2022年5月22日
製造業・サービス業・総合PMIなど重要指標に注目! 「5月23日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週は株価下落からドル安が進み、今までのドル高トレンドが一服しました。
注目されていた豪ドルはRBA理事会議事要旨でタカ派な内容で豪ドル買いが進む場面もありましたが、その後強弱入り混じる指標結果から豪ドル買いが大きく進むという展開とはなりませんでした。
今週は月末に向かう週で重要指標の発表や、月末要因からボラティリティの大きい週になるのではないかと注目しています。
また、一服したドル高トレンドが再開するのか、それともトレンド転換するのかにも注目したいと思っています。
目次
◎今週の注目点
1)経済指標
製造業・サービス業・総合PMI
今週はフランス、ドイツ、ユーロ圏、英国、米国の製造業・サービス業・総合PMIが発表されます。
先日の米国フィラデルフィア連銀製造業景況指数が予想外の悪化でドル売りが進んだことから、景況感に注目が集まっていると見ています。
各国中銀の引き締め政策や物価高などから景気後退が懸念されています。
今後の景気の見通しを計る指標として製造業・サービス業・総合PMIが注目されていて、PMIの結果が悪いと今後の景気後退懸念に繋がり、通貨売りに繋がるのではないかと注目しています。
PCEデフレーター
FRBが政策判断に重要視している物価指標、PCEデフレーターに注目。
CPI(消費者物価指数)では物価の高止まりが見えて気ましたが、PCEデフレーターでは物価の高止まりが見えてくるのか、結果に注目です。
予想以上の結果が出てくるようだと、先月の数字以上の結果が出てくるようだと、物価を抑える為に利上げ幅が拡大するのではないかとの見通しからドル買いが進む可能性があるので注目です。
小売売上高
今週はカナダやNZ、豪州で小売売上高が発表されます。
物価高から消費が低下し、景気後退が懸念されている状況です。
小売売上高が予想よりも弱い結果となると、消費意欲が低下していると受け止められ景気後退懸念に繋がり、中銀の引き締め政策が慎重姿勢に変わるのではないか。
通貨売りに繋がるのではないかと注目しています。
2)リスク要因
株安リスク
各国中銀の引き締め政策や、物価高からくる景気後退懸念から株価下落のリスクが大きくなっています。
先週も株価下落によるリスクオフ相場が続きました。
今週も株安によるリスクオフ相場に注目です。
株安要因としては、経済指標と資源価格に注目したいと思います。
ウクライナや中国などの地政学リスクから資源価格などが上昇すると景気後退リスクが高くなり株安が進むのではないかと注目しています。
経済指標については、弱い数字が出てくると景気後退懸念から株安、強すぎる数字が出てくるとさらなる引き締め懸念に繋がり株安が進む可能性があります。
株価の動きに注目しておきたいと思います。
ウクライナ情勢
ロシアのウクライナ侵攻は決定的な結果が出ないまま、ロシアの侵攻が続いています。
そんな中、スウェーデンとフィンランドの2カ国がNATO加盟を正式に申請したことでロシアの報復措置とトルコの動向に注目が集まっています。
スウェーデンとフィンランドのNATO加盟は、NATOの東方拡大だとロシアは批判しており、報復措置をとるのではないかと注目されています。
ポーランドやブルガリアに対して天然ガスの供給を停止しており、フィンランドにも天然ガス供給を停止するのではないかとの噂が出ています。
天然ガスの供給が停止となると欧州の天然ガス価格が上昇し、さらに物価高による景気後退が懸念される展開となりそうです。
また、スウェーデンとフィンランドのNATO加盟についてトルコが反対しており、加盟を認めるのか、どのような条件を出してくるのかにも注目です。
英国政治リスク
先日の地方議会選挙で大敗し、与党の支持率が下がり、ボリス・ジョンソン首相の辞任など政権リスクが高まっています。
また先週の物価指標では前年比9%と、かなりの物価高が進んでおり、政権批判が高まっています。
その他にも北アイルランド議定書に関する問題など、英国の離脱に関する問題が再燃する可能性もあります。
英国の政治リスクに関するヘッドラインに注目です。
中国景気
中国はゼロコロナを目指してロックダウンを継続していますが、6月くらいから徐々に解除していくのではないかと見られています。
順調にロックダウン解除に向かえば問題ないですが、再度ロックダウン拡大や、解除の延期などの報道が出てくるとリスクオフが進むのではないかと思われます。
中国のロックダウンが継続されるとサプライチェーンの混乱に繋がり世界的な製造業に影響します。
また、中国景気の後退は世界的な景気に影響します。
中国の動向でリスクオフが進んだり、後退するので、中国の動向に注目です。
3)金融政策
FOMC議事要旨
FRBの引き締めがどこまで進むのか、物価を抑えることができるのか、景気後退は大丈夫なのか、議事要旨の内容に注目です。
議事要旨の内容を受けて米金利が上昇するのか、ドル買いが再開するのか、議事要旨の発表に注目です。
RBNZ理事会
前回0.5%利上げを発表し、今回も0.5%利上げが予想されています。
