2019年3月10日
逆行トレード手法
記事を書いた人:川ちゃん
目次
◎逆行トレードとは?
「為替(通貨)」は「株価、商品、国債価格」に大きな影響を受けます。株がどう動いたら為替がどう動くか、など基本パターンがあります。基本パターンの逆の動きをした時にエントリーするやり方です。
逆行でエントリーするためには、基本パターンを知る必要があります。ファンダの基本パターンを挙げてみます。
ファンダの基本パターン
*ここでは上昇のみ書きますが、下降の場合も同じです
1)株価と通貨の相関
◇ダウ上昇→日経上昇→ドル円上昇
- ◇中国株上昇→オージードル、ニュージードル上昇
2)金融政策や経済指標と通貨の相関
◇利上げをする通貨は買われる
- ◇CPI(消費者物価指数)がよいと、利上げに向かう。その通貨は買われる。
3)通貨同士の相関
◇オーストラリアドルが買われるとニュージーランドドルも買われる
◇クロス円が上がるとクロスフランも上がる
4)リスクオフ、オンと通貨の相関
◇リスクオフの時は、円、スイスフランが買われる
- ◇リスクオンの時は、円、スイスフランが売られる
5)商品と通貨の相関
◇原油価格が上昇すると米株が上昇し米ドルが買われる
◇原油価格が上昇するとカナダドルが買われる
◇金価格が上昇すると円、スイスフランが買われる
◇乳製品価格が上昇するとNZドルが買われる
6)通貨先物と通貨の相関
◇ドルインデックスが上昇すると米ドルが買われる
10年債と通貨の相関
◇ドイツ10年債とユーロ諸国の10年債の金利差が開くとユーロは売られる
◇米英10年債金利差が開くとポンドは売られる
◇豪、NZ10年債金利が米金利に対して上昇すると豪・NZドルは買われる
◇日米10年債金利差が開くとドル円は買われる
◇米10年債金利が上昇すると米ドルが買われる
少し難しいですが、初めは意味が分からなくてもよいので、基本パターンをまず覚えてください。なぜ、そうなるかはブログ記事でおって説明します。
これを理解した上で、この逆になった時がチャンスです。
◎逆行パターン例
(2018年10月31日 NZU/JPY買い戦略の記事より)
新規NZD/JPY買い エントリー73.98 損切り 72.00
1)エントリー理由
1. ニュージードルは売り要因よりも買い要因が上回ってきたこと。
2. ニュージードルは売り材料が出尽くし、織り込んできたこと。
3.NZU/JPYは下落後、同じ価格で4度反発した(テクニカルで反発を示唆)
4.本来相関するはずの中国株が下落したが、ニュージードルは買われた(逆行現象)
以上の理由から、ニュージードルは、新たな売り要因が出てこない限り、買い目線
【買い材料】
・政権交代から落ち着いてきた
・CPI(消費者物価指数)の上昇
以下はニュージーランドCPI(消費者物価指数)の推移です。ニュージーランドの物価目標は、1~3%(前年比)です。10月の四半期CPI発表で強い結果が出ています。
【売り材料】
・オーストラリア経済の低迷
・中国経済の低迷
・ニュージーランド政権混乱
売り材料はありますが、既にニュージードルは売られすぎであり、織り込まれてきました。最近のニュージードルは、特に強い買い要因はないものの、売り材料が出尽くし、中国株が下落しているにもかかわらずニュージードルが買われ(逆行現象)、テクニカルで見ても、反発を示唆するダブルボトム、ヘッド&ショルダーが形成されています。リスク要因が出ても下落に反応しにくくなっています。
2)テクニカル要因と中国株の逆行現象(チャートより)
チャートの黒〇の部分がエントリーポイントです。
(NZD/JPY 時間足チャート ヘッド&ショルダー形成 テクニカル要因)
(NZD/JPY 4時間足チャート ダブル、トリプルボトム形成 テクニカル要因)
(NZD/JPY 日足チャート 4ボトム形成 テクニカル要因)
(2018年ニュージードルは売られ続け、売られすぎ テクニカル要因)
(左 NZU/JPY 時間足 右 上海総合指数 時間足)
上のチャートは左がNZU/JPYで青〇部分がエントリーポイントです。テクニカルで反転のシグナル ヘッド&ショルダーも形成しています。右が上海総合指数です。赤矢印→の期間は同じ期間です。
見てもらうと、分かるように上海総合指数はまだ上げてないのに、NZU/JPYがすでに急激に上昇しています。ということは、ニュージードルは中国に影響されず、下げトレンドから上げに転じた可能性が高いと考えられます。
もう1つ考えられるのが、先にNZU/JPYが上がったので、遅れて上海総合指数が上がるというパターンです。こちらを考える場合、上海総合指数が上がる裏付けも取らないといけないですね。1パターンではないですが、ファンダの逆行現象が出た時はチャンスです。
「為替」は「株価、商品価格、10年債利回り」の先行指標や遅行指標になることが多いです。
・為替=マクロ経済(空の上から森全体を見るといったイメージ)
・株価、商品、国債=ミクロ経済(森の中の木を一本一本見るというイメージ)
以上のようにミクロとマクロを位置付けしたとします。ミクロ(株価、商品価格、10年債利回り)の影響がマクロ(為替)に表れるのには時間差があります。という事は、ミクロの動きを注意してみていれば、未来のマクロ(為替)の動きが容易に予測できるのです。
この、ミクロとマクロの時間差を使ったトレードが、逆行トレードになります。
FXをしている個人投資家は、ほとんどFXしか見ていません。しかし、FX相場は、FX以外の様々な相場の影響を受けるんです。初めは、商品や10年債などは難しいかもしれませんが、慣れればFXと同じです。他の相場を見ることで、優位性(エッジ)が生まれると考えています。
結局、みんなと同じ事をしてたら勝てないですからね。