金融政策発表ラッシュ! 「6月22日の注目点とイベントスケジュール」

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2023年6月22日

金融政策発表ラッシュ! 「6月22日の注目点とイベントスケジュール」

記事を書いた人:岡ちゃんマン

 

昨日の英CPI(消費者物価指数)は前年比で市場予想を上回り、前回値と同じ水準でインフレの高止まりが確認されました。

また、変動の激しいエネルギーや食品を除いたコア指数は右肩上がりで上昇を続けています。

このことで、英中銀の利上げは加速するのではないかとの観測が高まり、本日の金融政策発表もサプライズの0.5%利上げの期待が高まり一時ポンド買いが加速しました。

ただ、その後発表された英公的債務残高が対GDP比で1961年3月以来の100%超えとなったことで財政リスクが高まってきていることが嫌気されポンド売りが進みました。

 

NY市場では注目されていたパウエルFRB議長の議会証言の事前原稿が公表され、タカ派姿勢が確認されたことで金利は上昇しドル買いが進みました。

ただ、質疑応答では「利上げの初期段階ではスピードが重要だったが、現在はそれほど重要ではない」「より緩やかなペースで金利を引き上げるのが合理的かもしれない」と積極的な利上げよりは、様子を見ながらの利上げという表現に市場予想よりもタカ派色が弱かったことから米金利は低下しドル売りが進みました。

また、銀行の規制強化にも触れたことで、貸出規制などが引き締め効果に繋がることから追加利上げ期待の後退にもつながり、景気後退も懸念されドル売りが加速しています。

 

本日はスイスや英国、トルコ、ノルウェー、メキシコなど政策金利発表が多数予定されています。

特に英国やトルコはサプライズ期待が高まっており、注目度が高まっています。

目次

◎本日の注目点

 

1)金融政策

 

スイス中銀(SNB)

注目度:やや高い

織り込み度:0.25%の利上げを織り込み済み

バイアス:特になし

ポイント:利上げ見通しと銀行信用不安

 

スイスでも物価高が進んでいて、ジョーダンSNB総裁は追加利上げを示唆しており、0.25%の利上げが織り込まれています。

注目は物価見通しや経済見通し、追加利上げの可能性に集まっています。

追加利上げの可能性が高まればフラン高に繋がるのではないかと思います。

また、米中堅銀行SVBの破綻に始まった銀行信用不安が飛び火し、クレディスイスはUBSに買収されることとなりました。

銀行信用不安は落ち着いてきているのか、それとも燻ぶったままなのか声明や発言に注目です。

 

 

 

英中銀

注目度:高い

織り込み度:0.25%の利上げを織り込み済み

バイアス:ポンド買い圧力がやや高め

ポイント:利上げ幅とMPC投票配分、利上げ見通し

 

英国は米欧と比べて格段に高いインフレを記録しています。

米欧ではインフレの低下も見えはじめ利上げの終了を意識されていますが、英国はインフレは高止まりしている状況で追加利上げの加速が意識されています。

米欧の中銀がハイペースで利上げを進める中、英中銀は利上げに消極的でした。

このことがインフレ高止まりの要因となっていて、中銀の失策なのではないかといわれています。

なので、市場予想では0.25%の利上げとなっていますが、利上げ幅を加速させ0.5%の利上げのサプライズが出てこないか注目しています。

また、英中銀はきんっゆ政策決定の投票配分も同時に発表されているので、どのような投票配分になったのか?

0.5%利上げを支持した人はいないのか?

