2019年1月6日
ドル安は進むのか? 新年本格スタートのマーケットの反応は!? ~1月7日週の注目点とスケジュール~
記事を書いた人:岡ちゃんマン
目次
◎今週の注目点
1)ドル安と株価
先週の米指標、ADP雇用統計やNFP雇用統計は予想以上の強い結果が出ました。 ただ、ISM製造業景況指数は予想よりも弱い結果となっています。 フラッシュクラッシュ後ということもあり、強い雇用には反応は限定的。 弱いISMには敏感に反応しています。 新旧FRB議長の講演会では、パウエルFRB議長の慎重な発言に株価は反発上昇しています。
今週も注目は、米経済とFRBの動向です。
上記のように強い雇用を見ても現在の米景気は良さそうなのですが、ISMのように景気先行指数は少しづつ弱くなってきています。 米金利が逆イールドになったことでリセッション懸念も出ています。 先週のフラッシュクラッシュの要因の一つに挙げられているアップルの下方修正など、米景気後退が注目されています。 今週発表のISM非製造業景況指数や、株価3指数に注目です。
また、12月の利上げが注目となったFOMCですが、利上げ終了が注目されています。 利上げ終了だけでなく、FF金利先物で見ると利下げ観測も出始めています。 この状況で注目されるのが、FRB理事と地区連銀総裁のスタンス(考え)です。 利上げ回数、中立金利、利上げ終了時期、米景気などについてどのような発言をするか注目です。 あと、注目された12月のFOMC議事録も公開されるので、どのような話し合いがされたのかにも注目です。
2)中国経済とリスクオフ
年末年始に発表された、中国指標は弱い結果が続いています。 米中貿易戦争の影響が大きいのではないかと見られています。 先週、中国人民銀行は預金準備率1%引き下げを発表。 中国株(上海総合)は反発上昇して引けています。 今週も中国経済・中国株に注目です。
また、最近のリスクオフの要因の一つが中国だったので、リスクオフの巻き返しの起点となれるかも注目です。
3)政府一部機関が閉鎖と米予算
トランプ大統領は、メキシコとの国境に壁を建設する予算を妥協するつもりはなく、民主党と対立しています。 これにより米予算が承認されず、政府一部機関が閉鎖しています。 トランプ大統領は政府一部機関の閉鎖は長期化すると発言しています。
米議会は、年明け3日からスタートしていますが、昨年の中間選挙で当選した議員に変わっています。 そのことから米議会での民主党の発言権は強くなっています。 今後、大統領・民主党どちらが妥協して、予算案を通過させるのか注目が集まります。
4)フランスのデモと欧州経済
フランスではマクロン大統領の政策に対するデモが、まだ続いています。 デモの影響でフランス経済は後退。 フランスでは財政赤字も注目されるようになってきました。 マクロン政権の支持率は低下を続けています。 政権幹部はマクロン大統領から離れていってます。 反対に極右政党のルペン氏は着実に人気を集めています。 フランスの政治不安が欧州政治不安につながらないか心配です。
また、昨年の後半から欧州景気にブレーキがかかり始めている中、今年1月からECBの緩和政策は終了。 この影響がどこまで出てくるのか!? 欧州各国、特にイタリア・フランス・ギリシャ・スペイン経済は大丈夫なのか!? 欧州経済指標に注目です。
5)カナダ政策金利
カナダ政策金利は据え置きがコンセンサスとなっています。 特に注目は原油安。 昨年の利上げは、原油の高値安定が大きな要因になっていました。 また、最近の経済指標からも強さは感じられません。
ただ、サプライズの多いカナダ中銀です。 ないとは思いますが、利上げを期待してしまいます。 また、米国が利上げ終了懸念が出ている中、カナダ中銀が今後をどのように見ているのか、声明文と記者会見に注目です。
◎今週のイベントスケジュール
1月7日(月曜日)
06:30 AUD 製造業PMI
19:00 EUR ユーロ圏小売売上高
21:45 EUR デギントスECB副総裁発言
1月8日(火曜日)
00:00 USD ISM非製造業景況指数
00:00 CAD Ivey PMI
02:40 USD ボスティック・アトランタ連銀総裁発言
09:30 AUD 貿易収支
17:30 GBP Halifax住宅価格指数
19:00 EUR ユーロ圏消費者信頼感指数
22:30 USD 貿易収支
22:30 CAD 貿易収支
1月9日(水曜日)
03:00 USD 3年債入札
09:30 AUD 建築許可件数
16:00 EUR ドイツ貿易収支
16:30 CHF CPI(消費者物価指数)
19:00 EUR ユーロ圏失業率
22:20 USD ボスティック・アトランタ連銀総裁発言
23:00 MXN CPI(消費者物価指数)
1月10日(木曜日)
00:00 CAD 政策金利・声明文発表
00:15 CAD BOC記者会見
00:30 GBP カーニーBOE総裁発言
00:30 USD 原油在庫量
01:30 USD ローゼングレン・ボストン連銀総裁発言
03:00 USD 10年債入札
04:00 USD FOMC議事録
10:30 CNY CPI(消費者物価指数)
16:00 NOK CPI(消費者物価指数)
17:30 SEK 鉱工業生産
21:30 EUR ECB理事会議事要旨
22:35 USD バーキン・リッチモンド連銀総裁発言
1月11日(金曜日)
02:00 USD パウエルFRB議長発言
02:40 USD ブラード・セントルイス連銀総裁発言
03:00 USD エバンズ・シカゴ連銀総裁発言
03:00 USD 30年債入札
06:45 NZD 建築許可件数
07:30 USD クラリダFRB副議長発言
09:30 AUD 小売売上高
17:20 EUR メルシュECB専務理事発言
18:30 GBP GDP・貿易収支
22:30 USD CPI(消費者物価指数)
1月12日(土曜日)
03:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント
04:00 USD 月次財政収支