主要中銀の中では先行して利上げを進めるRBNZが、今回も0.5%利上げを進めるのかに注目です。
また、声明文で今後の利上げがどのように進めるつもりなのか、経済見通しについてどのように考えているのかにも注目です。
タカ派な内容になるようであればNZドル買いが出てくる可能性があり、逆に打ち止め感が見えてくるようであればNZドル売りが出てくる可能性があるので注目しておきたいと思います。
4)要人発言
ECB要人
ECBは6月理事会でAPP(資産購入プログラム)を終了し、7月利上げ示唆するのではないかとの観測が高くなってきています。
ECB要人の発言から、7月利上げに関する発言が出てくるのか、景気見通しや物価見通しについてどのような発言が出てくるのか注目です。
7月利上げの可能性が高まればユーロ買いが進む可能性が高いので注目しています。
BOE要人
英国は前年比9%の物価高と、高い人件費から物価を抑えるために利上げを進めたいと思われます。
ただ、物価高による消費の低下など景気後退の懸念も同時に高まっており、スタグフレーションの懸念が出ています。
景気を優先して引き締めを遅らせるのか、物価を優先して引き締めを加速させるのか、発言内容に注目しています。
景気を後退させずに引き締めを進めることができるようであればポンド買いですが、景気後退の可能性から引き締めを遅らせるようであればポンド売りが加速する可能性があるのではないかと注目しています。
FRB要人
米国は0.5%利上げを示唆していることから、注目は今後の利上げ幅と景気の後退についてです。
特に、利上げを進めることで景気が大きく冷え込むのではないかとの懸念が強くなってきています。
今後の景気見通しについてと利上げについての発言、また発言後の米株価の動きに注目しておきたいと思います。
引き締めを進めるタカ派発言が出てきても、景気後退が懸念されれば株価が下落しドル売りが進む可能性があるのではないかと注目しています。
◎今週のイベントスケジュール
5月23日(月曜日)
世界経済フォーラム(WEF)年次総会
ユーロ圏財務相会合
08:05 AUD ケントRBA総裁補佐発言
17:00 EUR ドイツIFO景況感指数
23:15 EUR ホルツマン・オーストリア中銀総裁、ナーゲル・ドイツ連銀総裁発言
23:15 GBP ベイリーBOE総裁発言
23:30 EUR ビルロワ・フランス中銀総裁発言
5月24日(火曜日)
世界経済フォーラム(WEF)年次総会
01:15 GBP ベイリーBOE総裁発言
01:15 EUR ナーゲル・ドイツ連銀総裁発言
07:45 NZD NZ四半期小売売上高
08:00 USD ジョージ・カンザスシティ連銀総裁発言
08:00 AUD 豪製造業・サービス業PMI
08:05 AUD ケントRBA総裁補佐発言
16:15 EUR フランス製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
16:30 EUR ドイツ製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
17:00 EUR ユーロ圏製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
17:30 GBP 英製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
22:45 USD 米製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
23:00 USD 新築住宅販売戸数
5月25日(水曜日)
世界経済フォーラム(WEF)年次総会
02:00 USD 米2年債入札
08:45 AUD エリスRBA総裁補佐発言
11:00 NZD RBNZ理事会・政策金利・声明文発表
15:00 EUR ドイツGDP(改定値)
16:00 EUR レーン・フィンランド中銀総裁、パネッタECB専務理事発言
17:00 EUR ラガルドECB総裁発言
20:05 JPY 黒田日銀総裁発言
21:30 USD 米耐久財受注
23:30 USD 原油在庫量
5月26日(木曜日)
世界経済フォーラム(WEF)年次総会
02:00 USD 米5年債入札
03:00 USD FOMC議事要旨
20:00 TRY トルコ政策金利発表
21:30 USD 米GDP(改定値)・失業保険申請件数
21:30 CAD カナダ小売売上高
23:00 USD 中古住宅販売戸数
5月27日(金曜日)
02:00 USD 米7年債入札
10:30 AUD 豪小売売上高
20:35 USD ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁発言
20:35 EUR レーンECB専務理事兼主席エコノミスト発言
21:30 USD 米PCEデフレーター
23:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)
5月28日(土曜日)
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント