2018年9月16日
ECB理事会を解説! ~注目度アップECBとEU~
記事を書いた人:岡ちゃんマン
最近、周囲でユーロ円やポンド円を取引している人が増えてきたように感じます。 今までドル円を中心にスキャルやデイトレをしていた人たちが、ドル円のボラティリティの低さからボラティリティを求めて、ユーロやポンドを取引しているという話を聞きます。
そんな中で、ECB理事会が開かれました。
理事会の結果と、今後の注目点についてまとめてみました。
↓↓↓理事会の事前予想と戦略については以下の記事をご覧ください↓↓↓
◎ECB理事会の結果
金融政策については変更なし!(予想通り)
声明と記者会見の内容は以下の通り!
ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁
「ECBは必要ならあらゆる手段を調整する用意がある」
「経済の基調的な強さは信頼を支え続けている」
「足もとの指標は成長が継続していることを確認」
「GDP見通しについて2018年を2.1%から2.0%、20
「成長リスクは概ね均衡」
「インフレ見通しのリスクは後退している」
「保護主義や新興国市場のリスクが顕著になっている」
「年末にかけて基調的なインフレは上昇していくと予想」
「2018年・2019年・2020年のインフレ見通しはいずれ
「ユーロ圏の経済成長はしばらくの間、潜在力を上回る」
「インフレが目標値に収束することに自信」
「オペレーション・ツイストについては議論しなかった」
「トルコやアルゼンチンの波及は持続しない」
「政策変更による金融市場の影響はリスク」
「保護主義が不確実性の主な源」
事前予想通り、GDP見通しについては下方修正。 ただ、その他の点については思った以上にタカ派な内容に聞こえました。
1)GDP見通し(予想)の下方修正
GDP見通しの下方修正は事前予想で出ていましたが、想定通り下方修正。 ただ、思った以上に下方修正されなかったことはポジティブかと思います。 また、今後の見通しについてネガティブな発言は出てきませんでした。
2)インフレ見通し
インフレ見通しについては、1.7%で据え置き、リスク後退とポジティブな内容!
3)外的要因
トルコやアルゼンチンといった新興国リスクについては触れたものの、新興国通貨危機がユーロに影響する点は見当たらないとの事。 こちらもポジティブな内容。
総じてポジティブな内容に聞こえます。 ドラギ総裁の記者会見が始まるとユーロ買いで反応!
◎今後の注目点
1)外的要因
今回の理事会では、外的要因の影響は見当たらないとのことでした。 ただ、トルコと米国の関係は悪化する一方です。 トルコリラがこのまま下落していくようだと、やはりスペインやイタリアに影響が出ると思います。 また、トルコ・イタリア・ギリシャ・スペインなど財政問題を抱える国は、難民問題も抱えています。
2)Brexit交渉の進展
今回の理事会では触れられていませんが、Brexit交渉期限が迫ってきています。 Brexit交渉の内容によっては英国はもちろん、欧州各国にも影響が出てくる可能性があります。 中には景気に影響が出てくる可能性もあります。 今後の交渉内容に要注目です。
3)内的要因
イタリア予算案や格付け、ギリシャ財政問題、ポピュリズム政党の躍進など、外的要因だけでなく内的要因にも注意が必要だと思います。
QE(緩和政策)の年内終了は既定路線だと思います。 来年秋以降の利上げについては、今後の状況で大きく変わってくると思います。 そもそも利上げを来年の秋以降にした要因は、欧州議会選挙が夏に予定されているからではないかと思います。 その他にも来年はEU・ECBの要人が多く交代します。 ドラギ総裁も秋で任期切れです。 多くの地政学リスク、イベントを控えているため刻一刻と状況が変わってきます。 年内、来年は欧州から目が離せない状況となりそうです。