イタリア予算案を巡ってユーロは乱高下! 何が問題なの?を解説

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2018年10月4日

イタリア予算案を巡ってユーロは乱高下! 何が問題なの?を解説

記事を書いた人:岡ちゃんマン

 

下落が止まらないユーロ!

なのに、、、昨日はユーロは急騰、その後高値圏で推移していました。

現在、ユーロに何が起こっているのか!?

今後注目すべき点は!?

 

 


EUR/USD 5分足チャート

 


EUR/USD 時間足チャート

 

 

目次

予算案と債務残高

 

まず、ユーロを巡って問題になっているのは、「イタリアの2019年度予算案と債務残高」ということ!

 

ただ、まだ何も決まっていない予算案を巡って、憶測と発言で乱高下している。。。

昨日は、決まってもいない予算案に対して、現在懸念されている財政赤字GDP比の縮小を検討しているとの報道でユーロは急騰しました。

 

ただ、その後のイタリア要人発言でユーロは下落に転じました。

また、イタリアの財政赤字懸念は拡大し、イタリア長期金利も上昇しています。(下記チャート右丸) この金利利回りは、イタリア選挙の時の上昇を超えています(下記チャート左丸)

 

 

 

 

 

なぜ決まってもいない予算案で、ここまで乱高下するのか?

 

ギリシャの債務危機、ギリシャショックの再来を懸念している。 しかも、ギリシャとイタリアで比べると、イタリアは経済規模がギリシャの数倍あること。危機が起こったときの被害額も数倍になってしまう。 ギリシャショックは乗り越えられても、イタリアショック(財政破綻)となるとEU崩壊に直結することが、ここまで注目される理由だと思います。

 

予算案の何が問題なのか?

 

来年度の予算を検討するうえで財政赤字がEU(欧州連合)に認められない内容であること。

 

日本では、当たり前になって生きている赤字国債。 借金を返すために借金をしている状態、これがイタリアでも行われていることです。

ただイタリアでは、赤字国債(借金)の上限額が決められている事。

日本は独自の経済圏、独自通貨なので赤字国債の上限が決められていません。 イタリアはEU(欧州連合)に加盟しているので、EUのルール内でしか赤字国債発行が出来ません。 借金の上限が決められているので、その中でやりくりしなければいけません。

 

また、財政赤字(借金)を解消(返済)していく計画も発表して、それを実行していかなければいけません。

ただ、今回提出するであろう予算案は、ルールは守っているものの、計画は実行されていません。

 

今回1番の、問題になっているのが、財政赤字解消(借金返済)の計画を守るのか?守らないのか?

 

この借金返済計画を巡って、それぞれの意見・言い分が対立している状況です。

 

イタリア(現政権)の意見・言い分

 

イタリアの現政権は五つ星と同盟の連立政権です。 この連立政権は、今年の選挙で政権交代してできた新政権です。 なので、財政赤字解消の計画は前政権が約束したことだ。 新政権の計画としては、予算をしっかりと組んで経済を立て直すことが、将来的に財政赤字解消につながる。 だから今年は財政赤字はしょうがない。 しかもEUのルール(3%)は守っている。 という言い分です。 また、両党は選挙公約として財政拡大をして経済立て直しを掲げていたので、公約実行のためにも予算拡大案を打ち出しています。

 

ただ、イタリアの財務担当のトリア財務相は、五つ星にも同盟にも所属していません。 なので、トリア財務相はEUとの間で板挟み状態で、中間をとった予算案や発言を繰り返しています。

 

 

 

EU(欧州連合)の意見・言い分

 

イタリアの予算案は、前政権が決めた財政赤字解消の計画を守ってもらわないと困る。 計画に沿った予算案じゃないと認めません。 というのがEU側のスタンスです。

 

現在は、上記の意見を発言しているだけで、予算案はこれからイタリア議会 → EU(欧州連合)と、本格的になってきます。 今後のタイムスケジュールなどは、以前まとめた記事に書いてありますので参照ください。

 

イタリア発、財政危機なるか!? イタリア予算案とユーロ下落について解説!!

 

 

 

今後、イタリアの新政権が意見を押し通して、EU側と衝突が激化していくと、さらにユーロの下落も考えられます。

逆に、EU側がイタリア予算案に歩み寄りを見せる。 もしくは、イタリア側が予算案を検討しなおし、EU側に沿った予算案を出してくるようならばユーロは上昇すると考えられます。

 

イタリアの要人発言、EUの要人のイタリアに対する発言に一喜一憂する状況は続くと思います。

要注意していきたいと思います。

 

 

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