2022年6月5日
ECB理事会やRBA理事会、金融政策発表に注目! 「6月6日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週ADP雇用統計が予想よりも悪い結果だったため期待値が下がっていたところに、週末のNFP雇用統計が予想以上の結果だったことからドル買いが進み、円安と相まってドル円が上昇しました。
ドル円は130円台後半、131円台にチャレンジする展開となっています。
今週はRBAやECBから金融政策発表を控え、注目のCPI(消費者物価指数)も週末に控えていることから、動きにくい展開が予想されます。
また、FOMCや英中銀も来週に控えており、ブラックアウト期間で要人発言もありません。
このことから材料に乏しく、動きにくい展開が予想されます。
目次
◎今週の注目点
1)金融政策
ECB理事会
注目度:かなり高い
織り込み度:APP(資産購入プログラム)の終了は織り込み済み
バイアス:ユーロ買い
ポイント:7月理事会に向けて利上げ示唆とスタッフ予想
欧州では物価上昇を抑える為に引き締め観測が高まっています。
7月利上げはほぼ織り込み済みで、今回の理事会声明文、もしくはラガルドECB総裁の記者会見から、次回利上げ幅注目が0.25%なのか0.5%なのかの見極めに注目が集まっています。
0.5%利上げの可能性が出てくるようであればユーロ買いが進むのではないかと注目しています。
また、7月利上げだけでなく、9月利上げや12月など年内でプラス金利まで利上げするのかにも注目です。
今回は四半期ごとに発表されるスタッフ予想が出てくると思ので、こちらにも注目です。
物価高、ウクライナ侵攻、ECBによる引き締め政策などが欧州の経済にどのような影響が出てくるのか、見通しに注目です。
景気見通しが底堅いようであれば、ECBも引き締めを進めやすく、ユーロ買いが進むのではないかと注目しています。
RBA理事会
注目度:高い
織り込み度:0.25%利上げ織り込み済み
バイアス:特になし
ポイント:利上げ幅と次回利上げの可能性
今回の理事会で利上げすることはほぼ織り込み済みですが、先日発表された5月理事会議事要旨では0.4%の利上げも検討されたとあったことから、今回の理事会でも0.25%を上回る0.4%利上げの可能性もあるのではないかと注目しています。
今回の利上げ幅が0.25%以上だった場合は豪ドル買いが出てくると思っています。
また、声明文で次回以降も引き締めを進めるといったタカ派な内容でも豪ドルはそこが高く推移すると思っています。
声明文で引き締めによるマイナスの影響に触れたり、今後の引き締めに慎重な姿勢が見える内容だった場合は、豪ドル売りが出てくる可能性があるので注意しておきたいと思います。
2)経済指標
米CPI(消費者物価指数)
今週は注目の物価指標が発表されます。
前回のCPI(消費者物価指数)で米国物価上昇のピークアウトが見えてきました。
今回のCPI(消費者物価指数)でピークアウトを再確認できるか、それとも物価上昇が再開するのか、結果に注目です。
ただ、結果と値動きについては予測できない状況です。
物価上昇→FRBの引き締め加速→金利上昇→株価下落→リスクオフのドル買い
物価上昇→スタグフレーション懸念→ドル売り
物価下落→FRBの引き締め後退→金利低下→ドル売り
物価下落→スタグフレーション懸念後退→ドル買い
色々なパターンが考えられます。
CPI(消費者物価指数)の発表と値動きからマーケットの考え方を確認したいと思います。
ミシガン大学消費者信頼感指数
米国ではFRBの過度な引き締めと物価高から景気後退が懸念されています。
今回の消費者信頼感指数は速報値なので予想と結果が乖離する可能性が高く、下方に乖離した場合は大きくドル売りが進む可能性があるので注意したいと思います。
カナダ雇用統計
カナダ中銀も大きく引き締めを進めている状況です。
雇用状況がしっかりしていれば、さらに引き締めを進めることができるのではないかと思います。
雇用統計に注目しておきたいと思います。
3)リスク要因
円高リスク
先日、黒田日銀総裁の発言で出口戦略という言葉が出てきたことで円高に進む場面がありました。
主要中銀が引き締めに動く中で、日銀が緩和政策を続けることで円安が進んでいます。
マーケット全体も円安に傾いている状況なので、日銀が出口戦略に向かうという観測が出た場合はイッキに巻き戻しの円買いが出る可能性があるので注意しておきたいと思います。
ロシアリスク
ロシアの侵攻は続いており、決定的な結果が出てきていない状況です。
NATO加盟国が増える中でロシアが新たな制裁や行動に移した場合はリスクオフが進む可能性があるので注意しておきたいと思います。
特に生物兵器・化学兵器・核兵器などを使用した場合は要注意です。
また、ロシアは米国がウクライナに武器供与することは直接参加しているのと同じだという発言をしており、米国への攻撃や制裁など米露の対立に発展する可能性があるのでこちらも注意しておきたいと思います。
英国政治リスク
英国ではボリス・ジョンソン首相の辞任圧力が高まっており、政治リスクが高くなっています。
また、北アイルランド議定書の内容変更を英国が示しており、欧州との対立が注目されています。
北アイルランドを巡る英国と欧州の対立が表面化してくる可能性があるので注意しておきたいと思います。
株安リスク
世界的に金利が上昇し、株価の重しとなっています。
物価上昇も景気後退が懸念され、スタグフレーション懸念に繋がって株価の重しとなっています。
このような状況から株価下落リスクにつながって、株価下落によるリスクオフの可能性があります。
経済指標で景気後退が懸念される結果となった場合や、要人発言から引き締め観測が進んだ場合など、株価の動きに注目です。
◎来週のイベントスケジュール
6月6日(月曜日)
ニュージーランド(女王誕生日)、ノルウェー、ドイツ、スイス、フランス
10:45 CNY 財新サービス業PMI
6月7日(火曜日)
13:30 AUD RBA理事会・政策金利・声明文発表
17:30 GBP 英総合・サービス業PMI
21:30 USD 米貿易収支
21:30 CAD カナダ貿易収支
23:00 CAD カナダIveyPMI
6月8日(水曜日)
02:00 USD 米3年債入札
08:50 JPY 日1∼3月期GDP(改定値)
18:00 EUR ユーロ圏1∼3月期GDP(確定値)
23:30 USD 原油在庫量
6月9日(木曜日)
02:00 USD 米10年債入札
20:45 EUR ECB理事会・政策金利・声明文・スタッフ予想発表
21:30 EUR ラガルドECB総裁記者会見
21:30 USD 米失業保険申請件数
6月10日(金曜日)
00:00 CAD マックレムBOC総裁発言
02:00 USD 米30年債入札
10:30 CNY 中国CPI(消費者物価指数)
17:00 EUR ホルツマン・オーストリア中銀総裁発言
21:30 USD 米CPI(消費者物価指数)
21:30 CAD カナダ雇用統計・失業率
23:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
6月11日(土曜日)
00:00 EUR ナーゲル・ドイツ中銀総裁発言
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント
03:00 USD 米月次財政収支