2024年11月7日
英中銀とFOMC、金融政策発表に注目! 「11月7日の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
昨日は米国大統領選挙の投開票が行われ、トランプ前大統領が当選確実となりました。
同日に開催された連邦議会選挙で上院は共和党が過半数を獲得し、下院でも共和党が優位に進め過半数を獲得する見通しとなっています。
トランプ前大統領の当選が確実になると
トランプ前大統領の
トランプ前大統領と親しいイーロン・マスク
ドイツではショルツ独首相がリントナー財務相を解任し連立与党の一角である自由民主党(FDP)の連立離脱観
本日は大統領選挙後のトランプ前大統領を中心とした各国の対応など、トランプ前大統領の当確とトリプルレッドをマーケットがどのように消化していくのかに注目。
金融政策では英中銀とFOMCが予定されており、マーケットが大きく荒れるのではないかと注目しています。
目次
◎本日の注目点
1)金融政策
英中銀
注目度:高い
織り込み度:0.25%利下げを織り込み済み
バイアス:ポンドの上値重い
ポイント:インフレ見通しと追加利下げの可能性
前回9月の会合後、ベイリーBOE総裁の発言から追加利下げの可能性が高まりました。
その後発表されたCPI(消費者物価指数)も低下しており、今回の利下げが織り込み済みとなっています。
ポイントは12月の会合でも追加利下げの可能性があるのか、来年の利下げ回数、同時に発表されるインフレーションレポートで景気と物価見通しが下方修正されているのかです。
今後の物価や景気の見通しが下方修正されれば利下げ期待が高まり、12月の追加利下げの可能性も高まるのではないかと思います。
ただ、懸念点として先日発表された予算案で、過去30年間で最大規模となる年間400億ポンドの増税計画が明らかになり、インフレ率の上昇が懸念され政策金利が高止まりする可能性があります。
物価見通しに予算案などが考慮されているのかにも注目しておきたいと思います。
FOMC
注目度:かなり高い
織り込み度:0.25%の追加利下げを織り込み済み
バイアス:ドル買い
ポイント:追加利下げの可能性と来年の利下げ見通し
想定以上の経済の強さや大統領選後のインフレ率の上昇の可能性から利下げ期待は後退するのではないかと注目されています。
12月のFOMCで追加利下げについてや、来年の利下げ回数などについて声明文や記者会見で触れられるのかに注目です。
マーケットは利下げを織り込みすぎており、利下げ期待の後退とともにドル買いが進んでいます。
さらに利下げ期待が後退するようなタカ派な内容が出てくるようであれば、さらにドル買いが進むのではないかと注目しています。
2)経済指標
米失業保険申請件数、四半期労働コスト(速報値)
インフレの落ち着きが見通されている状況で、FRBは政策判断を雇用指標に重きを置いています。
失業保険申請件数や労働コストなど、雇用指標が悪化すれば利下げ期待が高まり、雇用指標が強ければ利下げ期待の後退に繋がるのではないかと注目しています。
雇用指標に注目が集まっているだけに、結果次第で大きな値動きに繋がる可能性があるので注意しておきたいと思います。
3)リスク要因
大統領選挙
米大統領選挙で共和党のトランプ前大統領が当選確実となり、連邦議会選挙でも上下両院とも共和党が過半数を占めるトリプルレッドの可能性が高まっています。
これからトランプ前大統領の発言に注目が集まり、トランプ前大統領の動向で世界が動いていくリスクに注意しておきたいと思います。
まずはウクライナとロシアの対立について選挙期間中にすぐに解決すると言っていたため、ウクライナ情勢についての動向に注目。
次にイスラエルやイランをはじめとする中東情勢にも注目。
対中関税をはじめ、各国への関税に関する発言にも注目しておきたいと思います。
首相指名選挙
先日の解散総選挙で大幅に議席を減らし、自公連立与党は過半数割れまで議席数を減らしました。
このことで、来週予定されている首相指名選挙に向けて連立交渉や、首相指名の投票交渉のため与野党の駆け引きが行われるのではないかと思います。
減税・基礎控除額の引き上げなどが注目されており、今後の駆け引きからどのような内容が出てくるのか注目です。
中東・ウクライナ情勢
