2017年12月29日
EUが抱える火種とユーロの下落
記事を書いた人:岡ちゃんマン
昨日の欧州時間がスタートしてから、ユーロは大きく下落しました。
今回の下落は経済指標の影響よりも、EUが抱える火種が原因ではないかと思います。
前回まとめた地政学リスクは以下です。
EUが抱える火種
・スペインカタルーニャ自治区の独立問題
・ドイツ議会・メルケル政権
・メルケル・マクロンの協力関係とEUの結束
・ギリシャ問題
・イタリア選挙
・北欧と南欧の経済格差
・移民問題とテロ
etc、、、
なかでも、スペインとドイツの火種が大きくなってきています。
◎スペイン・カタルーニャ自治区の独立問題
スペインの北東部に位置する、カタルーニャ自治区。
カタルーニャ自治区は、スペインGDPの20%強・人口の16%、サッカーで有名なFCバルセロナの本拠地があります。
スペインは17の自治州(自治区)から成り立っていますが、カタルーニャ自治区は貧しい自治区を援助させられていると不満があります。
また、現在の不満とは別に、歴史的に独立運動は繰り返されてきました。
そんな中、先週末に独立を問う住民投票が強行されました。
これに対してスペイン側は猛反発しています。
スペインとしては、独立を認めてしまうと連鎖的に独立を訴える自治区が出てくるからです。
スペインが崩壊すると、、、今度はEUに影響してしまいます。
◎ドイツ議会・メルケル政権
ドイツ議会は、メルケル首相率いるキリスト教民主同盟が第1党ですが、単独では過半数を占めることはできず連立政権を組んできました。
9月の議会選挙では、メルケル首相が勝利と伝わっていますが、手放しでは喜べない状況です。
メルケル首相は勝利はしたものの、議席数は減らしています。
なので、連立を組む政党を調整しているのですが、今まで通りの政策を続けていくのは難しい状況になる可能性が高いです。
ドイツは今まで、EU諸国は結束していこうと進めてきただけに、ドイツ議会(メルケル政権)の状況がEUに影響してくると思われます。
上記2つの問題が大きくなってしまうと、他の火種に飛び火して、問題がさらに大きくなってしまいEU崩壊の危機が再燃してしまいます。
無事に問題が沈静化するか注意していきたいと思います。