2017年1月23日
トルコ1月政策金利発表を控えて
記事を書いた人:岡ちゃんマン
トルコについて少しまとめてみました。
- 政策金利について
トルコの政策金利には3種類あります。
まずはその違いから。
(1) 1週間物レポ金利(1 Week Repo)
1週間後に決済する条件で中央銀行が金融機関に融資する際の金利です。トルコの主要政策金利です。
(2) 翌日物借入金利(Overnight – Borrowing)
金融機関が資金が余っているときに、翌日に決済する条件で中央銀行に資金を預入する際の金利です。
金融政策の狙いとしては、
・翌日物借入金利を引き上げる
→金融機関の余剰資金を中央銀行に預け入れるよう促し、資金の滞留すを防ぐ
・翌日物借入金利を引き下げる
→金融機関からの貸し出しを促して景気浮揚を図る
といった役割を果たします。
(3) 翌日物貸出金利(Overnight – Lending)
金融機関が資金が不足している時、翌日に決済する条件で中央銀行から資金を調達する際の金利です。
金融政策の狙いとしては、
・翌日物貸出金利を引き上げる
→資金調達金利を上げることでインフレを抑制する
・翌日物貸出金利を引き下げる
→銀行の調達金利を下げることで外国からの投機的資金の流入を防ぐ
といった役割を果たします。
- 明日の政策金利発表について
1月24日火曜日
21:00
トルコ中銀 政策金利
前回8.00% 予想8.50%
トルコ中銀 翌日物貸出金利
前回8.50% 予想9.25%
トルコ中銀 翌日物借入金利
前回7.25% 予想7.25%
市場のコンセンサスは利上げですが、、、
TCMB(中銀)は、“インフレの加速やトルコリラ安”と“景気低迷や政府からの圧力”のジレンマに直面しています。
トルコの昨年(2016年)12月のCPI(消費者物価指数)は前年比+8.53%と、11月の+7.00%から上昇率が大幅に加速。トルコリラは今月、対米ドルや対ユーロ、対円などで過去最安値を記録しました。一方、トルコ政府はTCMB(中銀)に対して利上げをしないように繰り返し求めています。ユルドゥルム首相は1月14日、利上げは一つの手段としながらも、「やむを得ない場合を除いて最初の選択とすべきではなく、TCMB(中銀)は利上げの前に別の措置を検討すべきだ」と発言。エルドアン大統領の経済顧問であるゲディキリ氏も16日、「TCMBは利上げすべきではない」と強調しました。
難しい政策判断に迫られるなか、24日の会合では足もとの市場金利の上昇にあわせる格好で、1週間物レポ金利(主要政策金利)や翌日物貸出金利の引き上げが決定される可能性があります(翌日物借入金利は据え置きか)。
市場では、1週間物レポ金利と翌日物貸出金利が引き上げられるとの見方が有力です。ただし、その幅の予想が割れており(0.25%、0.50%、1.00%など)、一部には双方据え置きとの見方もあります。翌日物借入金利については、利上げ予想もあるものの、据え置きとの見方もあります。
市場の見方が分かれているだけに、政策金利の発表を受けて、トルコリラが大きく動く可能性があります。3つの政策金利がすべて据え置かれた場合、トルコリラ売りが加速するとみられます。一方、利上げが決定されたとしても、
その幅が不十分と市場で受け止められた場合、トルコリラは下落する可能性もあります。
そのほかにも、大統領権限の問題や、格付けについて等ありますが、、、また今度。