2023年6月19日
英中銀、スイス中銀、トルコ中銀などで金融政策発表! 「6月19日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週は日米欧の金融政策が発表されました。
FOMCは市場予想通りだったものの7月の利上げの可能性が高まり、ドットチャートからは年内2回の利上げの可能性が高まりました。
ECB理事会では市場予想通り0.25%の利上げが発表され、7月の利上げが示唆され、追加の利上げに関してもデータ次第としタカ派姿勢が示されユーロ買いが進んでいます。
日銀は安定の緩和維持を発表しており、円安が進んでいます。
今週はスイスや英中銀、トルコなどで金融政策が発表されます。
また、日米欧の金融政策が発表されたことで、様子見姿勢が終わり通貨に方向感が出てくるのではないかと思っています。
目次
◎今週の注目点
1)金融政策
スイス中銀(SNB)
注目度:やや高い
織り込み度:0.25%の利上げを織り込み済み
バイアス:特になし
ポイント:利上げ見通しと銀行信用不安
スイスでも物価高が進んでいて、ジョーダンSNB総裁は追加利上げを示唆しており、0.25%の利上げが織り込まれています。
注目は物価見通しや経済見通し、追加利上げの可能性に集まっています。
追加利上げの可能性が高まればフラン高に繋がるのではないかと思います。
また、米中堅銀行SVBの破綻に始まった銀行信用不安が飛び火し、クレディスイスはUBSに買収されることとなりました。
銀行信用不安は落ち着いてきているのか、それとも燻ぶったままなのか声明や発言に注目です。
英中銀
注目度:高い
織り込み度:0.25%の利上げを織り込み済み
バイアス:ポンド買い圧力がやや高め
ポイント:利上げ幅とMPC投票配分、利上げ見通し
英国は米欧と比べて格段に高いインフレを記録しています。
米欧ではインフレの低下も見えはじめ利上げの終了を意識されていますが、英国はインフレは高止まりしている状況で追加利上げの加速が意識されています。
米欧の中銀がハイペースで利上げを進める中、英中銀は利上げに消極的でした。
このことがインフレ高止まりの要因となっていて、中銀の失策なのではないかといわれています。
なので、市場予想では0.25%の利上げとなっていますが、利上げ幅を加速させ0.5%の利上げのサプライズが出てこないか注目しています。
また、英中銀はきんっゆ政策決定の投票配分も同時に発表されているので、どのような投票配分になったのか?
0.5%利上げを支持した人はいないのか?
にも注目、利上げ見通しに注目したいと思います。
トルコ中銀
注目度:高い
織り込み度:利上げは織り込んでいるが利上げ幅は15%~30%の間で予想が分かれている
バイアス:トルコリラ買い
ポイント:金融政策の方向性
トルコはエルドアン大統領のもと金利を引き下げることでインフレは低下するという独特の金融政策を進めていました。
ただ、そのせいでトルコリラは大きく売られ、安値を更新し続けてきました。
先週エルドアン大統領はトルコ中銀の総裁を変更し、利上げを進めることを示唆しました。
トルコ中銀の利上げを織り込むようにトルコリラは上昇を始めています。
市場予想では15%~30%の利上げを予想しており、利上げ幅についてはコンセンサスが決まっていない状況です。
そのため、利上げ幅が発表されたときには大きくトルコリラが買われるのではないかと思っています。
また、タカ派になったトルコ中銀の政策スタンスを継続していくのかも併せて注目しています。
2)経済指標
英CPI(消費者物価指数)
英国は米欧に比べて格段に高いインフレが続いています。
しかも市場予想を常に上回る結果が出てきており、今回も市場予想を上回るのではないかと注目されています。
英中銀の政策発表直前にCPI(消費者物価指数)が発表されるだけに、市場予想を大きく上回る場合は英中銀の金融政策に影響するのではないかと注目しています。
日本CPI(消費者物価指数)
先週、日銀は大規模緩和の継続を発表し、YCC(イールドカーブ・コントロール)の修正は継続の効果と副作用を比較して判断するとして修正の可能性を残しています。
日銀がYCC(イールドカーブ・コントロール)の修正に動くのかの判断材料としてCPI(消費者物価指数)に注目しています。
5月コアCPI(消費者物価指数)は前年比+3.1%と予想されており、4月
コアコアCPI(消費者物価指数)が上昇基調にあった場合はYCC(イールドカーブ・コントロール)の修正の可能性が高まり、円買いが進む可能性があるので注目です。
製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
