2021年8月1日
雇用統計・政策発表などに注目! 「8月2日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週は週前半に中国当局が規制強化に動いたことで世界的に株価が下落しリスクオフとなりました。
混乱を懸念した中国当局が対処したことでリスクオフは後退しました。
また、注目されていたFOMCは、声明文で前向きな内容が出てきてドル買いが進んだかと思えば、パウエルFRB議長の記者会見でハト派姿勢を強調したことでドル売りが進む結果となりました。
米GDPが予想を大きく下回る結果だったことも引き締め期待後退に繋がり、米ドルは横ばいで方向感を模索する展開となっています。
今週は月初めの週で、夏休み前の1週間です。
来週からは夏休みに入り取引量も低下してくると思われるので、今週の取引チャンスはしっかりと掴みたいと思います。
また、夏休み前のポジション調整もしておきたい、気を付けておきたいと思います。
目次
◎今週の注目点
1)金融政策発表
RBA理事会
7月の会合で資産購入の延長と減額を発表している為、今回の会合では政策変更はないと思われます。
注目は声明文でこの先の政策と経済見通しについてです。
一時はお隣ニュージーランドに続き、引き締めに動くのではないかと期待されましたが、コロナ感染者拡大によるロックダウンなどから追加緩和の噂も出てきています。
ロックダウンに関しては延長も発表されている状況で、今後の豪州経済見通しは下方修正されるのか、追加緩和を匂わせるようなハト派な内容になるのか注目です。
Super Thursday
今週のBOE(英中銀)金融政策発表は、四半期に一度のインフレーションレポートが同時発表される「Super Thursday」で注目度の高い政策発表です。
英国はコロナによる規制をほぼ解除し、通常の活動に戻しています。
ただ、ニュージーランドと違い感染者がいないわけではなく、ワクチン接種が進んだことで感染者が出ても重傷者は減るだろうとの考えのようです。
この考えのもと規制解除した英国経済がどのような見通しなのか、引き締めに動くのか注目です。
前回の資産購入引締めに投票していたホールデンBOE主席エコノミストは任期満了に伴い退任しているため、8人で投票を行います。
前回とメンバーのスタンスが変わっていない場合は、8名ともハト派で資産購入減額は0票となります。
8名の中で何名がタカ派にスタンスを変えているのか、資産購入の減額に投票するのか注目です。
資産購入の減額に投票されればポンド買いに繋がるのではないかと思われます。
2)雇用統計
ADP雇用統計・NFP雇用統計
先週の米GDPは予想を大きく下回り、FRBが注目しているPCEデフレーターの結果もそこそこで、FRBの引き締め期待には繋がっていません。
マーケットの注目は今週の雇用統計に移っており、強い雇用が示されれば月末のジャクソンホール・シンポジウムで引き締め発表期待に繋がるのではないかと注目されています。
米国では、失業給付の上乗せ措置は7月で終了しており、労働参加率の引き上げの追い風になるのではないか、雇用者数のポジティブサプライズの要因となるのではないかとの予想が出ています。
雇用統計発表までにどのくらい強い雇用期待が織り込まれるのか、どのくらいの予想が出てくるのか注目です。
予想の数字が高くなればなるほどドル買いが進み、結果発表時に失望のドル売りに繋がる可能性があるので発表当日の予想値にも注目です。
NZ雇用統計
ニュージーランドは主要国でコロナ感染者数の抑え込みに成功している国で、経済活動の正常化が進んでいます。
どこまで正常化が進んでいるのか、雇用がどこまで回復しているのか、今週の四半期雇用統計に注目です。
ニュージーランドは年内利上げ期待が出ており、今週発表の雇用統計が強ければ年内2回の利上げ期待も高くなり、ニュージードルの買いに繋がるのではないかと思われます。
カナダ雇用統計
カナダは引き締めが進んでいますが、その割にはカナダドル買いに繋がりにくくなっています。
今週発表の雇用統計でカナダ中銀の利上げ期待が高まるのか、カナダドル買いに繋がるのか注目です。
雇用統計の結果でカナダドルの動きに方向感が出てくるのか注目です。
3)リスク要因
デルタ株の感染拡大で各国の規制が強化され、経済の後退懸念が出始めています。
このことから株価は軟調になりがちでリスクオフに繋がりやすくなっています。
その上で、中国当局の動きや米中対立、米国の財源問題、欧州と英国の国境問題など、リスク要因が重なりリスクオフになります。
リスクオフになった場合、株価下落が顕著に表れることから日米欧中の株価には要注目です。
なかでも今週特に注目しているのは米国のインフラ投資法案と債務上限についてです。
インフラ投資法案は無事通過すると思いますが、債務上限については今週駆け引きがあるのではないかと思います。
米議会は9日より休会となるので、それまでに債務上限の引き上げか、上限の適用を一時停止する特例措置を決定したいと思われます。
