2019年5月19日
欧州懐疑派は躍進なるか!? 欧州議会選挙スタート! ~5月20日週の注目点とイベントスケジュール~
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週は、米中関税・貿易戦争を織り込んで、消化していく1週間でした。 GW明けのように急騰急落は無かったものの、先月よりはボラティリティが高い1週間でした。 注目も関税からファーウェイ制裁等に移ってきています。
また、米中関係が注目されていて、目立っていませんでしたが、メイ首相の辞任圧力が高まり、政権不安や合意なき離脱の可能性があるのではないかと、ポンドが多くく売られる1週間でした。
為替以外では、ビットコインが急騰と騒がれています。
目次
◎今週の注目点
1)欧州議会選挙
今週は23日~26日にかけて欧州議会選挙が実施されます。 欧州議会選挙は、EU加盟国それぞれの国で選挙となるので、国によって日程が変わってきます。 それぞれの国から選出された欧州議会議員が集まって、欧州議会となります。 各国から集まった議員たちで、国を跨いだ派閥を作っていきます。
今回の注目は、この派閥の中で、欧州懐疑派と言われる派閥がどの程度躍進するかです。 EUの中には、英国のようにEUから抜けたほうが良いと考える人たちもいます。 また、EUから抜けたいわけではないが、ユーロから離脱して、自国通貨になった方が良いと考える人もいます。 このような欧州懐疑派と言われる派閥が躍進することは、ユーロにとってネガティブな要因となります。 今後のユーロにとって大きな転換点となるのが、欧州議会選挙だと思います。
また、欧州議会選挙の注目度が高いので陰に隠れていますが、週末にはスペイン地方選挙や、ドイツのブレーメン州議会選挙も予定されています。 スペインは政権が安定していないので、選挙は荒れる傾向にあります。 ドイツは、メルケル首相の求心力低下が懸念されています。 ドイツ・スペインともに政権が不安定になっている国なので注目です。
2)対米関係・対トランプ関係
米中関係については、関税はある程度織り込んできて、落ち着きを取り戻してきたように感じます。 当面はにらみ合いで動きはなさそうな気がしています。 米中間では、ファーウェイ巡った動きになってきています。 一部情報では、ファーウェイ制裁の一部を縮小するのではないかとありました。 仮に制裁縮小となれば、中国にとってポジティブとなり、オセアニアにとってもポジティブ要因となるのではないかと思っています。 確報が出てくるのを待ちたいと思います。
また、対イランに関しては、緊張状態が続いています。 イラン制裁も厳しくなってきています。 主要産業の原油だけではなく、アルミニウムや鉄鋼まで制裁の範囲を広げています。 これに対して、イランがどのように出てくるのか!? 噂されていたホルムズ海峡閉鎖に動くのか!? 注目です。
トランプ大統領は、今週末から日本に国賓として来日します。 トランプ大統領と安倍首相がどのような会談になるのか⁉ 自動車関税については180日の判断見送りとなっているが、その他の関税についてや円安について出てこないか注目しています。 円安に関しては、本来4月中旬に出てくる「為替報告書」がいまだ出てきていません。 為替報告書の内容で、中国や日本がどこまで通貨安誘導しているか!? 監視リストに入っているのか!? 為替操作国認定が出てくるのか!? 注目しています。
3)Brexitとメイ政権
先週、与野党協議は決裂と伝わりました。 これにより、メイ首相は、以前の離脱案を修正していくしかなくなりました。 また、野党はこの離脱修正案について反対を表明しています。 段々と八方ふさがりとなってきました。
これを受けて、メイ首相の辞任が急浮上してきています。 6月上旬という情報もありますが、明日にでも辞任という情報も出てきています。 また、メイ首相の後任に立候補する人も出てきています。 英国の注目は、早くも後任人事になってきているように思ええます。 特に後任が離脱強硬派となった場合には、欧州との離脱協議延長期限を待たずに合意なき離脱の可能性もあります。 段々と、合意なき離脱の可能性が高まってきていることから、先週1週間、ポンドは売られてきています。 今週も、メイ首相の辞任に注目が集まりそうです。
4)日本GDPと消費税