中東ではイランとイスラエルの報復攻撃が懸念されています。
いつ攻撃が過激化し、中東戦争に反転しないか注意しておきたいと思います。
トランプ前大統領が大統領選に勝利したことで、ウクライナ支援が停止する可能性があり、中東・ウクライナリスクが高まるのではないかと注目しています。
トランプ前大統領とイランは以前の大統領期間中から対立しており、中東情勢が悪化するリスクにも注意しておきたいと思います。
4)要人発言
FRB
FOMC後に11月FOMCの内容についてや、12月FOMCのヒントについて発言が出てこないか注目です。
12月FOMCでも追加利下げが織り込まれており、12月FOMCで利下げ期待が後退するような内容が出てくるとドル買いが進むのではないかと思います。
また、トランプ前大統領が大統領選で勝利したことで、来年のインフレ見通しや金利見通しに変化が出てこないかにも注目しておきたいと思います。
ECB
ECBは10月理事会で2会合連続で利下げを決定しました。
今後についてはデータ次第との姿勢も維持していますが、マーケットは12月の理事会での追加利下げをほぼ織り込んでいます。
12月理事会で大幅追加利下げの可能性があるのか、利下げに否定的な意見が出てくるのか、ECBメンバーの発言内容に注目です。
BOE
英中銀は今週の会合で利下げが決定されると予想されています。
会合後に利下げについての賛否、12月の追加利下げについてのヒントに関する発言が出てこないか注目です。
マーケットは12月の会合でも追加利下げがあるのではないかと織り込みが進んでいるため、利下げに否定的な発言が出てくるとポンド売りが進むのではないかと思います。
また、インフレーションレポートの内容、物価や景気の見通しについての発言にも注目しておきたいと思います。
RBA
RBAは主要中銀の中で唯一タカ派の中銀です。
他国と同調して利下げを進める必要はないとの姿勢を示しており、利下げ時期はもう少し先なのではないかと思います。
雇用指標も強い結果であったことからタカ派姿勢が続く可能性が高いと思われます。
今週はRBA理事会が予定されています。
理事会後にどのような発言が出てくるのか注目です。
RBNZ
RBNZは先日の理事会で0.5%の大幅利下げを決定しました。
RBNZの年内理事会は11月が最後となり、次は来年2月まで理事会がありません。
そのため11月理事会でも予防的に大幅利下げを進める可能性があるのではないかと予想されています。
現在マーケットは0.5%の大幅利下げをかなり織り込んでいますが、0.75%の利下げもあるのではないかと一部予想が出始めています。
大幅利下げについて発言が出てこないか、発言内容に注目です。
BOC
カナダは連続利下げを決定し、今週の会合では0.5%の大幅利下げを決定しました。
12月会合の追加利下げの可能性について発言が出てくるのか注目です。
日銀
日銀は追加利上げに注目が集まっています。
先日の日銀金融政策決定会合は市場予想通り据え置きでしたが、その後の記者会見では12月の金融政策決定会合での利上げを匂わせるような発言が出てくるなど、植田日銀総裁のタカ派姿勢が目立ちました。
12月の会合で利上げに踏み切るのか、それとも据え置くのか、追加利上げに関する発言に注目です。
◎本日のイベントスケジュール
11月7日(木曜日)
16:00 SEK スウェーデンCPI(消費者物価指数)
16:35 EUR ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁発言
17:10 EUR シュナーベルECB専務理事発言
17:30 SEK スウェーデン政策金利発表
19:45 EUR エルダーソンECB専務理事発言
21:00 EUR エスクリバ・スペイン中銀総裁、クノット・オランダ中銀総裁発言
21:00 GBP 英中銀政策金利・声明文・MPC投票配分・インフレーションレポート発表
21:30 GBP ベイリーBOE総裁発言(記者会見)
22:30 USD 米失業保険申請件数、四半期労働コスト(速報値)
22:30 EUR レーンECB専務理事兼主席エコノミスト発言
11月8日(金曜日)
00:15 GBP ベイリーBOE総裁発言
04:00 USD FOMC・政策金利・声明文発表
04:30 USD パウエルFRB議長発言(記者会見)