2017年12月29日
ECB理事会を終えて
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週9月07日に開かれたECB理事会について、まとめておきたいと思います。
事前の注目点は以下をご覧ください。
目次
ECB理事会の注目点について
20:45の政策金利発表は、事前予想通り据え置きだったので、無風で通過しました。
21:30のドラギ総裁の記者会見では、上下に大きな髭を作りながら、ユーロは買われていきました。
記者会見の主な内容は以下の通りです。
「中期の見通しはほぼ変わっていない」
「最近のユーロのボラティリティは不透明性の原因」
「為替のボラティリティを巡る懸念で幅広く一致した」
「きわめて大規模な金融緩和が必要」
「ECBは秋に政策調整を決定する」
「インフレは年末にかけて低下へ」
「成長・インフレ・為替が今回の会合のテーマ」
「インフレには幅広い不満が出た」
「為替レート、成長とインフレに重要」
「為替レート、政策判断の考慮に入れる必要がある」
「QEの様々なシナリオを議論した」
「QEの実施期間や規模を議論した」
「ECBはQEに関する発表日程を手短に意見交換した」
「QEに関する決定の大半は10月に下す」
「QEに関する発表日を約束することは消極的」
「金融環境は疑いなくタイト化した」
「システミックなバブルの危険は見られない」
「ECBは低インフレに屈するべきではない」
(~Bloomberg)(SBI訳)
ドラギ総裁は以上のような発言をしています。
また、3か月に1度の経済予想「スタッフ予想」では、
「2017年経済成長予測を2.2%に引き上げ」
「2018年・2019年のインフレ見通しを引き下げ」
ユーロの実効レート
(セントラル短資参照)
長くなりましたが、まとめると、
・10月26日のECB理事会で、今後の緩和政策(テーパリング)について発表する
・ユーロのボラティリティ(急騰)について懸念がある
・ユーロ高の影響でインフレ見通しは下方修正
・経済成長は上方修正(景気回復は継続)
こんなところではないでしょうか。
これを見る限り、ユーロを売る材料は見当たりません。
上図のようにユーロの実効レートは急騰しています。
このまま上昇し続けると、ユーロ高けん制発言が出始めるかもしれません。
また、10月のECB理事会の注目度はかなり上がっています。
来月の理事会までの要人発言に注目していきたいと思います。