にも注目、利上げ見通しに注目したいと思います。

 

 

 

トルコ中銀

注目度:高い

織り込み度:利上げは織り込んでいるが利上げ幅は15%~30%の間で予想が分かれている

バイアス:トルコリラ買い

ポイント:金融政策の方向性

 

トルコはエルドアン大統領のもと金利を引き下げることでインフレは低下するという独特の金融政策を進めていました。

ただ、そのせいでトルコリラは大きく売られ、安値を更新し続けてきました。

先週エルドアン大統領はトルコ中銀の総裁を変更し、利上げを進めることを示唆しました。

トルコ中銀の利上げを織り込むようにトルコリラは上昇を始めています。

市場予想では15%~30%の利上げを予想しており、利上げ幅についてはコンセンサスが決まっていない状況です。

そのため、利上げ幅が発表されたときには大きくトルコリラが買われるのではないかと思っています。

また、タカ派になったトルコ中銀の政策スタンスを継続していくのかも併せて注目しています。

 

 

 

2)経済指標

 

日本CPI(消費者物価指数)

先週、日銀は大規模緩和の継続を発表し、YCC(イールドカーブ・コントロール)の修正は継続の効果と副作用を比較して判断するとして修正の可能性を残しています。

日銀がYCC(イールドカーブ・コントロール)の修正に動くのかの判断材料としてCPI(消費者物価指数)に注目しています。

5月コアCPI(消費者物価指数)は前年比+3.1%と予想されており、4月の前年比+3.4%から低下が見込まれていますが、日銀が注目しているコアコアCPI(消費者物価指数)の4月分は前年比4.1%と41年9カ月ぶりの上昇幅を記録しており、5月も上昇基調にあるのかに注目しています。

コアコアCPI(消費者物価指数)が上昇基調にあった場合はYCC(イールドカーブ・コントロール)の修正の可能性が高まり、円買いが進む可能性があるので注目です。

 

 

 

3)リスク要因

 

円買い介入

先週、日銀が大規模緩和の継続を発表したことで円安が進んでいます。

ドル円の142円が見えて円買い介入の警戒感が出てきています。

再度の三者会合や口先介入などのリスクには注意しておきたいと思います。

介入は価格ではなくボラティリティ、急速な円安に対応といっており、介入水準は「ボリンジャーバンド+2σ付近だった」ことが一部では意識されています。

円安のスピードにも注意したいと思います。

 

 

 

銀行信用不安

イエレン財務長官は銀行幹部らに「一連の銀行破綻を受け一段の銀行合併が必要になる可能性がある」と警告したとの報道もあり、次の銀行破綻や合併が発表されるのではないかと注目が集まっています。

銀行からの資金流出、銀行への規制強化、破綻や合併など銀行に関するヘッドラインが出てこないか注目です。

銀行の信用不安が広がるとリスクオフが進み、FRBの利上げ期待後退、年内利下げ期待が高まるのではないかと思っています。

また、銀行の信用不安は規制強化に繋がり、規制強化は金融引き締めと同じ効果が出てきます。

パウエルFRB議長の半期に一度の議会証言で、銀行の信用不安に関する発言が出てこないかにも注目したいと思います。

 

 

 

 

◎本日のイベントスケジュール

 

 

6月22日(木曜日)

 

16:30 CHF スイス国立銀行(SNB)金融政策発表

17:00 NOK ノルウェー金融政策発表

17:00 USD ウォラーFRB理事発言

18:15 EUR パネッタECB専務理事発言

20:00 TRY トルコ金融政策発表

20:00 GBP 英中銀政策金利・声明文・MPC投票配分発表

21:00 EUR ナーゲル・ドイツ連銀総裁発言

21:30 USD 米失業保険申請件数・貿易収支

22:55 USD ボウマンFRB理事発言

23:00 USD 米中古住宅販売件数

23:00 EUR ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)

23:00 USD パウエルFRB議長発言(米上院銀行委員会で金融政策に関する半期に一度の証言)

23:00 USD メスター・クリーブランド連銀総裁発言

 

 

6月23日(金曜日)

 

00:00 USD 原油在庫量

04:00 MXN メキシコ金融政策決定会合

05:30 USD バーキン・リッチモンド連銀総裁発言

08:30 JPY 日本CPI(消費者物価指数)・コアCPI(消費者物価指数)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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