昨日同様、欧州の政治リスクを確認しながらCPI(消費者物価指数)やFOMCを控えて様子見ムードの強い1日となるのではないかと思います。
目次
◎本日の注目点
1)経済指標
英雇用統計・失業率・平均賃金
20日に金融政策会合を控えて、英国の経済状況を確認するため雇用統計に注目です。
6月会合では据え置きが予想されており、8月会合での利下げの有無に注目が集まっています。
雇用状況が悪化しておれば利下げの可能性が高くなるのではないかと思います。
2)要人発言
先週カナダ・ECBともに利下げを発表しましたが、カナダ中銀はハト派、ECBはタカ派な内容で金融政策が発表されました。
今週はFOMCと日銀が予定されています。
金融政策発表後の要人から次回会合のヒントに繋がる発言が出てこないか注目です。
カナダは連続利下げの可能性があるのか?
ECBは9月利下げが濃厚となっており、それよりも前の利下げがあるのか?
FOMCはドット・チャートの結果次第ですが、9月利下げスタートなのか?
それとも年1回で12月利下げスタートなのか?
それぞれ要人発言からヒントが出てこないか注目です。
3)リスク要因
円安・介入警戒
ドル円は156∼7円台で推移しています。
今週はFOMCや日銀が予定されており、結果次第で再度円安が進み160円を目指す展開もあるのではないかと注目しています。
円安が進み、160円に達した場合に再度円買い介入が実施されるのかに注目です。
4月末の介入時は各国の理解が得られていましたが、現在の状況では各国の理解、特に米国イエレン財務長官の理解は得られないのではないかと思います。
その状況で介入が実施できるのかにも注目です。
英欧政治不安
英国は7月4日に総選挙が予定されており、政権交代が濃厚となっています。
市場予想通りの結果になればポンド相場には大きな影響はないと思いますが、政権交代後の政策で大規模減税案など大きな政策変更を示唆するような発言が出てきた場合はポンド相場の乱高下に繋がるのではないかと注目しています。
また、先週末に実施された欧州議会選挙ではフランスやドイツなどが与党大敗となっており、フランスのマクロン大統領は議会解散し7月7日に総選挙を実施すると発表しました。
マクロン大統領が大統領となった時の大統領選で決戦投票までもつれ込んだルペン氏率いる極右政党「国民同盟(国民戦線)」が今回の欧州議会選挙で大勝しており、7月7日の選挙でも大勝するのではないかと予想されています。
ドイツもフランスも政治的不安が高まり、今後の政権運営が難しくなり混乱するのではないかと政治リスクに注目が集まっています。
◎本日のイベントスケジュール
6月11日(火曜日)
15:00 GBP 英雇用統計・失業率・平均賃金
16:00 EUR シムカス・リトアニア中銀総裁発言
16:10 EUR ビルロワ・フランス中銀総裁発言
17:00 EUR レーン・フィンランド中銀総裁発言
20:00 EUR ホルツマン・オーストリア中銀総裁発言
20:05 EUR レーンECB専務理事兼主席エコノミスト発言
21:30 CAD カナダ建築許可件数
23:00 EUR マクルーフ・アイルランド中銀総裁発言
6月12日(水曜日)
01:45 EUR エルダーソンECB専務理事発言
02:00 USD 米10年債入札
10:30 CNY 中国CPI(消費者物価指数)