米英欧の製造業・サービス業・総合PMIの速報値が発表されます。
PMIは景気の先行指数として注目されており、各中銀はハイペースで利上げを進めているだけに景気後退が注目されています。
景気後退が見えてきた場合は利上げ停止、景気が底堅い場合は利上げの追い風となるのではないかと思います。
今回は速報値なので市場予想と結果に乖離が出てくる可能性があるので、値が大きく動く可能性があり注目しています。
3)リスク要因
円買い介入
先週、日銀が大規模緩和の継続を発表したことで円安が進んでいます。
ドル円の142円が見えて円買い介入の警戒感が出てきています。
再度の三者会合や口先介入などのリスクには注意しておきたいと思います。
介入は価格ではなくボラティリティ、急速な円安に対応といっており、介入水準は「
円安のスピードにも注意したいと思います。
銀行信用不安
イエレン財務長官は銀行幹部らに「一連の銀行破
銀行からの資金流出、銀行への規制強化、破綻や合併など銀行に関するヘッドラインが出てこないか注目です。
銀行の信用不安が広がるとリスクオフが進み、FRBの利上げ期待後退、年内利下げ期待が高まるのではないかと思っています。
また、銀行の信用不安は規制強化に繋がり、規制強化は金融引き締めと同じ効果が出てきます。
パウエルFRB議長の半期に一度の議会証言で、銀行の信用不安に関する発言が出てこないかにも注目したいと思います。
◎今週のイベントスケジュール
6月19日(月曜日)
17:00 EUR シムカス・リトアニア中銀総裁発言
20:00 EUR レーンECB専務理事兼主席エコノミスト発言
20:40 EUR シュナーベルECB専務理事発言
22:00 EUR ビルロワ・フランス中銀総裁発言
6月20日(火曜日)
03:00 EUR デギントスECB副総裁発言
10:30 AUD RBA理事会議事要旨
17:00 EUR レーン・フィンランド中銀総裁発言
19:30 USD ブラード・セントルイス連銀総裁発言
21:30 USD 米住宅着工件数・建築許可件数
23:30 EUR シムカス・リトアニア中銀総裁発言
6月21日(水曜日)
00:45 USD ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁発言
08:50 JPY 日銀金融政策決定会合議事要旨
15:00 GBP 英CPI(消費者物価指数)
17:00 EUR カジミール・スロバキア中銀総裁発言
23:00 USD パウエルFRB議長発言(米下院金融サービス委
6月22日(木曜日)
01:25 USD グールズビー・シカゴ連銀総裁発言
02:00 USD 米20年債発言
07:45 NZD NZ貿易収支
16:30 CHF スイス国立銀行(SNB)金融政策発表
17:00 NOK ノルウェー金融政策発表
20:00 TRY トルコ金融政策発表
20:00 GBP 英中銀政策金利・声明文・MPC投票配分発表
21:30 USD 米失業保険申請件数・貿易収支
23:00 USD 米中古住宅販売件数
23:00 EUR ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)
23:00 USD パウエルFRB議長発言(米上院銀行委員会で金融政策に関する半期に
23:00 USD メスター・クリーブランド連銀総裁発言
6月23日(金曜日)
00:00 USD 原油在庫量
04:00 MXN メキシコ金融政策決定会合
05:30 USD バーキン・リッチモンド連銀総裁発言
08:30 JPY 日本CPI(消費者物価指数)・コアCPI(消費者物価指数)
15:00 GBP 英小売売上高
16:15 EUR フランス製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
16:30 EUR ドイツ製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
17:00 EUR ユーロ圏製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
17:30 GBP 英製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
18:30 EUR ブイチッチ・クロアチア中銀総裁発言
19:00 EUR デコス・スペイン中銀総裁発言
22:45 USD 米製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
6月24日(土曜日)
02:40 USD メスター・クリーブランド連銀総裁発言