GW開けてかの株価下落や、消費増税延期発言など、今年秋の増税延期に注目が集まってきています。 ほとんど注目されない国内の経済指標ですが、今週発表のGDPがマイナス成長であれば、消費増税延期の理由になるのではないかと注目されています。 GDPがマイナス成長なのか!? また、GDPと消費増税延期について発言がないか!? 注目されています。
5)要人発言・議事録
今週は要人発言が多数予定されています。 今週は経済指標よりも要人発言のほうが注目度は高いかもしれません。
米国では利上げ・利下げどちらの方向に向かうのか!? 米中関係がどこまで影響が出ているのか!? 注目が集まります。 FOMC議事録も公表されるので注目しておきたいと思います。
また、欧州では選挙結果によって変わってくるとは思いますが、最近の欧州経済について、TLTROについてなどに注目が集まります。 欧州に関しては、要人発言とともにECR理事会議事要旨もあるので、併せて注目したいと思います。
ロウ総裁については、年内の利下げについてです。 金利から想定する年内利下げ確率は2回となっています。 前回会合では据え置きとなりましたが、年内に利下げする可能性があるのか発言とRBA議事録に注目が集まります。
◎今週のイベントスケジュール
5月20日(月曜日)
08:50 JPY GDP(速報値)
18:00 EUR ユーロ圏経常収支
22:30 USD ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁発言
5月21日(火曜日)
01:30 GBP ブロードベントBOE副総裁発言
02:05 USD クラリダFRB副議長発言
08:00 USD パウエルFRB議長発言
10:30 AUD RBA金融政策決定会合議事録
11:15 AUD ロウRBA総裁発言
17:30 GBP カーニーBOE総裁・ブロードベントBOE副総裁・テンレイロ外部理事・ソーンダース外部理事発言
23:00 USD 中古住宅販売戸数
23:45 USD エバンス・シカゴ連銀総裁発言
5月22日(水曜日)
01:00 USD ローゼングレン・ボストン連銀総裁発言
07:45 NZD 小売売上高
08:50 JPY 貿易収支
09:00 AUD Westpac景気先行指数
10:30 JPY 原田日銀審議員発言
10:30 AUD 建築完了件数
11:45 AUD ロウRBA総裁発言
14:00 USD ブラード・セントルイス連銀総裁発言
16:00 EUR ドラギECB総裁発言
17:30 GBP CPI(消費者物価指数)
18:30 EUR プラートECB専務理事発言
21:30 CAD 小売売上高
23:00 USD ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁発言
23:10 USD ボスティック・アトランタ連銀総裁発言
23:30 USD 原油在庫量
5月23日(木曜日)
欧州議会選挙(~26日まで)
03:00 USD FOMC議事録(5月1日分)
08:00 AUD 製造業・サービス業PMI
15:00 EUR ドイツGDP
15:45 EUR フランス企業景況感指数
16:15 EUR フランス製造業・サービス業・総合PMI
16:30 EUR ドイツ製造業・サービス業・総合PMI
16:30 SEK スウェーデン失業率
17:00 EUR ドイツ企業景況感指数
17:00 EUR ユーロ圏製造業・サービス業・総合PMI
20:30 EUR ECB理事会議事要旨
22:45 USD 米製造業・サービス業・総合PMI
23:00 USD 新築住宅販売戸数
5月24日(金曜日)
欧州議会選挙(~26日まで)
01:00 EUR ノボトニー・オーストリア中銀総裁発言
02:00 USD カプラン・ダラス連銀総裁/デイリー・サンフランシスコ連銀総裁/ボスティック・アトランタ連銀総裁発言/バーキン・リッチモンド連銀総裁発言(討論会)
07:45 NZD 貿易収支
17:30 GBP 小売売上高
21:30 USD 耐久財受注
22:00 MXN メキシコGDP
5月25日(土曜日)
欧州議会選挙(~26日まで)
トランプ大統領が国賓として来日(~28日)
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント
5月26日(日曜日)
欧州議会選挙
スペイン地方選挙
ドイツ・ブレーメン州議会選挙