2023年10月17日
英雇用や米小売り、加CPI(消費者物価指数)に加えて要人発言に注目! 「10月17日の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
昨日は大きなイベントもなく、目新しいリスク要因や要人発言も無かったことから様子見ムードの強い1日となりました。
週末にはニュージーランドで総選挙が実施され、野党国民党に与党労働党を破って政権交代が濃厚となっています。
国民党は過半数を確保できていないため、これからNZファースト党の支持を得て連立政権を樹立することとなります。
労働党はRBNZに対して物価目標だけでなく雇用の最大化も求めていたのに対して、国民党は物価目標のみ求めていく姿勢と言われており、新政権が樹立された場合にはRBNZのスタンスも変更されるのではないかと注目されています。
本日は英・米・加で経済指標が発表されますが、注目するのはリスク要因と要人発言ではないかと思っています。
目次
◎本日の注目点
1)要人発言
FRB
FRBは9月FOMCのドットチャートで年内あと1回の追加利上げが予想されています。
ただ、雇用統計とCPI(消費者物価指数)の結果を受けて追加利上げの可能性は30%程度まで低下しています。
11月のFOMCでは据え置きの可能性が高くなっている状況で、来週からはFOMC前のブラックアウト期間に突入します。
ブラックアウト期間突入前のFRB要人発言に注目です。
特に木曜夜、金曜早朝のパウエルFRB議長発言に要注目です。
ECB
欧州では景気悪化などから利上げ終了期待が高まっています。
来週にECB理事会を控えて、ECB要人から利上げ終了に関する発言が出てこないか注目です。
利上げ終了が意識されればユーロ売りが進むのではないかと思っています。
英中銀
英中銀は先日の金融政策発表で、サプライズの据え置きを選択しました。
特に英中銀のメンバーの多くが据え置きを支持していたことから、利上げ終了が意識されています。
要人発言から利上げ終了が感じられると一気に利上げ終了観測が高まり、ポンド売りが加速するのではないかと注目しています。
また、今週は英国の経済指標が多数予定されているので、指標結果を受けてタカ派発言が増えるのか、ハト派発言が増えるのか注目です。
日銀・政府
日銀はYCC(イールドカーブ・コントロール)の修正・撤廃論がたびたび話題に上がります。
月末に日銀金融政策決定会合を控えてることから、金融正常化やYCC(イールドカーブ・コントロール)の修正・撤廃についてヒントがないか発言に注目です。
また、ドル円は介入を警戒して150円を背にした水準で推移しています。
前回150円を超えたときは介入ではなかったと推測されています。
Bloombergは「日本が円相場を支えるために為替市場で介入を余儀なくされる要素はないと、国際通貨基金(IMF)は認識している」と報じています。
150円を手前で安定していることを考えるとボラティリティが高まったとは言えず介入実施にはハードルが上がってきているのではないかと思います。
介入について日銀や政府の発言には注目しておきたいと思います。
以下、去年の口先介入時のものです。
2)経済指標
英雇用統計・失業率・平均賃金
英中銀は前回の金融政策発表でサプライズの据え置きを選択しています。
インフレは今後低下するとの見方から、景気を優先させての据え置きだと思います。
景気を確認するためにどの程度の雇用があるのか、失業者が増えているのかに注目です。
また、英国のインフレ要因の一つである賃金インフレがどこまで低下しているのか、平均賃金にも注目です。
米小売売上高
米国は底堅い経済を背景に利上げを進めています。
年内あと1回の追加利上げが実施されるのかに注目が集まる中で、米国経済がどこまで底堅いのか小売売上高に注目です。
強い小売売上高が確認されれば追加利上げの可能性が高まるのではないかと注目しています。
カナダCPI(消費者物価指数)
原油高などから物価高が進んでいないか注目です。
インフレが高止まりするようであれば追加利上げの可能性が出てくるのではないか、金利が高まりカナダドルが買われるのではないかと注目しています。
特にカナダ中銀は米国に先行して金融政策を実施してきたので、カナダで追加利上げの可能性が高まれば、米国の追加利上げにも影響するのではないかと思っています。
3)リスク要因
米議会
米議会では下院議長の選任に注目しています。
9月末に10月からの新年度予算を巡り対立、政府機関の閉鎖をギリギリで回避し、つなぎ予算を成立させました。
ただ、その後にマッカーシー下院議長が解任され、現在は次期下院議長の選任を待つ状況です。
下院議長の選任が遅れれば、その後に行われる予算協議が遅れ、9月末に成立させたつなぎ予算の期限が切れて再度政府機関の閉鎖が警戒される展開となります。
米国のつなぎ予算は11月17日までの予定です。
また、現在中東情勢が不安定な状況で下院議長の選任が遅れれば、イスラエルへの支援決議が遅れ、来年の大統領選挙への影響も出てくるのではないかと注目しています。
中東情勢・ウクライナ情勢
イスラム組織ハマスとイスラエルの対立は激化し、中東情勢は悪化を続けています。
このまま悪化を続け第5次中東戦争に発展するなどした場合は原油価格の高騰により、世界的にリスクオフが進むのではないかと注目しています。
また、中東だけではなくウクライナ情勢など、中東から欧州にかけて緊張状態が続いており、周辺国でも武力衝突が出てきています。
簡単には発展しないとは思いますが、第3次世界大戦などが噂される展開にならないのか、中東・欧州の情勢に注意しておきたいと思います。
◎本日のイベントスケジュール
10月17日(火曜日)
09:30 AUD RBA理事会議事要旨
15:00 GBP 英雇用統計・失業率・平均賃金
18:00 EUR ユーロ圏・ドイツZEW景況感指数
18:05 GBP ディングラBOE外部理事
21:00 USD ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁発言
21:30 USD 米小売売上高
21:30 CAD カナダCPI(消費者物価指数)
22:20 USD ボウマンFRB理事発言
23:45 USD バーキン・リッチモンド連銀総裁発言
10月18日(水曜日)
02:00 EUR ナーゲル・ドイツ連銀総裁、デギントスECB副総裁発言
11:00 AUD ブロックRBA総裁発言
11:00 CNY 中国GDP、失業率、小売売上高