2018年8月31日
ユーロは下落!? 上昇!? ~分岐点ユーロの悪材料~
記事を書いた人:岡ちゃんマン
欧州のリスク要因が増えてきました!
欧州リスクの拡大が、ドイツ長期金利とその他(イタリア・スペイン・ギリシャ)長期金利の利回り差が拡大しています。 長期金利利回り差の拡大は、ユーロの下落と相関性が強く、ユーロの下落も始まったように見えます。
ユーロの下落要因としては、トルコ情勢・イタリア財政・米欧関税問題の3つが注目です。
1)トルコ情勢は、今だ解決の糸口が見えません。 昨日は、トルコ中銀の副総裁が急遽辞任。 エルドアン大統領の無策ともとれるような発言。 トルコは休日にも関わらず、トルコリラの下落は続き、USD/TRYで ”6.7920” までトルコリラが売られました。 トルコリラは、直近最安値に近づいています。 本日休日明けで、どのように反応するか注目です。
2)イタリア財政問題は、先日まとめたように財政悪化が懸念されています。 昨日も財政問題関連で格付け会社フィッチが「イタリアのユーロ離脱の可能性は全くないだろう」「イタリアの改革は困難さが著しく増している」と発表。 本日はイタリアにとってハードル、フィッチの格付けが行われます。 どこまで下がるか、結果に注目が集まっています。
3)今朝、トランプ大統領の発言で、関税問題が急浮上! 最近のトランプ大統領は対中国に目が向いていました。 米中間で関税・貿易問題は続いていますが、急遽、欧州に飛び火。 WTOに対しても脱退をほのめかしています。 今回の関税問題、トランプ大統領の発言だけで終わるのか!? それとも追加関税や通商協議に発展していくのか!? 注目しています。 もし、継続・発展していくようであれば、欧州にとってはネガティブ要因です。
EUR/USDの日足チャートで見ると、ユーロは年初に高値を付けて下落。 直近3か月は ”1.1750” で上値を抑えられ狭いレンジで推移。 直近1か月はレンジを下抜けブレイクをしたと思いきや ”1.1350” 付近から急反発。 行ってこいで元のレンジ内水準になっています。
EUR/USDの時間足チャートで見ると、上昇トレンドに見えますが、直近高値・直近安値ともに切り下げたように見えます。 また、ダブルトップ・ヘッド&ショルダーに見えなくもありません。
ただ上昇の安値と高値を結んだフィボナッチで76.4%のラインと移動平均の長期ラインが下支えしているようにも見えます。
ユーロにとって、注目の分岐点になると思います。