ジブラルタル領有権問題! 歴史と重要性を解説!

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2018年11月26日

ジブラルタル領有権問題! 歴史と重要性を解説!

記事を書いた人:岡ちゃんマン

 

英国と欧州のBrexit交渉合意が大詰めですが、ここにきてアイルランド国境問題に続き、ジブラルタル領有権問題が再燃してきました。

英国国民投票で離脱が決まり、リスボン条約50条を行使したころに問題となっていた、ジブラルタル領有権問題。 その他の問題、北アイルランド国境問題等で隠れていました。

 

↓↓↓当時の記事です↓↓↓

英国vsスペイン

 

 

先週、メイ首相とユンケル欧州委員長が会談でBrexit交渉合意が見えてくると、急にスペインが反対してきました。

 

英国と欧州がギリギリのところで、、、やっと合意になりかけているタイミングで、ジブラルタル領有権の主張をしてきました。

 

ジブラルタルの問題とは!?

 

簡単にまとめてみました。

ジブラルタル、、、個人的にはアイルランド国境問題よりも、経済や軍需、利益に直結する分、揉めそうな気がします。

 

 

~ジブラルタルの歴史~

・8世紀から15 世紀までイスラム圏が支配。

・1462年にイベリア半島の中央部にあったキリスト教国のカスティーリャ王国に支配。

・カスティーリャ王国は、後のスペイン王国(1479年~)。

・17世紀にはオランダが占領。

・スペイン継承戦争後、ユトレヒト条約(1713年)で英国領。

・その後スペインは自国領だと主張を繰り返し英国と関係悪化。

・1967年、英国とスペインどちらに帰属化を問う住民投票でほぼ英国に投票。

・1986年、スペインがEU加盟で国交再開。

・2002年、英国とスペインの共同統治を問う住民投票で99%の人が反対。

 

 

 

~ジブラルタルの地理的重要性~

ジブラルタルの位置関係は以下の地図の通りです。 ジブラルタル領有権を持つことは、ジブラルタル海峡の領海を持つことになります。 ジブラルタル海峡は、地中海の玄関口になります。 地中海に出入りが出来なければ、商業的にも、防衛面でも大きな損失となってしまいます。 

 


欧州マップ

 


ジブラルタル海峡

 

 

 

 

~ジブラルタルの貿易・商業的重要性~

 

ジブラルタルは、地理的・軍事面で注目されることが多いのですが、実はタックスヘイブン(租税回避地)としても重要な位置づけとなっています。

ジブラルタルの法人税は10%(EUは25%)で多くの企業が拠点を置いています。 なので、観光のほかにオンライン・ギャンブル、保険、金融サービスなどがあり経済は好調、失業率は1%弱となっています。

EU加盟国は、税制面でも欧州委員会の許可が必要です。 今回のBrexit交渉でも、英国はEU離脱後は欧州のシンガポールを目指し、法人税の減税を計画していました。 ただし、EU側は認めず、離脱案には組み込めなかったとの情報もありました。

 

以上の状況から、ジブラルタルは重要な拠点となっています。

 

スペインは、英国のEU離脱条件にジブラルタルの共同統治を主張しています。 EU離脱の国民投票では、ジブラルタル住民のほとんどが、離脱に反対でした。

当然、スペインに自由に行き来出来なくなると、生活するのに不便になってきます。 企業としても、EUとの関係がどのようになるか不透明になってしまいます。

なので、2002年の住民投票よりも多くの人が、共同統治に賛成してくれるのではないかとみているようです。

 

今後の英国とスペイン、ジブラルタル住民の行方に注目です。

 

 

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