2021年6月20日
英中銀や要人発言に注目、FOMCが通過してボラティリティが高まる1週間か!? 「6月21日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週は待ちに待ったFOMCが開催され、予想を上回るタカ派な内容が発表されました。
23年に2回の利上げを予想するメンバーが増え、ブラード・セントルイス連銀総裁からは22年に利上げの可能性について発言があるなど、早期の利上げ論が出始めました。
このことにより、テーパリングも前倒しされるのではないかと期待が高まり、米ドル買いにつながりました。
今週は重要イベントが通過したことで、今まで様子見が続き動かない相場から動きやすい相場に転換すると思われます。
重要指標は少ないですが、要人発言や地政学、株価など色々な要因からボラティリティが高まり、取引のチャンスが生まれるのではないかと期待しています。
目次
◎今週の注目点
1)英中銀(BOE)金融政策発表
今週のBOEは政策金利・資産購入ともに据え置きが予想されています。
注目は声明文などから利上げ時期のヒントが出てこないかです。
英中銀にとって現在の金利水準は非常事態の金利水準だと考えていると思われます。
国民投票でBrexitが決まった後も0.25%まで金利を下げましたが、落ち着くとすぐに利上げし0.5%に戻しました。
このことから、コロナパンデミックで利下げした現在の金利も、コロナが落ち着けば利上げするのではないかと予想しています。
非常事態を抜けて利上げする時期がいつになるのか、声明文などからヒントが出てこないか注目です。
2)要人発言
先週FOMCが終了し、タカ派的な内容だったことから米ドル買いが進んでいます。
また、2022年の投票権を持つブラード・セントルイス連銀総裁のタカ発言によりさらにドル買いが進みました。
米国はテーパリング議論もそうですが、利上げ開始時期が22年なのか23年なのか、利上げ開始時期論についても注目が集まりそうです。
逆に欧州ではハト派な内容のECB理事会とハト派な内容の要人発言が続き、ユーロの頭は重くなっています。
今週も要人発言はハト派なアに要が続くと思われ、ユーロの頭を重くしそうです。
3)製造業・サービス業・総合PMI
今週は製造業・サービス業・総合PMIの速報値が発表されます。
以前ほど重要視されていませんが、それでもまだ動く指標ではあると思います。
また、速報値なので予想と結果が大きく乖離しやすいので注目です。
◎今週の注目通貨
1)米ドル
FOMCが通過して動きやすくなった米ドル、FOMCがタカ派だったことから米ドル買い方向が得に動きやすくなっています。
今週はパウエルFRB議長はじめ、FRB理事や21年・22年の投票権を持つ地区連銀総裁の発言から、テーパリングや利上げ時期についてのヒントが出てこないか注目です。
テーパリングや利上げに関する発言が出てくればドル買いに反応すると思われます。
また、経済指標では製造業・サービス業・総合PMIやPCEデフレーター、GDP、新規失業保険申請件数が予想を上振れすればテーパリングや利上げが前倒し期待が高まりドル買いが進むのではないかと思われます。
ドル買いを基本戦略として、指標結果や要人発言の内容と値動きにギャップ出ないか注目していきたいと思います。
2)ユーロ
ハト派色が強いECBの影響でユーロの頭は重くなっています。
また、米ドル買いが強くなったこともユーロの頭を重くしている要因の一つではないかと思われます。
今週のユーロは売りを基本戦略として、製造業・サービス業・総合PMIなどの発表でユーロが上昇したところなど売り場を探していきたいと思います。
また、ユーロ圏はトルコ債を多く抱えており、トルコの状況が影響します。
トルコリラの暴落はトルコのデフォルト危機に繋がるので、トルコリラの状況にも注目しておきたいと思います。
3)ポンド
先週、ロックダウンの完全解除を延期しましたが、ポンドには大した影響はありませんでした。
ただ、コロナが感染拡大し再度ロックダウンとなればポンドに影響する可能性があるので注目。
また、ポンドにとって重しとなりそうなのが、北アイルランド国境問題です。
こちらは先日のG7で、英国とEUで協議しましたが解決策が出てこず、問題が再燃しています。
今後、話がこじれてくればポンドの頭を重くしていくのではないかと注目しています。
あとは英中銀(BOE)の内容次第で、タカ派であればポンド買いが進むのではないかと思われ、内容をに注目しておきたいと思います。
内容を見て、今後のポンドの方針を決めたいと思います。
4)豪ドル
豪ドルは上値が重い展開を予想しています。
G7やNATOで中国包囲網が表明されたことで中国の反発が予想され、報復しやすい豪州に影響が出てくるのではないかと思われます。
また、今までコロナからの早期回復や、コロナ回復からの資源需要から豪ドルが買われてきましたが、米国が引き締め方向に動く期待が高まりドル買いが始まったことで、豪ドルに集まっていた資金が流出し始めたことが豪ドルの上値を重くしている要因の一つだと思われます。
