2024年8月26日
週末のPCEデフレーターに注目! 「8月26日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週末は植田日銀総裁の意見聴取とジャクソンホール・シンポジウムに注目が集まっていましたか、どちらも想定内の発言でした。
植田日銀総裁は緩和調整に慎重な姿勢を示し、副総裁との金融政策の考え方に相違はないとしました。
ただ、注目されてはいましたが、予想通りの内容だったために反応は限定的でした。
ジャクソンホール・シンポジウムでのパウエルFRB議長の発言も予想通り9月利下げを示唆する内容となりました。
物価見通しも楽観的で、雇用市場の悪化に注目している、雇用の最大化に重きを置いている内容となりました。
先週発表された労働統計局の年次改定で雇用者数が下方修正されたこともあり、マーケットは今後の利下げを織り込むようにドル売りが進みました。
今週は月末週ということでリバランスなどの特殊フローに注意しながら、ドル売りがどこまで進むのか、リスクオフが進むのか注目しておきたいと思います。
目次
◎今週の注目点
1)リスク要因
中東情勢
イスラム教シーア派のヒズボラがイスラエルに向けて数百発のロケット弾やドローンを発射するなど中東情勢の緊張感が高まっています。
ヒズボラの指導者は報復の第一段階は完了したとしながらも「結果が不十分なら別の機会に対応する権利を留保する」と述べ、追加の報復攻撃の可能性を残しています。
イスラエル側は全面戦争は求めていないと述べた一方で、「物語はこれで終わりではない」と警告をしています。
今後も報復行動が続き、緊張感が高まっていくとリスクオフが進むのではないかと注目しています。
ウクライナ情勢
ウクライナはロシアに攻撃し侵攻しています。
今まではロシアがウクライナに侵攻していましたが、直近ではウクライナも積極的に侵攻しています。
段々と攻撃が過激にならないか、ロシアとウクライナ情勢の緊張感が高まり、戦術核の使用などが噂となればリスクオフが進むのではないかと注目しています。
日米選挙
日本では9月27日に自民党総裁選が予定されており、その先には解散総選挙が注目されています。
誰が総裁・首相となり、解散総選挙で自民党が安定議席数を確保できるのかで、今後の政権運営が安定するのか決まるのではないかと思います。
政権が不安定となればリスクオフが進むのではないかと注目しています。
米国では大統領選挙に注目が集まっています。
一時はトランプ元大統領が当選するのではないかとの観測が進んでいましたが、ハリス副大統領の支持率が上昇しており、一部ではハリス候補がトランプ候補を超えたと報じられています。
それぞれの候補が大統領になった場合にどのような政策を打ち出すのか、大統領選挙に繋がるヘッドラインが出てこないか注目しています。
2)経済指標
豪CPI(消費者物価指数)
豪州RBAは先日のRBA理事会議事要旨でタカ派姿勢を示したことで、利下げまでの期間が遠いのではないかと見られています。
CPI(消費者物価指数)の結果が市場予想をしたまわれば、利下げ期待が高まるのではないかと思います。
逆にCPI(消費者物価指数)の結果が市場予想を上回ると、さらに利下げまで時間がかかるとみられ、豪ドル買いが進むのではないかと注目しています。
ドイツHICP(消費者物価指数)(速報値)
ドイツは欧州最大の経済国です。
ドイツの物価が低下していれば利下げ期待が進むのではないかと思います。
特に今回は速報値なので予想と結果が乖離する可能性が高いため、注目しておきたいと思います。
米GDP(改定値)、失業保険申請件数
今回のGDPは改定値のため、予想通りの結果が出てくる可能性が高いのではないかと思います。
特に注目しているのは失業保険申請件数で、FRBが雇用市場に注目しているため、雇用関連の指標の注目度が高くなっています。
失業保険申請件数は毎週発表されるため、雇用指標の中でも先行指標として注目されています。
失業保険申請件数が悪化していれば、来週の雇用統計が悪化し、利下げ期待が進むのではないかと注目しています。
カナダGDP
カナダの景気が悪化していれば追加利下げの期待が高まるのではないかと思います。
カナダは主要国の中でも先行して利下げを進めているため、カナダ景気が悪化し利下げを進めた場合は米国などの利下げ期待にも繋がるのではないかと注目しています。
PCEデフレーター
パウエルFRB議長はジャクソンホール・シンポジウムでの発言で、物価の2%目標は達成されるとハト派な内容となっています。
そのハト派発言で利下げ期待からドル売りが進みました。
FRBが物価指標として最も注目しているPCEデフレーターが順調に低下しているのか、市場予想を下回るのか注目です。
順調に物価の低下が確認できればドル売り、市場予想を上回り物価が高止まりしているような結果が出てくるとドル買いで反応し、先週下げた分を戻す可能性があるのではないかと思います。
3)要人発言
翌週はカナダ中銀、翌々週にはECB理事会、その次の週にはFOMCや英中銀、日銀の金融政策発表が控えています。
追加利下げの可能性について発言が出てこないか注目です。
特に、年内あと何回の利下げがあるのか、来年の利下げ回数、利下げのペースについての発言に注目です。
ハト派な内容が出てくると通貨売りが進むのではないかと考えています。
最もハト派なのがカナダ中銀で、その次にECB・英中銀・FRBと続きます。
日銀に関しては追加利上げの可能性に注目なので、タカ派な発言が出てこないかに注目です。
9月はさすがにないと思いますが、10月利上げの可能性が出てきており、追加利上げの有無と併せて次期に関する発言に注目です。
◎今週のイベントスケジュール
8月26日(月曜日)
英国休場(サマーバンクホリデー)
21:30 USD 米耐久財受注
8月27日(火曜日)
19:45 EUR クノット・オランダ中銀総裁発言
22:00 USD 米住宅価格指数
23:00 USD 米消費者信頼感指数、リッチモンド連銀製造業景況指数
23:00 EUR ナーゲル・ドイツ連銀総裁発言
8月28日(水曜日)
02:00 USD 米2年債入札
10:30 AUD 豪CPI(消費者物価指数)
21:15 GBP マンBOE外部理事発言
23:30 USD 原油在庫量
8月29日(木曜日)
02:00 USD 米5年債入札
07:00 USD ボスティック・アトランタ連銀総裁発言
18:15 EUR レーンECB専務理事兼主席エコノミスト発言
21:00 EUR ドイツHICP(消費者物価指数)(速報値)
21:30 USD 米GDP(改定値)、失業保険申請件数
23:00 USD 米住宅販売保留指数
8月30日(金曜日)
02:00 USD 米7年債入札
10:30 AUD 豪小売売上高
15:45 EUR フランスHICP(消費者物価指数)(速報値)
16:35 EUR シュナーベルECB専務理事、レーン・フィンランド中銀総裁、カザークス・ラトビア中銀総裁、シムカス・リトアニア中銀総裁、ミュラー・エストニア中銀総裁発言(パネルディスカッション)
16:55 EUR ドイツ雇用統計・失業率
18:00 EUR ユーロ圏HICP(消費者物価指数)(速報値)
21:30 CAD カナダGDP
21:30 USD 米PCEデフレーター
23:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)・期待インフレ率