2018年10月8日
アイルランド国境問題 ~Brexit交渉の最難関~
記事を書いた人:岡ちゃんマン
目次
◎Brexitで何を揉めているのか?
Brexit交渉も大詰めとなっていますが、やはり最大の注目点はアイルランドの国境をどうするか!?
EU側と英国側、英国内でも中央政府と北アイルランドと、それぞれの思惑が交錯してまとまらない状況です。
まず、下の地図①が英国とアイルランドです。
英国は大きく分けて、4つの地区に分かれます。 右側の島、上からスコットランド、イングランド、ウェールズです。
左側の島、上部の北アイルランドです。
また、左側の島にはアイルランド共和国があります。 アイルランド共和国は、EU加盟国です。
今回の問題になっているのは、英国とアイルランド共和国の国境の位置。
右側の島が英国、左側がアイルランド共和国となっていれば簡単だったのですが、、、
北アイルランドが英国領ということで、国境の位置がアイルランド島の中にあることです。
◎では、何が問題なのか?
英国側も、EU側も、アイルランド共和国、北アイルランド、ともにハードボーダー(物理的な国境)は望んでいません。
現在は英国もEUに加盟しているので、人・物・サービスが自由に行き来出来ます。
ただ、英国がEUから離脱すると人・物・サービスの行き来をどうするか!? という問題が出てきます。
何をどこまで管理するのか? が1つ目の問題点
英国は人の行き来を管理したい。
移民や難民を管理して、あまり入れたくない。 ただ、物・サービスの移動の自由は欲しい。
EU側はそんな良いとこどりは許せない。
なので、人を管理するなら、物・サービスの管理もする。
どこで管理するのか? が2つ目の問題点
当然、英国がEUから離脱ということなので、下記の地図②のように国境のところで管理をするという案です。
上記のやり方だと技術的や法律(ベルファスト合意など)が難しいので、下記の地図③のように海上で管理をするやり方が浮上しています。
海上で管理となると、北アイルランドだけは特別扱いとなっています。
北アイルランドとアイルランド共和国の間にはベルファスト合意というものがあります。
この合意の事を考えると下記の地図③のやり方がいいのではないかと思うのですが、、、
北アイルランドだけEUに残るような形になってしまいます。
これを英国はとても嫌います。
もし仮にこれを認めてしまうと、今度はスコットランドが特別扱いを求めてくる。
もしくは、再度英国からの独立、スコットランドだけEU残留なんてことを言い出しかねないからです。
細かいことを書き出すときりがないので、簡単に概要や思惑だけ書き出しました。
ベルファスト合意は、長い歴史の中で出来た合意
ベルファスト合意には政治や宗教など多くの思惑があります。
これに加えて、EUや英国などの政治や思惑などが絡み、管理の技術などを考えると、合意に至るためにはいくら時間があっても足りません。
10月18日までに合意出来ればよいですが、最悪臨時のEU首脳会談(11月中旬)までに合意出来なければ白紙離脱(合意なき離脱)の可能性も出てきます。
合意できたとしても、内容次第では周囲への影響も、出てくる可能性があります。
Brexit交渉最大の注目点、アイルランド国境問題に要注目です。