先週、豪雇用統計で失業率が大幅改善したことや、NZのGDPが予想を上振れしたことで、オセアニアのコロナからの経済回復が見え豪ドル買いが進みましたが、上記の2点を考え基本は豪ドル売りで考えています。
今週はエリスRBA総裁補佐の発言に注目。
7月のRBA理事会で資産購入を再検討すると発表しているだけに、エリスRBA総裁補佐の発言から検討内容が見えてこないか注目、タカ派な内容なのかハト派な内容なのかによって豪ドルの流れが変わる可能性があるので注目しておきたいと思います。
5)カナダドル
カナダドルは豪ドル同様、資源国通貨としてカナダドルが進んでいましたが、米ドルが買われ始めたことで上値が重くなってきました。
また、木材価格の上昇も一服したこともカナダドルの上値を重くしている要因だと思われます。
ここからもう一段のカナダドル上昇に繋がるか原油価格と小売売上高に注目しています。
原油価格が80ドルを目指し上昇していけるようであればカナダドルの上昇に追い風となるのではないかと注目しています。
基本姿勢は様子を見ていて、カナダドルが売られすぎているようなところは買っていきたいと思っています。
特に原油価格が底堅く推移し80ドルを目指していくようであれば、売られたカナダドルを拾っていきたいと思います。
◎今週のイベントスケジュール
6月21日(月曜日)
10:30 AUD 豪小売売上高
19:30 EUR センテノ・ポルトガル中銀総裁発言
22:30 USD ブラード・セントルイス連銀総裁発
23:15 EUR ラガルドECB総裁発言
6月22日(火曜日)
04:00 USD ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁発言
06:00 NZD NZ Westpac消費者信頼感指数
23:00 USD 米中古住宅販売戸数
23:00 EUR ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)
23:30 USD メスター・クリーブランド連銀総裁発言
6月23日(水曜日)
00:00 USD デイリー・サンフランシスコ連銀総裁発言
02:00 USD 米2年債入札
03:00 USD パウエルFRB議長発言(議会証言)
08:50 JPY 日銀金融政策決定会合議事要旨(4月27日分)
12:15 AUD エリスRBA総裁補佐発言
16:15 EUR フランス製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
16:30 EUR ドイツ製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
16:30 EUR デギントスECB副総裁発言
17:00 EUR ユーロ圏製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
17:30 GBP 英製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
21:30 CAD カナダ小売売上高
21:30 CZK チェコ政策金利発表
22:00 USD ボウマンFRB理事発言
22:45 USD 米製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
23:00 USD 米新築住宅販売戸数
23:30 USD 原油在庫量
6月24日(木曜日)
EU首脳会議
00:00 USD ボスティック・アトランタ連銀総裁
02:00 USD 米5年債入札
17:00 EUR ドイツIFO景況指数
20:00 GBP 英中銀(BOE)政策金利・声明文・MPC投票配分発表
20:30 EUR パネッタECB専務理事発言
21:30 USD 米GDP(1~3月期)(確定値)・新規失業保険申請件数・耐久財受注
6月25日(金曜日)
00:00 USD ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁発言
00:30 EUR シュナーベルECB専務理事発言
02:00 USD ブラード・セントルイス連銀総裁発
02:00 USD 米7年債入札
04:00 MXN メキシコ政策金利発表
07:45 NZD NZ貿易収支
15:00 EUR ドイツGfk消費者信頼感指数
15:45 JPY 黒田日銀総裁発言
21:30 USD PCEデフレーター
23:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数
6月26日(土曜日)
00:35 USD メスター・クリーブランド連銀総裁発言
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント
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