2018年8月29日
ユーロ上昇の背景と、今後のユーロ
記事を書いた人:岡ちゃんマン
リスクを多く抱えたユーロが大きく買われています。 ドル安も追い風となりEUR/USDは、2週間で400pips近くの上昇! EUR/USDは注目水準まで上昇してきています。
まずユーロの状況について、簡単にまとめてみたいと思います。
ポジティブ要因
・強い経済指標結果と好景気
・年初から見るとユーロ安(通貨安)による貿易黒字
・年内QE終了
・来年夏以降に利上げ期待
ネガティブ要因
・イタリア財政問題
・難民問題
・トルコ問題
・スペイン政権問題
・Brexit
・米国(トランプ大統領)による通貨安誘導批判
・来年の欧州議会選挙
・ドラギ総裁の後任(タカ派バイトマン独連銀総裁はメルケル首相の推薦を得られず)
少し考えただけでも、ユーロにとってはネガティブ要因のほうが多いような気がする。 ただ現在出ているネガティブ要因は織り込み済みなのかもしれません。 特にEUR/USDの ”1.1500” より下に割り込んだユーロ売りはトルコショックが原因。 トルコショックが織り込まれてきたことで、ユーロが買い戻されているのかもしれません。
※トルコショックについては以下をご覧ください
トルコリラ暴落! 2018年8月10日トルコショック⁉まとめ
続・トルコショックまとめ。トルコだけの問題では済まないトルコ問題!!
ここからのユーロはどうなるのか!?
ドル安が進むのであれば、資金の流れは利上げ期待の上がってきているユーロに向かってくる可能性は高いと思います。 ただ、注意したいのは多く抱えるネガティブ要因が悪化しないことです。 現在はネガティブ要因を織り込んでいるとはいえ、悪化していけばユーロ売りとなります。 また、EUのネガティブ要因は単体のものではなく、一つの要因悪化はドミノ倒しのように連鎖悪化を招きかねません。
EUR/USDは1か月かけて、下落・上昇と行って来いの状況。 ここから上昇するには、強い上昇パワーが必要かと思います。 ”1.1750” 付近は日足チャートで見ると上値をきれいに抑えられています。 また最近の上昇はドル安も大きく影響しています。 月が変わることにより、ドルの流れが変わる可能性もあります。 ”1.1750” ”1.1800” ”1.1850” を超えてこれるかが注目です。
※8月は米国債の償還・利払いがあるためドル安になりやすい。米債償還・利払いについては以下をご覧ください。