8月15日には米国債の償還利払いがあるので、8月より債務上限が復活した状況では米政府の財源が足りなくなり、デフォルトの可能性が出てきます。
デフォルト懸念からリスクオフになる可能性があるので、米議会や債務上限には注意しておきたいと思います。
◎今週の注目通貨
1)米ドル
基本は押し目買い。
今週の米ドルは、方向感を模索する展開が続くと思われます。
注目したいのは、雇用統計とISM、そして債務上限問題についてです。
ISM製造業景況指数やISM非製造業景況指数、ADP雇用統計の結果が予想と大きく乖離しない限りは往って来いになりやすく、週末のNFP雇用統計待ちとなりそうです。
債務上限問題などからリスクオフが進めばドル買いに繋が可能性があります。
雇用統計が終わり、引き締め期待が高まればドル買いが進む可能性があるので、ドル売りが進んだ場合に米ドルの押し目買いをしていきたいと思います。
2)ポンド
Super Thursdayの結果待ち。
今週は金融政策発表があり、注目度の高い「Super Thursday」なので、結果をしっかりと見極めて今後のポンド戦略を立てたいと思います。
週前半はSuper Thursdayを控えて様子見の方向感を模索する展開が予想され、ポジティブな内容や引き締め期待が高まり織り込まれればポンド買いが進む可能性はありますが、慌てて乗っかると発表でやられる可能性があるので注意しておきたいと思います。
3)NZドル
基本は買い目線。
ニュージーランドは年内利上げ期待が高まっていることから買いやすい通貨だと見ています。
ただ、米ドル買いが進むと相対的に売られるので米ドルの動向は注意しておきたいと思います。
また、今週は雇用統計があるので、良い結果が出てきた場合はニュージードル買いを考えています。
弱い結果が出た場合はどこまで下落するのか、下落が限定的であった場合は拾って買いたいと思います。
4)豪ドル
基本は売り目線。
ニュージードルと違い追加緩和の噂などが出るほど、豪州経済はダメージを受けているのではないかと思われます。
今週は金融政策発表や金融政策報告などが予定され、ハト派姿勢が強調されるのではないかと予想しています。
また、リスクオフが進んだ場合なども売られやすくなるので、日米欧中の株価などを見ながら豪ドルを売っていきたいと思います。
5)カナダドル
基本は様子見だが、雇用統計の結果次第。
週前半はリスク要因に左右される展開が予想されます。
リスクオンになれば買われ、リスクオフになれば売られるといった展開。
週末の雇用統計の結果を受けて、カナダドルの方向感が出てくれば取引したいと思います。
現状ではカナダドルの上値が重たいので、売りたいと思っています。
◎今週のイベントスケジュール
8月2日(月曜日)
10:45 CNY 財新製造業PMI
16:45 EUR イタリア製造業PMI(改定値)
16:50 EUR フランス製造業PMI(改定値)
16:55 EUR ドイツ製造業PMI(改定値)
17:00 EUR ユーロ圏製造業PMI(改定値)
17:30 GBP 英製造業PMI
22:45 USD 米製造業PMI(改定値)
23:00 USD ISM製造業景況指数
8月3日(火曜日)
13:30 AUD RBA理事会・政策金利・声明文発表
16:00 TRY トルコCPI(消費者物価指数)
8月4日(水曜日)
07:45 NZD NZ雇用者数増減・失業率
10:45 CNY 財新サービス業PMI
16:45 EUR イタリア総合・サービス業PMI(改定値)
16:50 EUR フランス総合・サービス業PMI(改定値)
16:55 EUR ドイツ総合・サービス業PMI(改定値)
17:00 EUR ユーロ圏総合・サービス業PMI(改定値)
17:30 GBP 英総合・サービス業PMI(改定値)
21:15 USD ADP雇用統計
22:45 USD 米総合・サービス業PMI(改定値)
23:00 USD ISM非製造業景況指数
23:30 USD 原油在庫量
8月5日(木曜日)
10:30 AUD 豪貿易収支
17:30 GBP 英建設業PMI
20:00 GBP Super Thursday・英中銀政策金利・声明文・MPC投票配分・インフレーションレポート発表
21:30 USD 米貿易収支・新規失業保険申請件数
21:30 CAD カナダ貿易収支
8月6日(金曜日)
08:00 AUD ロウRBA総裁発言
10:30 AUD RBA四半期金融政策報告
20:00 MXN メキシコCPI(消費者物価指数)
21:30 USD NFP雇用統計・平均時給・失業率
21:30 CAD カナダ雇用者数増減・失業率
23:00 CAD IveyPMI
8月7日(土曜日)
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント
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